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【MBTI探求】16タイプと心理的奥の手

  ストレスがかかる状況でやり方を変えるのがスペアスイッチだ。以前も軽く述べているが、体系的にまとめてみた。


概論

   スペアスイッチは平常時に解決が難しい問題がきた時に、心理機能の使い方を意識的に変えてみることで、問題を解決しようとする性質である。言ってみれば、緊張している状態で発動する。

   理論的には、脆弱な第三機能を一旦諦め、第二機能を逆方向に行使することで、スペア能力である第六機能を呼び出す。第三と第六は似たような場面で使える機能ペアとなるので、代用によってとりあえずの問題解決ができるのだ。
 (下の記事に原理は軽くまとめてます)

   この性質の発動により人は、考え方を多角化したり、立ち止まったり、強引に問題解決を推し進めたり、精神的な傷から自分を守ったりすることができる。

   一方で、一時的に何かに特化して第三機能を捨て去るために、統合された人間としてのバランスは崩れ、社会的には一時的に不適合な状態になってしまう。(それ故の『スペア』である。)

   ちなみに、スペア(3-6)スイッチは緊張しているが健全な状態で発動する性質であり、不健全時の性質である1-3ループや4グリップとはまたちょっと扱いが違う。普通に、各mbtiタイプが持っている一面と言えるだろう。
   それでは、各タイプのスペアスイッチ時の性質を見てみよう。

ENTP、ESTP【Fe→Te】

 人のためにと思った発言や行動が空振りしたときに発生する性質。「仏の顔は一度までって知らなかったの?」、と利他的態度が利己的に変化し、自分の利益確保を優先する。あとは野となれ山となれ精神。何があってもストレスをためずちゃっかりしており、自分の精神にとっては健康的な性質。
   他方、外からはFe的態度の方が嘘に見えるため、サイコパス的にみられる要因である。回り回って評判が下がり、後から思い悩むことになるかも。

 正直、本人にとってはわかりやすくて楽なので、常時このスイッチ状態の人も多く見られる。あるあるミームでも取り上げられるほど。
   論破に拘って泣き落としが効かないのは、このタイプのENTPで、ネット空間に多い。

ENFP、ESFP【Te→Fe】

 準備していなかったことが起こり、思考キャパシティを超えた状態で発動する。自分の利益を一旦置いておいて、周囲の人の感情を重視するように、自己洗脳する性質。元々自由気ままなところが急に親切になるような性質であり、外からはかわいいギャップとして見える。ぶりっこ的ムーブであり、多分異性にはかなりモテる。

   他方で、思考で圧倒されると思考放棄して相手に委ねる悪癖でもある。ずばり、極めて騙されやすいので、注意しておかないと重大なところで人生を狂わせる。オレオレ詐欺にひっかかるおばあちゃんのイメージ。

INTJ、ISTJ【Fi→Ti】

 問題解決において絶対に突破すべき局面や、情けを掛けることが不要であると判断した状態で発動する性質。
   自他ともの感情を一顧だにしなくなり、自らの合理性を証明するために攻撃的に論破しようと、極度に頑固になる。論理への極振りであり、彼らの成功の秘訣でもある。

   一方で、本人は便利な性質と思っているのか、むやみやたらに使い過ぎであり、感情を犠牲にしている事実を軽視している。頭でっかちのいやな奴だと思われる原因の一つ。
逆に、心を許した相手といる時や、目標を達成したときに解除されFiを思い出し、人が変わったように丸くなる。この様子がツンデレとして観測される。

INFJ、ISFJ【Ti→Fi】

 問題を抱え込みすぎて、思考キャパシティを超えた状態で発動する性質。
   本来は科学的思考を大切にしていたはずなのに、論理回路がダウンしてしまったため、自分の感性に答えを求めるようになる。自分なりの真理に至ることができ、思い悩みの連鎖から解放される。

   この真理は感覚的で、思想として美しいが、非科学的かつ繊細すぎて客観的には理解できないことが多く、真実というよりは芸術品の類である。そのため、頭の固い現代社会では受け入れられないだろう。自分と世界は理解し合えないんだ、と思い悩んでしまう一因。
ISFJならゲン担ぎ、INFJなら占いやスピリチュアルにはまりがちになる。

※『真理』に対するINFJとINFPのスタンス 
    INFJはスイッチ機能よりTiとFiの境界があいまいな為、他者と共有できる客観的な真実を解明しているつもりで『真理』を構築するが、いつのまにか主観が混じってしまっている。
   一方、INFPにとっての『真理』には最初からFiしか使っていないため、はじめから芸術であり、客観的に共有できると端から思っていない。
   そのため、理解されなくてINFJは絶望するが、INFPはあっけらかんとしている。

ISFP、ISTP【Ni→Si】

 現状に満足して、自分の新しく目指す事を見失った時に発動する。心や行動を安定させる鎮痛剤的性質があり、今まで好きだったものや習慣にこだわるようになり、急激に保守的になる。エキセントリックさがなくなり丸くなったとも言えるが、きらめきが失われる瞬間とも言える。

 本来は、既に手に入れたものを大切に守り、精神的に豊かな老後を送るための性質である。故に、現役としてまだやりたい事があるのであれば、このスイッチ状態の心地良さに甘んじてはならない。意識的にNiを使って安息状態から脱却し、自分の中での新しいビジョンを探し求めていくべきだろう。

 撮り鉄等に見られる性質であるほか、孤独のグルメや晩酌の流儀のような、一人〇〇のルーティン的生活スタイルもまさにコレ。

INFP、INTP【Si→Ni】

 社会通念や既存の法則に従っていては問題を解決できないと感じたときに発動する。現実世界にとらわれずに、自分の頭の中での理想とそこに向かうための方策を具体的に描く。非常に創造的であり、本来は芸術活動のインスピレーションや新しい論理の探求での切り札的存在と思われる。

   しかし、現代社会は規則でがんじがらめのため、いまいち活かし所がなく、現実世界から遊離し周囲に壁を作る原因になるかもしれない。
   ガリレオやゴッホが通った道なのではないだろうか。

ESFJ、ESTJ 【Ne→Se】

 自分の進んでいる方向に自信を失った時に発動する性質。未知の情報や他人の話を取り入れて、未来の可能性を広く考える事を放棄し、旧来的な指針によって、とりあえず行動しよう!という脳筋的発想に陥る。

   脳内に麻薬をうって押し進むので、強力に物事を推し進めるエンジンになる。環境が一定な間は安定した成功をもたらす一方、現実に起きている問題から目を背けるため、しばしば人を巻き込んで重大な失敗を犯す。旧日本軍的であり、官僚的組織はこの類の失敗を頻繁に犯す。(現在進行形)

ENFJ、ENTJ【Se→Ne】

 計画を行動に起こすフェーズで具体的に問題が発生したときに発動する。一旦実行をやめて、状況で何が起こっているかを再度分析し、様々な可能性を再精査するような働きをする。
   Niを弱めるため、決断が揺らぎひるむような挙動があるものの、一旦思考ロックを外して、状況に柔軟に対応することができるため、総合的に見て非常にバランスの取れたスイッチである。彼らが人間として最強なゆえんかも。

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