見出し画像

訂正作業とデジタル検版

訂正作業時のルールとして、画像処理者がその作業を行なったチェックとしてブルーのマーカーを、編集・出力作業者が処理したチェックとして赤のマーカーでチェックする。最後に検版作業者が確認したチェックとしてグリーンのマーカーでチェックを入れるといった取り決めをしている。チェックが入っていない印刷原稿が印刷現場に回ることが稀にあり、印刷機長から確認の連絡が入ることもあり、マーカーチェックは一定の成果をあげていると思っている。

以前は初校を出した後の訂正の際に、作業者が赤字を見落とさないように、青のマジックで、色調補正や加工など画像処理チームが処理すべき作業には星マーク、編集・出力作業者が処理すべき内容のものには連番で数字を入れていた。

ただこの作業、原稿記入に時間がかかること、赤字を見落として青マジックで印をつけ忘れたりする事があること、作業者がかえって赤字をしっかり読まない時があることが問題に。さらにPDF確認が増えた事、遠隔地から校正紙自体が戻らなかったりする事が増えたため原稿に青字を入れることはしなくなった。

チェック作業として、作業者が一つ一つ処理するたびにマーカーでチェックを入れる。画像修正の更新の場合は、イラストレーターは一つ一つリンクパレットで確認し、インデザイン(クォークやエディカラー)はドキュメントを開く際に一気に更新しないで、更新画像にジャンプして更新ボタンを押したときに画像の変化を確認しながら作業していた。時間がかかるといえばかかるけれど、画像のトリミングや絵柄自体が変わってしまったり、必要のない画像が更新されていないかなどは確認しながら作業できた。

デジタル検版を導入してから一つ一つのチェック作業を、(全てではないけれど時短の名の下に)画像を一気に更新、データは部分訂正というより総取り替え、後でデジ検で見つければよいというように変わってきた。確かに時短には繋がるのだろう。作業者と検版者と分担作業にして全体に作業自体は早くなり生産性は上がったように思う。

ただデジタル検版の功罪というか、各自の仕事に対する責任感が少し希薄になってきてたような気が僕はしている。作業者がきちんと自分の作業を見直さず、後工程で検版者に見つけてもらえばいい、みたいな感じに。
そして印刷事故が発生して事故原因が作業者にあっても、「検版が‥、検版で見つからなかった?」と開口一番に出てくる時がある。


今日こんな事があった。画像処理に時間がかかる為僕が画像処理しておいた案件。
作業時に気が付いたのが、初校作業者が出力用画像フォルダの画像にリンクが取れておらず、入稿元フォルダの画像にリンクしたまま出力していた。だから訂正時に気が付くように注釈コメントいれておいた。
そして訂正作業者。修正した画像の更新ができていないまま検版にまわり、作業者が指摘をうけた。指摘を受けた作業者があわてて画像が直っていないと僕のところへ報告にきた。(修正した画像は出力用画像フォルダの画像を上書き済)
ちょっと呆れて更新されている画像と注意書きしておいたコメントを見せて説明した。(というか叱責)

画像のリンク先をチェックできていないまま出力。レイアウトデータ上で画像の更新チェックができていない。マーカーチェックをしているが、確認した上でのマーカーチェックが作業ルールのはず。そもそも原稿の赤字をみて、画面で確認したのだろうか。さらに指摘受けた時点で、まず自分の作業を見直して確認すべきではないのか?こんな事が頻繁にあるわけではないけれど、デジタル検版が導入されてからレイアウト修正時のチェック作業自体も疎かになってきている気がする。

何度も口に出して言っていて、営業各位にも説明しているのだけれど、デジタル検版で微細な違いを容易に見つけることができるようになったけれど、あくまで確認しているのは人の目だという事。往々にして見落とす事があるという事。

デジタル検版を過信せず、作業時のチェックを怠らず、レイアウト上と作業後のRIP処理後合わせて確認して欲しい。

(ちょっと呆れた今日の出来事、思いつくまま愚痴を書いたのでまとまりのない文章になりました。Xに投稿しようと思ったけれど文字数が到底足りないのでここに書いてしまいました)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?