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【行間を読む】中原幹夫「理論物理学のための幾何学とトポロジー 第2版」p. 278 (球面上のベクトルの平行移動)


キーワード

  • ホロノミー群

  • ベクトルの平行移動

  • Levi-Civita接続

該当箇所

$${\phi=0}$$において$${X^\theta=1}$$なので

$$
X^\theta=\cos(C_0\phi)\qquad X^\phi=-\frac{\sin(C_0\phi)}{\sin\theta_0}
$$

を得る。

疑問点

ベクトルの平行移動のイメージがつきにくい。

解説

極座標Levi-Civita接続で$${\theta=\theta_0=const.}$$に沿ってベクトル$${\bm{e}_\theta=∂/∂\theta}$$を平行移動させると

$$
\bm{X}=\cos(\phi\cos\theta_0)\bm{e}_\theta-\frac{\sin(\phi\cos\theta_0)}{\sin\theta_0}\bm{e}_\phi
$$

となることが示せ、これを通して球面のホロノミー群がSO(2)となることがわかるが、式を見て直観的に理解できるものではないだろう。感覚的な把握のためにベクトルの平行移動を描画してみた。

θ=const.に沿ってベクトルe_θを0≤φ≤2πで平行移動

これでもわかりにくいと思うので、始点を合わせて描画する。

各円周に沿ってベクトルe_θを-π≤φ≤πで平行移動

実際にサッカーボールなどに指を自然に添わせてみると、球面に角度がついてくると同時に指先が上がってきて図のようになる気がすると思われる。

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