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銭けっと(及びその関連活動)の参考元

以前、銭けっとを始めとした諸活動についての解説を公表しましたが、今回はその補足を書き記します。

テーマはタイトルの通り、銭けっと等の参考元(ネタ元)についてです。

参考元を明かす理由

勿論、銭けっとに関しては技術書典様がその最も大きな原動力です。

現に、関西の諸氏を説得する際「関西版技術書典を開催する」との文言を使った事もあります。

ただ、少なくない方から「銭けっとは技術書典を始めとする多くの即売会と毛並みが異なる」ご指摘を頂いており、それが弊大会に対する疑義を招いている側面もあるので、技術書典以外の銭けっとの参考元について解説しておきます。

最近ありがたい事に、私と同様の活動を希望する幾人かの方とお話しさせて頂く機会がありました。

故に、「後に続く方の参考になれば幸い」という心持でこの文章を書けております。

参考4団体

銭けっと関連活動の参考元(技術書典様以外の)は下記の4団体(4人の設立者と言い換えても良い)です。

・ロイズ保険組合   (エドワード・ロイド)
・東都薬品会     (平賀源内)
・シリコンバレー   (フレデリック・エモンス・ターマン)
・ゼネラルプロダクツ (岡田斗司夫)

4つとも著名な団体なので、特に解説の必要はないかと思います。

上記4つは主催者の生没年順に並べたので、私の思考順とは関係ありません。

順に解説していきます。


東都薬品会

「とうとやくひんえ」と読みます。

その名の通り江戸で開かれた薬品・薬草を中心とした物産展(日本初の)です。

この会主がかの有名な平賀源内です。

拙著「金の生る木」で詳しく書きましたが、当時の我が国は砂糖や生薬の輸入過多により生まれた莫大な貿易赤字に苦しんでいましたが、源内を始めとする本草学者の活躍によってその負債を解消にするに至ります。

本草学者の活動が爆発的に有機性を増すのは、源内の作った薬品会のフォーマットが定着してからです。

これ以上の説明は不要だと思います。


東都薬品会=技術同人誌即売会

平賀源内 =底辺

砂糖や生薬=IT技術


私の目標は吉例を再現することです。

ロイズ保険組合

私は金融知識が乏しいので、細かい事を語れません。

ただ世俗に疎い私でもロイズ保険が現時点の世界経済にとってどういう存在か位は知っています。

その巨大性を説明する必要はないでしょう。

私が以前から注目していたのは、この巨大シンジケートが「一軒のコーヒーショップから生まれた」、という事実です。

そのコーヒーショップの主はエドワード・ロイド。

彼もまさか己の姓が500年以上保険市場の代名詞として君臨し続けるなどとは夢にも思っていなかったでしょう。

ロイドは自身の店で船員や貿易商の為の海事ニュースペーパーを発行していました。

やがて彼の店は保険屋達の溜まり場となり、そこに集った保険屋達が築いた組合こそが「ロイズ保険組合」なのです。

これが底辺亭のモデルケースです。

別に保険組合やIT組合を作る予定はありません。

同業者が集合可能な中立地帯の存在が、構造的に内包している起爆性を期待しているだけです。

シリコン・バレー

かつての大戦において。

レーダーを軽視した我が国は、レーダーを重視したアメリカに惨敗しました。

そのレーダー戦を研究面で指揮していたのが、シリコンバレーの父と呼ばれるフレドリック・ターマンです。

興味のある方は、アメリカ側の戦史に目を通してみられる事を推奨します。

細かい説明は割愛しますが、当時何も無い田舎だったアメリカ西海岸にシリコンバレーを築いたのはターマン個人の才覚によるものであります。

彼の戦略は、彼が学長を務めるスタンフォード大学の学生に実業現場を見学させ、その起業を促すというものでした。

首都ワシントン(東海岸)の対極の西海岸にシリコンバレーを築けたことこそが、現代アメリカ隆盛の秘訣であると以前から私は考えておりました。

これが銭けっと・底辺亭を関西に据え、学生イベントを優遇している理由です。

我が国には東京以外のテクノリージョンが必要なので、とりあえず私は関西地方に最小規模のモデルケースを築くことを決めました。

ゼネラルプロダクツ

昔、私は薬物治験のアルバイト(要はモルモット人間です。)をしていた事があり、そこで多くの大阪芸術大学の学生と交流を持ちました。

以来、芸大に対しては比較的関心を持っていたので、先年「アオイホノオ」なる同大学を舞台にしたドラマ・漫画を知った時、かなり熱心に読み込みました。

そこで関西を拠点にアニメや大規模イベントを創り上げたガイナックス・ゼネラルプロダクツの存在を知って、創業者である岡田斗司夫氏の事績を調べておりました。

元々は学生が立ち上げた、イベントの為の一時的なアニメ制作団体の人脈を使いアニメグッズ販売店(ゼネラルプロダクツ)を設立した、という点が非常に面白く強く印象に残っておりました。

アオイホノオ放映の翌年に銭けっとを開く私からすれば他人事ではなく、ヒントにすべくゼネラルプロダクツの事を真剣に調べました。

「箱があるからこそコミュニティが維持され、コミュニティがあるからこそ箱が維持できる」

というのが私の所見です。

銭けっとを始めとする諸イベントの維持・継続・拡大の為には、活動を支援する常設施設が必須です。

底辺亭もその一つを目指すと共に、他の常設施設様のPRも続けていく所存です。


またゼネラルプロダクツに関しては運営していた自作人形のイベントを競合の大手に譲り渡した、という事例も確認しております。

しかもそのイベントは現在も継続中です。

個人がイベントを手じまいする方法としては理想だと感じたので、私も銭けっとをそのように着陸させるつもりです。

金沢行(こみっくたいふ~ん)での確信

その後、私は技術書文化普及の為に石川県で「金沢技術同人誌読書会」を開催するのですが、同地で『こみっくたいふーん』なる地元密着型の同人誌即売会を見学させて頂く機会に恵まれました。

その際、大会主催者氏が近郊サブカルバーも経営しておられると小耳に挟んだことが、一種の天啓となりました。

私が銭けっとと底辺亭が並行運用しているのは金沢で得た確信に基づいております。

結びに代えて 「目標達成のコツ」 

以上が、技術方面に関する私のネタ元です。

何かの参考にして頂ければ幸いです。

私が日本の辺境である関西の人間なので、首都との対比で地域の活性化を考えてしまいます。

ロンドンっ子のロイドは別として、讃岐人で当時は本草学のキャリアが浅かった平賀源内や、西海岸を愛したターマン、大阪発のアニメ作品・サブカルイベントを立ち上げた岡田斗司夫氏などに着目したのは、私が置かれている立地条件に起因するのでしょう。


私が皆様にこの文章を通じて伝えたかったのは

「過去の偉人達の事例を学ぶ事によって、個人でも現代社会の問題解決に貢献出来る」

という事実についてです。

それが目標を達成するコツです。


事例は無限に転がっておりますし、ITの普及した現在では非常に安価に専門情報・論文に触れる事が可能です。


私は日本再興をIT産業力方面から取り組んでおり、現時点では技術者の待遇向上こそがその最適解だと信じているので、改善手段として銭けっとや底辺亭を運営しております。

個々の技術に関してはさしたる興味がありません。

興味がなくとも、それなりの波及効果は生み出せるのです。


貴方も解決したい社会問題があれば、私の足跡を参考にしてみて下さい。

手に負えないようなら、優れた人間の活動をサポートする事に徹して下さい。

解らない事がありましたら、気軽にお声掛け下さい。

私の手が空いているうちは相談に乗らせて頂きます。

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