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民明書房大全

「魁‼︎男塾」をはじめ数々のヒット作を生んだ宮下あきら氏が、自身のマンガにてさんざん引用したと言わしめた書籍である。
とは書いてみたものの、言うまでもなく民明書房という出版社自体が宮下あきら氏が創作した架空の会社だし、何故ここで採り上げる意味があるかに疑問を抱く人も居るかもしれない。
しかし、「魁‼︎男塾」では、事あるごとにこの民明書房からの引用が多数載せられており、リアルタイムでそのマンガを読んだ多くの少年達はきっと実在する出版社だと思って読んでいたのではないか?(これは自分自身もそうだったが、、汗)
今までにもプロレスや格闘技のノンフィクション漫画の殆どが著名な原作者による創作だった事が判明されたケースはあったが、この本の場合、80年代の時点で初めからフィクションの中に「あたかも本当にあるかのような書籍からの引用」をマンガに付け加える事によって、一層読者を夢中にさせてた訳である。
フィクションの中のフィクションによる世界を切り拓いた宮下あきら氏の作家としての技量の高さが窺える上に、男塾の読者なら一つの書籍として読んでも楽しめるように仕上がっている。

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