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"FF7リメイク"は"FF7"ではない【FF7Rクリア済み感想記事】

4月13日午前2時15分頃。
僕はFF7リメイクをクリアした。

プレイ時間は28時間、難易度はEASYで、ストーリー優先でのプレイ。
まぁ、意識してまでやりこまないで、程々に寄り道もしてという感じならこのくらいのプレイ時間かな、という感じだと思う。

FF7は1997年にスクウェアから発売された、ファイナルファンタジーのナンバリングシリーズの7作目に当たる作品で、特に海外を中心として人気が根強い作品である。
僕も、こいつは何度もクリアした。
最初はプレイステーションで、二回目と三回目はPS4のアーカイブスで。

僕はその辺の人よりはきっとFF7に詳しい。だから断言できる。

"FF7リメイク"は"FF7"ではない。

これは100人に聞いたら100人ともそう答えるだろうという確信がある。
こんな大変な時期にトンデモナイものを投下してくれたな、と。
だってこれ、FF7とは全く違うんだもん。
というか、これ、ナニ?

※ FF7およびFF7リメイク(以下 FF7R)のネタバレを多分に含みます。
 また、最低でもFF7本編をやった人向け(できればFF7Rも)の記事となります。
 「ストーリー忘れちゃった」という人向けに簡単な解説だけ載せてあります。
 それと、今回は番外編なので受験生向けの記事ではありません。ごめんね。


FF7という物語

そもそも、元となったFF7のストーリーはかなり難解である。
まず、主人公のクラウドくんが一番初めの冒頭からをいうのだ。
傭兵として雇われた彼は、雇い主のバレットたちに(そして、プレイヤーの私たちに)こう言ってのける。

元・ソルジャーのクラウドだ……。

未プレイ者(いるならまずは自分でプレイしてほしいが)のために説明すると、ソルジャーというのは強化兵士のことを指す。
普通の兵士とは一線を画すレベルで、要するにめっちゃ強いのだ。

強いソルジャーは半端じゃない。大地を割り、海を裂き、空を駆ける。とんでもないバケモン連中である。
その上で彼は元ソルジャー(しかもクラス1st.)などではない

FF7世界を根底から支える力は、地下資源の"魔晄"である。
これは物語初期の呼び名で、正式にはライフストリームという。
星に住むあらゆる命はライフストリームから出でて、死ぬとライフストリームへと帰って行く。
まぁ生命の大元みたいなものである。

この魔晄、どうにかこうにかいい感じに加工すると電力になったり火力になったりと、かなり応用が効く。
更に、結晶化すれば"マテリア"という魔法を使うための道具となる。
なので、もうめちゃくちゃに採掘されまくり、活用されまくりである。

この魔晄の採掘を一手に担っているのは、世界的大企業の神羅カンパニーである。
この魔晄事業でエッグい業績をあげ続けており、おそらくあの世界の就職したい企業ランキングでは第一位間違いなしであろうと思われる。

何しろ作中随一の大都市であるミッドガルは実質的に神羅カンパニーが支配しているのである。
その支配力はもはや国家クラスと言って差し支えない。

この神羅カンパニーは元々軍事企業なので、私兵も多く持っているのだが、魔晄を兵器転用できないかと考えた。
その結果、「人間を魔晄漬けにしたら、なんかめっちゃ強くなる」ことが判明した。
最初に魔晄に漬けられたやつの気持ちを思うと切なくなる。

で、この魔晄漬け人間のことを"ソルジャー"と呼称する。
要は強化兵士である。
どいつもこいつもビックリ人間ショーか?ってくらい強いのだが、このソルジャーの中でもランク付けがあるのだ。

ソルジャー・クラス1st.はその中でも最上位の兵士のことを指す。
どんな人間が集まってるかというと、普通にジャンプするだけで50mくらい飛んだり、半径30mはあるんじゃね?っていう大砲を刃渡り2mくらいの刀で輪切りにしたりする。

退役したとしてもソルジャー・クラス1st.はトンデモナイ。
まさに鳴り物入りで登場したクラウドくんであったのだが、先に言った通り、こいつは別にクラス1st.の元ソルジャーではない

じゃあ嘘ついてるの?というと、そうでもない。
正確には、結果的には嘘をついているのだが、主観的には嘘ではない。
つまるところこいつ、「自分を元ソルジャー・クラス1st.だと思い込んでいる精神異常者」なのである。
これは本当で、こいつはマジで精神異常者なのである。

元々はニブルヘイムという山あいの村出身のクラウドくん。
彼は幼馴染のティファを守る力を身につけるために「俺はソルジャーになる!」と意気込んで都会へと旅立って言った。彼が10代半ばのことである。

しかし、彼は適性がなかったのであろう、ソルジャーにはなれなかった。
それでもソルジャーの側にはいたかったのだろうか、それともティファを守る力を手に入れられるならなんでも良いと考えたのか、一般兵として神羅に所属していた。

そして、なんやかんやあって彼は友達にして記憶のオリジナルである、ソルジャー・クラス1stのザックスくんと一緒にマッドサイエンティスト宝条博士に拉致られてしまった。だいたい彼が16歳の時である。
宝条はFF7の全ての元凶にして人を人とも思わぬクズである。

こいつがいなければFF7の世界はもっと平和だった。
というか、何も起きていなかった。こいつがいなかった場合、FF7の物語がファイナルなファンタジーになることはなかったのだ。

そう言った意味では、宝条のおかげでFF7という物語が成立したというべきであろう。個人的にはウザくてたまらないので、できれば舞台から退場してほしいのだが。

物語開始時点のクラウドくんは21歳であった。
16歳からの5年間、何をされてたの?というと、彼はジェノバ細胞という宇宙からきた外来生物の細胞を無理やり植え込まれた上で、魔晄漬けにされていたのである。5年間ずっと。

なおソルジャーはみんなジェノバ細胞を植え付けられた上で魔晄漬けにされている。クラウドくんがソルジャーになれなかったのは、「ジェノバ細胞の侵食に耐えられない」と判断されたか、「魔晄漬けにしたら精神崩壊する」と判断されたかのどっちかであろう。答えは両方だったが。

クラウドくんが21歳になった年(FF7の物語が開始する直前)のこと。
彼は、相棒のザックスくんと一緒に囚われていた屋敷を脱走した。

ザックスくんは元々クラス1st.のソルジャーだったこともあって警戒されていた。
そのせいで、逃亡の果てに殺されてしまう。

だが、クラウドはただの雑魚兵士だった上に、魔晄漬けになっていた副作用(魔晄中毒)で精神が完全に崩壊していたため、放っておかれた。

放っておいた兵士によると「すぐ死ぬだろう」とのこと。
僕がその兵士でも同じことを言うので気持ちは分かるが、そこはトドメをさすべきだろうと思う。

けれどもこの予想に反してクラウドくんはザックスの剣を手に取り、一路ミッドガルへと進むのだ。
そして、彼は駅に辿り着く。偶然にもそこは幼馴染のティファが店を開いている地区のすぐ近くであり、数年ぶりに2人は再会する。

ここでジェノバ細胞の特性が発動した。
そもそも、ジェノバは元々この星を乗っ取ろうとして隕石に乗ってやってきた悪性生物である。こいつの細胞を「ジェノバ細胞」という。

ソルジャーはみな、この地球を侵略しようとして外宇宙から飛来したよく分からん生物の細胞を植え付けられている。
魔晄とかいう液体に漬けられ、わけわからん生物の細胞を投与され、やっぱりソルジャーたちが不憫すぎる。

さて、ジェノバの(そして、ジェノバ細胞の)能力の一つに「相手の記憶を読み取り、その中にあった相手に近しいものの姿形を模倣する」と言うものがある。
超厄介である。これと戦ったセトラ(FF7世界の先住民族)が不憫すぎる。
そしてこの能力はジェノバ細胞を植え込まれたものにも発現する。

ティファは問う。
クラウド?ここで何してるの?

この時点では、クラウドの記憶、人格、精神などなど、魔晄の影響によって全てごっちゃごちゃになっている。
精神が完全に崩壊していたはずなのだ。
しかし、ジェノバ細胞のサポートを受けたことにより、

・ティファの記憶の中のソルジャー・クラス1st.ザックス 
・憧れのセフィロスのような"クール"で"カッコイイ"理想のソルジャー像 と
・元々のクラウドくんの性格(陰気で見栄っ張り)

が合わさり、急拵えながら「無敵にしてクールなオレ、元ソルジャー・クラス1st.のクラウド・ストライフ(でも若干陰キャ)」が爆誕してしまった。

ちなみに、彼の名誉のために言っておくと、クラウドくんは宝条の実験体としておもちゃにされている最中の五年間、ずっと寝たきりであった。
そこからいきなり魔晄炉爆破作戦とかいう原発乗っ取りテロ並みのトンデモナイ作戦を軽々とやってのけるのであるから、もう元ソルジャー・クラス1st.ぐらいの戦闘力は持っていそうなものである。

これが物語冒頭の「元ソルジャー・クラス1st.のクラウドだ」と言う自己紹介に繋がるわけである。
正直ここまで説明するだけで一本記事が書ける。
この清々しい嘘っぷりは、神聖ローマ帝国の「神聖」でもなければ「ローマ」でもなく、ついでに「帝国」でさえないという出オチっぷりを彷彿とさせる。

こんな感じで、まずプレイヤーに嘘の情報を提示して、様々な矛盾点、疑問点を敢えて放置しておき、最後の最後に「ごめん!最初に言ったこと、実は全部嘘だったんだ!」と明かしてカタルシスを狙った手法は大当たりした。

FF7Rという物語

ではFF7Rはどうか?
これは全くの別ゲーではなく、FF7という元となるストーリーがあるのだから、どう考えてもFF7をなぞった、離れた場所にはないストーリー展開になるはずであろう。そう、そうなんだよ。なのにアイツは俺を裏切った。

まず、FF7Rは FF7の全体を描いてはいない
元になるストーリーが長大すぎて、一個のゲームには収まりきらなかったのだ。
ではどこまで進むのかと言うと、ミッドガル脱出まで。
FF7でいうと、だいたい5時間くらいプレイしたあたりまでとなる。
ちなみに、FF7は30~40時間くらいでクリアできる。
6部作とかに分けてくるつもりなのだろうか。

で、その5時間の内容をめっちゃくちゃに濃くしてくるのだ。
元々いたキャラクターの掘り下げはもちろん、新規キャラクターを出したり、サイドクエストを充実させたりして、とにかく充実させてくる。
これには恐れいった。まさかミッドガル脱出までにあそこまで濃いドラマを提供してくるとは。

お陰で、七番街プレート崩落事件への思い入れが全然違う。
FF7では大体2時間ちょっとプレイしたあたりで起きるのだが、そもそもあまりスラムを歩いていないせいで、「やばい!神羅はスラムにプレートを落とすつもりだ!!」とか言われても「ふーん、大変やね」くらいにしか思えなかった。

しかし、FF7Rは違う。
スラムを守る自警団の面々、アバランチの仲間達、そこに住む人々、なぜか大量にいるニャンコやたらと大物感に溢れるアパートの大家のおばさんなど愉快にして人間味あふれるメンツが揃っており、彼らと十分に交流する機会が確保されているので、「アイツらを助けなければ!」となるのである。

この人間味溢れるというのは本当で、例えばサイドクエストをクリアすると、大抵の人は感謝してくるのだが、あるサイドクエストをクリアすると「事件は解決したが、そのあとの会話で依頼人の思い通りの回答(しかもこちらは正論を答えただけ)をしなかった」というだけでめちゃくちゃに罵られ、もう2度と頼まない!とまで言われてしまう。

これをクリアした時には「は?舐め腐っとんのかオバハン。お前が助けろいうから助けたんやんけシバき倒すぞコラ」とか思ったが、よくよく考えればそうである。
現実にもいるではないか、そういう人。思い通りにならないとすぐにキレてくる人

ゲームの世界と侮るなかれ。
この中には等身大の人間が精一杯暮らしている。
スラムの暮らしは過酷であろう、モンスターが飛び出るわネズミは出るわで大わらわであるが、そこでも毎日を必死に生きている人々がいるのだ。

先の女性だって、余裕があればそんなことは言わなかっただろう。
しかし、彼女にも生活がかかっている。誰かが討ち倒し漏らしたモンスターのせいで、自分に明日が一生来ないかもしれないのだ。
おちおち道も歩けない。
そんな恐怖感が表出した結果が、例のクレームだったのである。

FF7とFF7Rの相違点


では本題に入ろう。
"FF7リメイク"は"FF7"ではない。
この理由について話していきたいと思う。


初めの違和感は、チャプター2だった。
第一魔晄炉を爆発させてから八番街を通って逃走するシーン。
これはエアリスと出会うための重要なシーンであるから、わざわざチャプターひとつが振られていることにも納得できる。

で、ワクワクしてエアリスを待ってたわけですよ。
あのカックカクのポリゴンから、ボンキュッボンどころか風来のシレンの「踊るポリゴン」だった見た目のエアリスがどこまで進化したのかがめっちゃくちゃ気になってたんです。

で、エアリスに会いました。
めっちゃ綺麗でした。でも話はそこでは無いんです。

問題はエアリスを初めて見たシーン。
原作ではエアリスは元々名前がなく、話しかけるのも任意であったが、FF7Rでは強制イベントになっている。
お!エアリスがいる!と思ったが、様子がおかしい。何かを振り払っている。

ん?そんなんあったっけ?と思いながらゲームを進める。
すると、エアリスの手に触れた瞬間"見えないものが見えるように"なった。
エアリスの周りを無数に飛び回るしわっしわの黒フードが。

こんなの原作にはなかった!!!何やっとんねん!!!

と叫びたくなる気持ちを抑えながらゲームを進める。
どうやら彼ら以外には黒フードの魔物は見えていないらしい。

なんやかんやあって脱出に成功。
次の目標は五番魔晄炉という話になる。お次はここを爆破するのだ。
原作では、この五番魔晄炉爆破作戦にはクラウドが同行する。
だが、なんとFF7Rの世界線では、「クラウドは作戦に同行しない」ということが決まる。

決起会は身内だけでやりたいから、悪いが出ていってくれ」と言われ、寂しいぼっち飲みをやめてお家に帰るクラウド。
これは間違いなく素のクラウド・ストライフであったのだが、なんとジェシーに「今日の夜、空けといて」と誘われてしまう。
「お?これはジェシールートあるか?」と思ったが、まぁすぐ死ぬだろうし何もないやろなと思った。実際特に何もなかった。

問題は次の日。
例のしわしわ黒フードが大量に到来して、七番スラムを襲う。
この時にはバレットやジェシーなど、他の仲間にも見えているようで、仲間と力を合わせて戦う。

勝つには勝ったのだが、ジェシーが足を負傷させられてしまう。
するとサッと引いていく黒フード。
この時点ではまだ気付かなかったが、まぁ帳尻合わせかなとおもっていた。
実際その通りなのだが。

五番魔晄炉爆破作戦などもかなりボリューミーに仕上がっているから、ぜひプレイして欲しいのだが、その後はしばらく問題の黒フードくんは出ない。
次に出るのは、僕の記憶が確かなら、七番街プレート崩落事件の時である。

七番街プレートが崩落すると聞いて救援に向かう一行。
その前に黒フードくんたちが立ちはだかるのである。

ちなみに、この黒フードくんはセフィロス・コピーではない。
ガタガタ震えながら「リュニオン……」とか言い出す連中は、それはそれで沢山いるから安心してほしい。

黒フードくんを片付けて支柱の頂上へ向かう一行。
頂上ではレノとルードが作業中。ギリギリ作業完了前に到着し、戦闘に持ち込む。

この時点でまた原作とは違う。
原作では、既に取り返しがつかない状況の中で戦うが、FF7Rではまだ操作のキャンセルがきく状況であった。

しかし、ここでも黒フードくんたちが邪魔をする。
ウダウダやってる間に寡黙ハゲのルードが作業を完了させてしまった。
この時点で「あっ」となった。
これは何となく嫌な予感がしたので、ここをクリアした時点ですぐにTwitterに呟いた。

そもそも、黒フードくんたちが出てくるタイミングが良すぎるのだ。
ご都合主義もかくやというような分かり易すぎるタイミングで出てくる。
そして、彼らが干渉した後には大抵元々のFF7と同じ流れに引き戻されている。

上記のツイートでも触れているが、僕はこいつのことを「運命の流れ」とか、「元々のストーリー展開について知る者(=原作プレイ者)の力」とかなのかなと思っていた。
そして、チャプター17にして、ようやく真実が明かされる。

エアリスの知識によれば奴らの名前は「フィーラー」と言い、フィーラーは運命の番人、運命そのものの流れを司っているのだという。
世界の命運はそれ自体既に決定しているので(これは予定説に近い)その流れを乱そうとする者の前に現れ、その行為を妨害するのだとか。

俺の予想ピッタリじゃん!!!とか思ったが、さらに思うことがあった。
実は、ここまでに一度だけ(そしてクリア直前にもう一度)クラウドはエアリスが死ぬシーンを幻視する。

正確には、エアリスが死ぬシーンそれ自体は描かれないが、白マテリアが沈んでいくシーンや水葬するシーン(誰を水葬するかは光で見えなくなっている)を幻視している。
ここで、ジェノバ細胞の話に戻ろう。

ジェノバ細胞は「相手の記憶を読み取る能力」を、細胞が植え付けられた相手に発現させるのであった。
だから、クラウドが見る幻視は、いつも誰かの記憶である。

例えば、自分自身の記憶。ティファの中にあったザックスの記憶。
例外としては同じくジェノバ細胞をもつセフィロスとのリンクによる幻覚。
結局ジェノバ細胞からは逃れられない。だが待ってほしい。この中に1人でも、「エアリスが死ぬ」ことを知っている人間はいただろうか?

繰り返すが、クラウドが幻視できるのは他者の記憶、つまり過去のみである。
未来を見ることはできない。
それでは、なぜクラウドはエアリスの死を幻視したのであろうか?

答えは、エアリスに眠っている。
エアリスは、時折不思議な力を見せる。
例えば、マリンを迎えに行った時にマリンとの間に「ジェノバ細胞の幻視時のような」ザッピングが入ってマリンは何かに勘付くし、レッドⅩⅢの頭を撫でただけで彼は何かを感じ取り、唸るのをやめ、素直になった。

しかも、その時にレッドの中に「フィーラー」の知識が(もしかしたらそれ以外も)入ったという。
おそらくマリンの時にも同じことが起きたのであろう。
そして、クラウドが読み取った「エアリスの死の記憶」は、エアリスから読み取られたのであろう。

問題は、なんでエアリスがそんなこと知ってるの?
ということである。
まぁセトラ特有の「星と対話する力」とやらでなんやかんやして知識を手に入れたのであろうが、それでは「エアリスの死の記憶」があることについて説明がつかない。

だから、考えた。
その結果、一つのめちゃくちゃトンデモナイ仮説に辿り着いた。
それは、

このエアリス、二周目なのでは?

ということである。

エアリス、二周目疑惑

もちろん、星との対話でエアリスが自身の死を知ったということも考えられる。
星との対話、ライフストリームの観測の中で、未来に訪れるであろう自身の死を観測してしまったのである。

フィーラーなんて奴が出てきた上に、「この世界の運命はもう決まっている」などとほざくのである。
未来くらい見えてもおかしくはあるまい。

でも、それにしては、そういう知識を得た描写がなかった。
元から持っていたのかといえば、それは流石に幼いエアリスには知識量が多すぎる。
そもそもセトラ全員そうだったのか?となる。

では、どうなのか。
これはエアリスが特別だったのでは?という結論に至った。
もっというと、エアリスだけFF7二周目なのである。
彼女だけ世界の命運も自分の死に様も知っているのである。

なんで二周目なの?とかは知らん。
まぁライフストリームがうまく説明してくれるやろ。
僕の予想ではエアリスの魂がライフストリームをめぐる中で、なんやかんやあって再度過去の記憶を保ったまま(もしくはある程度の年齢で思い出して)生誕し、今に至ったというものである。
まぁこれは素人の与太話だと思って頂いて構わない。

FF7RがFF7から脱却したのはこの後なのだから。

FF7をRemakeした話

原作であるFF7のミッドガル編最後のボスは、モーターボールである。
物語の最後、ミッドガル・ハイウェイに逃げ込んだ一行は、道が途切れたどん詰まりにてこいつと戦うことになる。
強制バックアタックになるので注意である。また持っているなら「ぞくせい」マテリアを防具につけて「ほのお」属性対策をした方がよい。

なので、僕はラスボスはモーターボールになると思っていた。
うーん、まぁ地味だけど仕方ないかな。隠しボスはセフィロスコピーあたりを使ったセフィロスさんかな、と。

しかし、FF7Rは違った。
なんと、モーターボール戦をその直前にあるバイクのミニゲーム内ですませてしまったのである。
ちなみにこれクッソ難しくて2回もやり直しました(プレイ中、唯一のコンティニューポイント)。

え?じゃあラスボスは?となっている僕に、衝撃の展開が。
まずセフィロスが現れた。まぁこれはクラウドのストーカーになっている彼のことだからやらかすと思っていたのだが、なんと彼はその後にフィーラーごと空間を切り裂き、「その先に来い」と宣うのである。

この時点でノムリッシュ全開である。
そのグルガン族の男は静かに語った……。と導入してほしい。
すると、そのノムリッシュ電波にやられたのか、次はエアリスが「あれは運命の扉。アレの先に行ったらもう運命を超えちゃってどうなるか分からん(大意要約)」と言い出す。

これは衝撃だった。
あ〜、なるほど、こうやってFF7RはFF7とは違うゲームですよ。
本家とは袂を分かつんですよ、としていくわけなのだなと思った。

勘違いさせていたら申し訳ないが、僕は別にフィーラーの要素自体は嫌いではない。
むしろ原作とは外しながら、原作通りの展開に持っていきたいときに、下手に御都合主義展開を連発されるのであれば、フィーラーのような「運命の番人」を出してくれた方がまだ自然であろうとも思う。

んで、自分で出した運命の象徴を自分で切り開いちゃうのが最近のFFである。
運命の打破、僕は中々嫌いじゃない。魔王物語物語ファンとしては色々と思うものがあるのだが、その運命の打破を誘ってきたのが銀髪ロン毛ストーカー野郎なのがいけない。

結局セフィロスが何をしたかったのかはこのチャプターでは明らかにされない。
まぁそこまでやっちゃったら分作の意味なくなるからね。
仕方ないね。
でも、運命の扉を超えた影響は確実に現れる。

ラスボス戦前後、世界の様子と共に、ザックスとクラウドの回想も流れる。
ラスボス戦前の回想では、みなさんご存知「夢を抱きしめろ。そしてどんな時でもソルジャーの誇りは手放すな。いらっしゃいませェェェ!!」のシーンである。
あぁ……ザックス……となった人は僕だけではないだろう。

そして、ラスボス戦後、また回想が入る。
あぁ、このシーンも見せるのか、ヒゲは容赦がないなとか思ったのだが、様子がおかしい。
なんと、ザックス、大量の神羅兵をたった1人でなぎ倒してしまった。
しかも致命傷は受けていない様子。助かっちゃった。

これだとクラウドにバスターソードが受け継がれないのでは?とか、エアリスのボディーガード必要ないのでは?とかやっぱり色々と思うところはあるのだが、それでもザックスの生存は嬉しいものだろう。
ファンが待ち望んで待ち望んで、やっと手に入れた生存ルートである。二度と手放したりはしない。

で、さらにビックリしたのが、五番街スラムのリーフハウスにて、ボロボロになりながらもビッグスが寝ている様子が映されたのである。
お前生きとったんかい!!となった。

だって塔の中層階で瀕死になってるただのオッサンが七番街から避難できるとは思わんやん普通。
多分これも「運命を捻じ曲げた結果」なのだろう。
結果として、ビッグスも(望んでいた人が何人いるかは知らないが)ザックスと同じように生存ルートを勝ち取ることができた。

肝心のジェシーと、元から生存ルートが確定していたウェッジについては不明。
というかどうやらウェッジについては元々の世界での生存が世界の想定外であったらしく、七番街プレート崩落事件以降、ちょっとしたことでフィーラーに絡まれているところを見ることができる。

しかも最後はエレベーターの吹き抜けに突き落とされている?っぽい描写があり、元の世界での生存は絶望的である(とはいえ七番街プレートが崩落しながらなぜか助かったデブなので、今回も助かっているかも)。

ジェシーについては語られていないが、生きているのではないかと思う。
あそこまでキャラを掘り下げてデートイベントがないはずが無い!
というかジェシールートを作ってほしい。
僕はユフィ派からジェシー派に鞍替えします。クロスボーディングは可能ですか?

ラスボス戦があった異空間から、最後に一行は元の世界へと戻ってくる。
これが一体「ジェシーやザックスが死んだ元々のFF7世界」なのか、「セフィロスのゴリ押しで生まれたFF7Rの世界」なのかは不明だが、おそらく後者なのではないかと思う。
4/16追記:戻ってきた後に見える"忠犬スタンプ"の犬の種類が違うので
     十中八九、後者の世界で間違いないでしょう。

ここまでプレイしてきた中で、僕は製作者の人々の、「FF7を超えてやる」という思いをこの身に感じることができた。
名作をリメイク、リマスターではなくてリメイクするのだから、それなりのクオリティが求められつつ、足りない部分は順次補完していくということが必要となるだろう。

僕はチャプター17あたりまでは、「FF7RはFF7に大幅な補完をしたゲームだ」と思っていた。
FF7では語られなかった色々な出来事を、今度は端折らずに語ってくれているのだと。
これだけでもファンからすればありがたいだった。

しかし、FF7Rはそれだけでは終わらなかった。
このゲームは最後の最後に、FF7を否定して、FF7Rという新たな路線を進んでいくという宣言を高らかにしてのけたのである。

つまり、これ以降の物語は誰にも予想ができない未知の領域に突入するということ。
分作にした意味がようやく分かった。
一作目はただの伏線、物語への導入だったのである。

ただの伏線集をフルプライスで買わせる勇気、そしてそれが物語としてもゲームとしても非常に面白いという事実、全てがFF7Rを良作へと押し上げていくような気がしてならない。
今、僕は非常にワクワクしながらこのnoteを書いている。
続きはどうなるんだろう!早く続きがやりたい!そう思わずにはいられない。

ザックスはどうなるのだろう、ビッグスやジェシーは?エアリスは生存するの?セフィロスとの因縁はつくのだろうか?ジェノバとの決着も完全につけられるのだろうか?チョコボの育成は今回もメンドクサイのだろうか?様々な感情、感想がとめどなく溢れ出てくる。

今、購入を迷っている人はぜひFF7Rを買ってください。
これは、FF7ではありません。
絶対に退屈することはありません。
きっと、プレイしていくうちに、あの頃の童心が帰ってくるでしょう。そのような素晴らしいゲーム体験になるはずです。

最後に、FF15の"あの言葉"をここで引用しましょう。

はじめてFINAL FANTASYをプレイする方と、すべてのファンの為にーー


#FF7 #FF7R  #ファイナルファンタジー7リメイク

2020.4/17 追記
続きみたいな記事を書きました。
良ければこっちも合わせてどうぞ。

それと、普段は教育系の記事を書いてます。
こんな記事書きました。

これらもあわせてどうぞ。

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