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「イケオジ」と「キモオジ」の違いはどこで生まれるのか?

おじさん。
現代社会において、彼らの地位は低い。

家庭では妻や子どもに煙たがられる。
職場では「デカい顔をして」と嫌がられる。
キャバクラやガールズバーに行っても、慰められるのは表面だけで、金づるとか見られない

基本的に、おじさんは「キモい」生き物だ。
私も、男に生まれてしまった以上、いつかは若い人や女性からウザがられる星の下にあることを覚悟している。

だが、世の中には「イケおじ」と呼ばれるおじさんもいる。
いったい、何が「イケている」のか?

そもそも、「おじさん」がニュートラルな存在なら、わざわざ「イケ」を頭につけずともよいわけで、「イケおじ」の存在が、逆説的におじさんがキモい生き物であることを証明している感は否めない。
とはいえ、「イケている」と評価されるようなメソッド、振る舞い方がある証明でもある。

今回は、「イケている」おじさんと、そうでないおじさん。
両者の違いはどこで現れるのかを考えていきたい。

○勝負は学生時代についている

私の考えでは、イケおじとキモおじの違いは、若い時分の経験量による。
勝負は学生時代についているのだ。

そもそも、「イケおじ」は「イケている」のではないと考えている。
そうではなくて、正確には「キモくない」のだ。
「キモくないおじさんが大人のふるまいをしている」から、自然と「イケている」ように見えるだけなのだ。

つまり、イケおじキモおじに関わらず、男は気持ち悪い動き方をするのだ。
思い込みで暴走してラブレターを書いたり、自作の歌を作ったり、カラオケで好きな人の名前でつくった替え歌を披露したり、そういった黒歴史が「あるある」になっていることからもわかるだろう。

こうした「キモい」動き方を、いい年になってもしてしまうのが、キモおじの正体なのだろうと考えている。

イケおじも、元々はキモかったのだ。
だが、その段階を若い時に済ませてしまった。
だから、「今だけ見ると」キモくない

イケおじたちは、若かりし頃、多くの黒歴史を量産しているのだと思われる。
それら行動に対する周囲の反応から、「この動き方はキモい」「このワードセンスはキモい」と自らの身をもって学んでいく。

そして、若かりし頃のキモさを、我々は「黒歴史」「若気の至り」として処理しがちである。
「若いからしょうがないよね」という雰囲気にのまれて、今のイケおじが、過去のキモさの上に成り立っていることが顕在化しない。

だからこそ、イケおじは、あたかも「昔からイケメンだった」かのように見えてしまうのだ。
実際は、キモかった自分を過去に捨ててきただけなのに。

一方で、こうした黒歴史を持たないおじさんたちは、キモさに対するフィードバックを得られていない
「何をしたらキモがられるのか」知らないままで、コミュニケーションに挑戦していく。

問題は、その頃には彼らキモおじが「いい大人」として見られる年齢にあることだ。
かつてのイケおじと同じ失敗をしても、もはや周囲は笑ってくれない。

それゆえに、「キモおじ」が爆誕してしまう。
全ての男が通る道を通っているだけなのに、理解は得られない。

高校生の頃に「イキっている」と嫌悪していた、野球部の陽キャたち。
彼らは、既に学生時代にキモいムーブを網羅している。
だから、同窓会で再開したときには、大人の落ち着きを持った大人に見える。

一方で、高校生、大学生の頃に踏むべきだった地雷を回避してきた陰キャの皆さん。
彼らは、30代、40代といい年になって、遊ぶ金を持つようになってから、学生時代の焼き直しを始める。
遊び始めるのだ。

だが、遊び方がわかっていない。
どう話せば、相手と円満なコミュニケーションがとれるか分からない。
だから、自分本位の一方的な話を展開する。

自慢話、苦労話、下ネタ話、説教。
忌避される話題のオンパレードだ。
一方的なプレゼント攻撃を展開する爆撃機型おじさんもいる。

若かりし頃なら、「なに語ってんのw」と周囲からツッコミが入るだろう。
そうして、「あ、過ぎた自分語りは痛いんだ」と学ぶ。

しかし、遊び始めた、金を持ち始めた陰キャは、既にある程度の地位を築いている。
連れてきた部下はご機嫌取りしかしないし、ガールズバーの女の子たちは適当に話を合わせて頷いているだけだ。

すると、「過ぎた自分語りは痛い」フィードバックが得られない。
だから、いつまで経っても成長しない。

仮にそう伝えても不機嫌になるだけだから、始末に負えない。
年齢の鎧を身にまとったおじさんは、自己学習より自己防衛に必死な悲しきモンスターとなるのだ。

だからこそ、私はおじさんたちに言いたい。
「おじさん キモい」で検索して、出てきたNG話題、NG行動を避けるべきだと。
そうして、周囲の反応を観察しながら学習を進めるだけで、「イケおじ」になる道は開かれるのだと。

私自身もおじさんになりかける年だ。
これからは、自分も分を弁えて生きていきたいと思う。

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