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東京人のトーキョー散歩〜旧乃木邸〜

生まれて育って、今も生活している街のせいか東京を観光の目で見ることはこれまでほとんどなかった。外の世界が魅力的で、なにかというと海外を旅してばかりの人生で。なので、2020年に突然世界が閉ざされて唖然。とはいえ、人生は続いていくんだ。閉ざされているなら足元の東京をじっくり味わってみよう、そんな気持ちが湧いてきて、それ以来、自分が興味ある場所を時々訪ねている。

1)司馬遼太郎著「殉死」
“殉死“という行為に衝撃を受けたのは、高校生の時。夏目漱石の「こころ」を読んだことにはじまる。自分にはどうしてもその行為をうまく受けとめることができず、でも関心があり、その後も常に頭の隅に残り続けている気になるワードである。古今東西殉死の例は多々あるが、近現代の日本史における殉死で有名な人の一人に乃木大将がいるだろう。(「こころ」でも重要な事件となっている。)
さんざんここまで関心があると言いつつ、お恥ずかしながら乃木大将の人生についてはあまり深入りしたことがなかったので、司馬遼太郎の「殉死」を読んでみた。

2)乃木坂駅徒歩0分の無料観光地
千代田線乃木坂駅。下車したことがあったっけ?というくらい自分にとっては縁のない駅だった。乗り換え駅でもないので。もちろん乃木神社の存在は知っていたが、その傍に乃木邸が保存されていたとは・・・エッセイを読み終わった余韻をさらに深めるために行ってみることにした。(六本木や青山一丁目からも徒歩10分程度で行ける。)
結論からいうと、行ってみてすごくよかった。ここまで丁寧に保存していて無料とは・・・港区さんありがとう。
https://www.akasaka-parks.jp/parks/nogi
邸宅の中に入ることは通常できないが、邸宅をぐるっと取り囲む外廊は歩くことができ、窓越しにご夫妻が殉死した部屋も覗くことができた。ここで、本当に殉死したんだ・・・と、頭でぐるぐるしている本の情報と現実が結びついた瞬間だった。

乃木大将の銅像。
重厚で立派な門構え。
邸宅は上底のような感じになっていて、勝手口は半地下側に。質実剛健でシックな黒が印象的。
ガラスに反射してわかりずらいが、夫妻が殉死された部屋。常時外から見学できるようだ。
馬車用の井戸。厩もあって、明治の様子が窺いしれる。ここから皇居まで馬に乗って行ったそうだ。
邸内の見学、後日行ってみた。

3)後日談
実は、邸内が見られるという期間に改めて見学に行ってみた。これも無料。一度に入れる人数を制限している関係から、整理券のような方式で一度現地へいき、見学時間を予約し、時間になったら改めて訪れるという感じだった。撮影禁止なので写真はないが、明治時代の生活様式を垣間見れることができて有意義だった。🧳

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