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定年女性の実家じまい 実家の片づけ


実家が空き家になった

数年前の3月、認知症の父が施設に入所し、6月に母が亡くなって実家が空家になった。週末ごとに片付けに行っているが、4DKの小さな家なのに、いつ整理が終わるのかまったく目途が立たない。

ゴミ屋敷ではないけれど…

両親の名誉のために言うと決してゴミ屋敷ではない。百円ショップの収納グッズやお菓子の空き缶、空き箱など利用して、細々したモノが品目ごとにきちんと分類分けして収納されている。

局所的には整然と整理されているのだが、調べてみると同じものが玄関脇のラック、居間の整理タンス、仏間の押入れに重複して置いてあったりする。何かの粗品でもらって未使用のまま段ボールに入っているものなど、ここ数年は手をつけた形跡がないものも多い。

一番驚いたのは扇風機が7台もあったことだ。私が物心ついたころすでに使っていた、製造から50年は経っていると思われる扇風機まで残っていた。電源を入れると、プロペラ機になって今にも飛んでいきそうな大きな音がしたが、ちゃんと稼動した。

父が使っていたもの、母が使っていたもの

電気関係の仕事をしていた父は、家電の修理や家の補修などをこまめにやっていた。そのせいか電動工具や塗料、大量のネジやクギ、電圧計や何に使うのかよくわからない道具など、様々なものが物置に置いてある。

物置は夫が整理しているが、塗料の缶は振っても液体が入っているようなチャプンという音がせず、捨てるしかないのだが、どうやって処分すればよいかわからず途方にくれている。

母は押絵、日本画、刺繍を習っていたので、大量の作品と端切れや刺繍糸が残っている。形見分けで叔父や叔母にかなり引き取ってもらったが、それでもまだたくさん残っている。大きな羽子板や額に入った押絵など、捨てるのは忍びなく、かといって場所を取るのでうちに引き取るわけにもいかず、結局処分保留でもとあった押入れに戻したりしている。

ボチボチ片づける

ゴミとして処分するか、リサイクルショップに売るか、うちで引き取って使うか、決断できるものはよいが、父母が愛用していたものや、写真や手紙など、どうすればよいか悩ましいモノも多い。また、そういうモノを見つけると、つい作業の手が止まり見入ってしまう。

たとえば父の小学生時代の通信簿。伊勢湾台風で自宅は二階まで浸水したと聞いていたので、まさか残っているとは思っていなかった。どの科目もほとんど甲で乙が少し。兄弟の中では父が一番頭がよかったと聞いていたが、これで裏付けがとれた。疎遠になった親戚との手紙のやりとりは、解読するのに時間がかかりそうなので、もう少し落ち着いてからじっくり読むことにしよう。

母が作った和紙の小物入れの中に、サファイア(の模造品)があった。昔は裁縫箱の中に無造作に入れてあったので、高価なものではないと思う。でも、指輪だったのをペンダントにリフォームしてあったからきっと気に入っていたのだろう。これは私がもらうことにした。

本当は目標を決めてサクサク処分しないと、いつまでたっても片付けは終わらないのだろう。でも、知らなかった父母の一面を発見したり、子どもの頃のことを思い出したりしながら、ぼちぼちと片づけていこうと思う。

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