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一月一酒 第27回

初出:月刊ハンガリージャーナル 2006年10月号

Sárgamuskotály 2005 – Classic Selection (Dry)
醸造所:Béres Szőlőbirtok
産地名:Tokaji borvidék

 今月は本稿第8回で初登場したBéresビーレシュ・ワイナリーから、イエローマスカットの白ワイン(辛口)をご紹介します。
 トカイ・ワイン地区のほぼ中心に位置するBényei盆地に横たわるErdőbényeに、同ワイナリーは90ヘクタールの畑を所有しています。その中には前回紹介したフルミントぶどうを栽培するLőcse畑のように、ぶどう栽培にとって最高の条件をそなえた畑が含まれています。
 このミュスカ・リュネル(Muscat Lunel)ワインの最大の特徴はその香りにあります。香水のように凝縮された香りは、にわとこの実やぶどうの花が主調となり、飲む人を虜にします。南国の果実やシトラスの味が全体を調整しており、その新鮮でエレガントな酸味は若々しく、軽やかな飲み心地を与えます。
 このワインは全くマスカット風の特徴を備えていると同時に、トカイ・ワインの特徴をありありと表す、まさに芳香のワインといえましょう。
食前酒として最高のワインといえますが、グリーンハーブの白身肉のローストのお供にも良く合います。また食事抜きでも、友人との楽しい会話にも心地よいお供となるでしょう。

原文:SZILAJ Eszter
訳文・画像:高久圭二郎

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