新卒エンジニアが入るべきは大企業?スタートアップ?

先日、エンジニアとしてこれから社会に出ようとしている方とSkype面談をした時に、その方から「新卒で大企業に行くかスタートアップに就職するか迷っています。手島さんは新卒で大企業に就職して良かった点はどんなところでしたか?」という質問をされました。最近多くの若者と話していて、このような質問をいただくことが最近多いので、自分が今思うところをまとめてみました。

私は「外資系大企業 -> メガベンチャー -> 起業 x2」を約10年間で経験している今も毎日コードを書いているエンジニアです。

私は今後も当面は起業という世界にいる予定ですが、まだ学生の彼らに「スタートアップにジョインしろ」とか「#起業しろ」と強く勧めるようなことはしません。大企業とスタートアップは全く違う世界ですので、いろいろな情報を参考にして、ざっくり将来を思い描いた上で決めてもらえば良いと思っています。

※ここでいうスタートアップ企業とはWeb系で大体50名以下くらいの設立数年以内のシード期からシリーズA期の企業のことを言っています。


一流大学の学生達の新卒就職先候補にスタートアップという選択肢が普通に入る時代になった

このような質問をしてくれたのは彼だけではなく何名もいます。最近の一流大学の学生達は就職先にスタートアップに参加するという道が選択肢の一つとして入っているんだなぁと、時代の移り代わりを実感しています。

Skyland Venturesさんが提唱している「#起業しろ」ブームのおかげ(?)でしょうか。日本人はカルチャーの特徴として「皆がやっているならやる」という集団意識が強い文化を持っているとよく言われますので、学生を卒業して小さい会社に入るという選択肢を取る人が増えていけば、どこかのタイミングで「新卒->スタートアップ」の流れがよりいっそう加速していくと思います。

私が新卒で就職活動をしていた時はそんな選択肢が見えていませんでした。研究室の周りのメンバーは皆、NRI、NTTデータ、アクセンチュアといった大手SIerへ就職するのが当たり前の道のように出来上がっていました。私もSIerという領域ではなかったものの当時学生時代にインターンしていた外資系大手の研究所の開発チームにそのまま就職しました。

その後、メガベンチャーへ転職や起業を経験して、これからエンジニアキャリアを積もうとしている彼らにとって参考になるかもしれない点を大企業 vs スタートアップという立場からまとめます。


1. 「専門性 x 失敗しない環境」の大企業

大企業には優等生がたくさんいます。私の所属していたチームには東大を首席で卒業した方とかMITを卒業した方とか、恐ろしいほど頭の良い人たちがゴロゴロいました。教育の体制もしっかりしており、きちんとこなせる範囲で自分の技術力を伸ばせていける環境でした。また、分業もしっかりしているので自分の担当範囲が明確です。例えば、一つの検索エンジンのプロダクト開発チームの中でも、クローラー、言語解析、UIなどそれぞれの特定のコンポーネントの開発担当者となります。

非常にのびのび仕事ができ、困ったらチームでディスカッションもして解決していきます。そして、長年勤務していると、その担当分野のエキスパートになることができます。またそこでは、専門的な技術力だけではなく、プロダクト開発の組織、アジャイルなどのチームとしての開発手法やグローバルプロダクトの開発手法なども学びました。

当時はそれが当たり前の世界でしたが、自分で起業などを経験した後に思い返すと、「失敗という経験をほとんどしてなかったなぁ」と最近思います。

担当範囲が明確で、分業していて、優秀な先輩たちがいる、という環境では大きな失敗をできるような機会すらなかったのかもしれません。もちろんそれは悪い意味ではなく非常に恵まれた環境です。のびのび専門性を高められる職場なんです。

2. 「能動性 x 失敗できる環境」のスタートアップ

一方、スタートアップのような環境で自分で事業を進めていく立場になってみると、担当範囲も明確ではない、自分自身で解決するしかない、という状況が多いと思います。エンジニアでも必要であれば担当という枠を超える必要もありますし、技術選定に関しても自身で責任を持ちます。極端な例では開発という範囲の中だけではなく、エンジニア自身も採用活動などはもちろんの事、営業すらやる必要も出てきます。

また、スピード感が命ですので、エンジニアであっても主体的・能動的に動くことが求められます。初期のフェーズでは、指示された仕事を100点満点にこなす人材よりも、自分で仕事を探して自身で判断した上で実行できる人材が求められます。大げさに言えば、常に今行っている仕事を疑うくらいでいいと思います。1エンジニアとしてジョインしたとしても、自身でこうしたらもっとサービス・会社が良くなるという案があれば、もらってる仕事を後回しにしてでも提案して実行するくらいの気持ちで良いんです。スタートアップ経営者も一人一人のマイクロマネージメントをする余裕もありませんので、能動的に動けるエンジニアが重宝されます。

そのような環境で能動的に自身で企画して実行していると、色々な失敗を起こします。ある意味、そこには大企業の職場と違って、失敗できる環境がいっぱい存在するのです。前述の通り今まで失敗できる環境すらなかった道を歩んできた自分にとっては、はじめ困惑しました。今思うと、これらの失敗から学ぶことが、自分にとっての大きく成長を実感出来るものとなっていました。


ファーストキャリアとしてどっちに就職するべきか

大企業に就職するのとスタートアップにジョインするのは全く異なる環境に飛び込むということは伝わったのではないでしょうか。

重要なことは、自分が何を目指しているか10年後どうなっていたいか、それに応じて最短となりそうな道を選択すれば良いと思います。

スタートアップでは給与面の不安かもしれません。また、シビアな環境で不安になるかもしれません。しかし、そこで若いうちに学んだスキル・経験は将来大きく回収できるアセットになると考えられればそこに進むのはアリです。

大企業に行くことも良い点も多いです。組織やチーム開発を学ぶことができ、専門性、経歴も高められます。実際に大企業所属という経歴は大手企業向けの営業でもする時には思わぬ活躍をしたりもします。

私は今後も、自分で作りたいサービスを作ることを続けていきたいです。どうしても大企業にいると、それを実現するのは難しいですが、小さい会社に就職したり起業したりすれば自分自身で考えたものをダイレクトに実現していくことができるため、当面今後のキャリアとしては自分自身で何か事業をやっていきたいと考えています。

これからキャリアを形成する方も、なんで将来大企業で活躍したいのか、なんでスタートアップで活躍したいのか考えてみてください。今の時代、ファーストキャリアで一生就職する先が決まるわけではないので、自分にとってやりたいことを実現するため最適なルートであれば「大企業 -> スタートアップ」や「スタートアップ -> 大企業」というキャリアの積み方も良いと思います。


まとめ

今回は学生エンジニアたちの今後のキャリアの積み方について少し思うところを書きました。大企業とスタートアップに就職するのは大きく違う環境に進むということです。キャリア戦略への参考にしていただければ幸いです。

私はもっと起業家マインドを持った日本のエンジニアを増やしたいというビジョンでエンジニア事務所を運営していますが、学生の方に無理に「#起業しろ」とはお勧めしているわけではありません。起業には多くの困難が付きまといます。なので、人に言われたキャリアをそのまま進む必要はないです。そして、選んだ道の修正・拡張は可能です。過去のキャリアを活かして次に進んでいけば良いと思います。それによって個性・差別化などバリューも出てくると思いますし、後悔せずポジティブに進んでいけば良いですね。

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Takuya Tejima

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