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桑名ほんぱく「ぶらり 桑名の明治・大正・昭和を巡る」

注意:twitter(X)に投稿したものの再録です。再録に際して加筆修正しています。

桑名ほんぱく「ぶらり 桑名の明治・大正・昭和を巡る」で、観光ボランティアの方に、①鋳造報国碑→②米穀取引所跡→③市役所跡→④三重県電話発祥地→⑤石取会館→⑥九華公園→⑦楽翁公百年祭記念宝物館→⑧七里のわたし→⑨船津屋→⑩諸戸氏庭園→⑪蔵前祭車庫→⑫八軒通り→寺町通り商店街→⑬桑名京橋跡のコースを案内してもらいました。

桑名は博物館や子どもがとても気に入っている六華苑には年に数回訪れているのですが、訪問先がワンパターンになっているので、少し違った桑名を知りたいと思ってこちらの企画に応募しました。

①鋳造報国碑
「報国」とあるので第二次世界大戦関係、つまりは自分たちがもっている金属類を国のために鋳なおしたことに関するものかかと思っていたらそれより前の近代の民間鋳物業者の貢献をたたえる感じの碑でした。この手の碑は移転されることがままあってこちらもそういう感じでした。諸事情はあると思いますが、碑はやはりその土地にあって欲しいので移転はできるかぎりして欲しくないものです。

鋳造報国碑

②米穀取引所跡
米穀取引所跡は公園になっていました。米相場で財を成したのがこちらの地元の大富豪の諸戸氏だとか。山林王だとばかり思っていました。今はお米の価格は政府によって統制されていますが、かつては投機対象だったそうです。赤いダイヤといわれた小豆もそうでしたね。米相場、奥が深いというか闇が深いというか、素人が手を出したら怖すぎるということはわかりました。大阪の米穀取引価格をいちはやく地方に伝える執念みたいなものに関するお話が面白かったです。お金や損得が関わると人はいろいろ工夫するものですね。

米穀取引所跡

③市役所跡
こちらは桑名市博物館に来る時に通りがかる場所で、近くにあるタイムカプセルが毎回とても気になります。市役所があったということで、ここが戦前の桑名市の中心地であることがわかります。

市役所跡

④三重県電話発祥地

三重県電話発祥地

こちらも今では碑が残る程度。米穀取引関係で電話が引かれたのも桑名が早かったそうです。この向かいの博物館の建物としての説明もありました。美術館・博物館としてはちょっと妙な建物だなと思っていたのですが、元百五銀行でした。なるほど。ちなみに案内人のボランティアの方は通信会社に勤務していたそうで、通信に関する脱線話が面白く、座学でいいのでそれだけで別途お話を伺いたかったです。あと、お城ファンでもあるみたいで、石組みなどになるとまたもや蘊蓄が始まります。私もお城探訪が好きなので、そのお話も別途伺いたかったです。ただ、お城になると、私は大阪・熊本ハーフなもので、「熊本城の前に城はなく、熊本城の後にも城はなし」といった極度に熊本城布教活動者になるので注意しなければなりません。そして今回のテーマは「近代」です。

⑤石取会館

石取会館


博物館に来る時に「石取会館はこちらです」といった案内図は目にしていたものの、近い場所にあることは認識していませんでした。こちらの建物も元四日市銀行。あの時代のアールデコ風建築です。デティールに注目した写真を撮りたかったのですが、この日は急に冷えたこともあって気力が低下し、また、街歩きなので断念。奥の部屋で太鼓などを叩いているグループがあったので、多分来館者が太鼓などを叩いても良いのでしょう。これは次回来館時の楽しみにします。なお、私は生まれは北摂ですが、泉州地域に住んでいたこともあって祭=「だんじり祭り」がベースになります。あれも賑やかです。

⑥九華公園

九華公園へ


九華公園へ。ミニ東海道53次コーナーは、前に来た時に何故このようなものを作ったのか不思議に思っていたけれど、桑名市の歴史文化財としてきっちり考えて作ったものでは無かったみたいで、しかも後で三重県から叱責されたらしい。確かにそのまま桑名城跡としてしっかり保存した方が良かっただろうと思います。

鴨たちがこちらにやってきました

⑦楽翁公百年祭記念宝物館

楽翁公百年祭記念宝物館


楽翁公は松平定信のことで、こちらは松平定信を顕彰する記念宝物館。所蔵品が一般公開されるのは金魚祭の時だそうです。

⑧七里のわたし


七里の渡し。鳥居は伊勢国一の鳥居。近所の関(亀山市)にもある鳥居は二の鳥居ですね。七里の渡しから船にのって宮まで行ってみたいです。


⑨船津屋

船津屋


東海道中の宿場町として栄えた名残のひとつで元本陣だった旅館。手入れが行き届いていて見るからに良いお宿みたいです。花火がある時にこの宿に泊まれば花火を堪能できるというお話でしたが、そういう日の宿は予約しづらいと思います。桑名の人のちょっとした時のおもてなしの場みたいな感じでした。

⑩諸戸氏庭園

諸戸氏庭園


既に数回は訪問している庭園です。今年、修復工事が一段落したみたいです。玉突き場などの洋風な建物も、回遊式庭園もとても魅力的です。
この日はたまたま石取祭に出てくる屋台とお囃子のお披露目みたいなものがありました。鉦が良い感じでした。

洋館


屋台(山車?)


⑪蔵前祭車庫

蔵前祭車庫

⑫八軒通り

八軒通り

⑬桑名京橋跡
桑名市内を走っていた北勢線の桑名京橋駅があったのはこのあたりらしいです。確かに車の交通量が増えると道路を横切るかたちの線路およびその路線は淘汰されていくしかないのはわかります。

京橋駅跡?

以上、4時間弱の桑名市の街歩きイベントでした。ボランティアの方々が要所要所に立ってくれてイベントを支えてくれている感じでした。博物館、諸戸氏庭園、六華苑は何度か行っているものの、それ以外は行ったことがなかったので参加しましたが、全体的な歴史の流れを説明してくれて良かったです。そしてこういった街歩きイベントとしては、今回のもの以外には、できれば明治以降の和洋折衷のお宅訪問などができれば嬉しいなと思いました。