空気が読めなきゃクトゥルフ神話TRPGは楽しめない
5月に入っても新型コロナウイルスによる自粛期間は続く。
5月31日に解除する予定であるという情報もあるが、果たしてどこまで信じて良いのか。
まぁ解除されればいいだろう、位の姿勢でいたほうが期待を裏切られないでいいだろう。
何回も何回も耳にタコができるほど言っているが、やっぱり自粛はヒマである。
お家に閉じこもってテレワークして、テレ授業して、一体何が楽しいのか。
人類の歴史史上、恐らく最も多くの人間が住居に閉じこもっている瞬間だと思う。
ヒマだから何をするのかといえば、読書とか運動、テレビを見たりゲームをしたりということになろう。
それでも人は一人きりでは生きていけない。
誰しも心のなかにはウサギちゃんを飼っているのだ。あまりにも放置されると寂しくてプルプル震えてしまう。
あまりにも寂しくて寂しくてしょうがなかった、特に若年層のひとり暮らしをしている若者たちは"Zoom飲み会"や"Zoom合コン"なる怪物を錬成した。
気軽に参加、退出ができるから良いとはいうが、実際のところ「家から参加」というハードルの低さが飲み会への参加の拒否権をなくしている。
まさに現代の魔物である。
そんな中で、あるマイナージャンルのゲームが注目されつつあるということを皆さんはご存知だろうか?
テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム
テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム(以下TRPG)というゲームジャンルがある。
プレイヤー自身が各々仮想のキャラクターに身をやつし、仮想世界を探索していくというゲームである。
このゲームの一番の特徴は、デジタルな世界ではなく、あくまでテーブルトークの上で行われるということである。
なので、全ての操作はアナログで(すなわち語りとダイスロールで)行う。
例えば、力や運などのステータスを決める際にはダイスを振って決めるし、各プレイヤーの行動を決定する際にはプレイヤー間で相談をする。
戦闘のダメージを計算する際にも、何かスキルを使ったときの成功率計算も、何もかもがやはりダイスを振って得た値を元にして決められる。
この自粛自粛のご時世に「テーブルトーク」なんて正気か?と疑われそうだが、私のSAN値は幸いにもまだ正常値を保っている。
実は今、Zoomなどを用いたオンライン上でのTRPGのセッション(複数プレイヤーが集まってプレイするので、プレイのことをセッションするという)が密かなブームになっているのである。
陰キャ御用達?
そもそもTRPGとは何か?と言われるとかなり説明に窮する。
これはなぜかと言うと、数値の処理を別にするならば、ゲーム自体が一貫して、全て想像の中で行われるためである。
つまり、TRPGを遊ぶといった時に思い浮かべるべきは、スマブラをプレイするようにゲーム機とテレビの前に集合している人々の図ではなく、テーブルの上に紙とペンとダイスを用意した上で話し合う図なのである。
一見すると小学生の会議である。
しかしそれだけではゲームが成立しないため、各プレイヤーは最低限ルールや世界観などを抑えておく必要がある。
初心者もその例外ではなく、ルールブックをある程度読み込んでいるor経験豊富なプレイヤーと一緒にプレイするといったような前準備が必要となる。
そのような意味では敷居が非常に高いと言えるかもしれない。
実際、参入障壁は数あるゲームの中でも大変高い方であるとは思う。
なんせ、ゲームを始めるまでに
・ルールブック(有料、6,000円くらい)
・ゲームマスター(GM,ゲームの進行役)
・プレイヤー(最低一人)
・各種ダイス(6面〜10面、下手すると100面)
などを用意しなければならないからである。
しかしそれを乗り越えた後に待っているゲーム体験は、TRPGならではの緊張感、ワクワク感をもっており、いわゆるビデオゲームによる体験ではなかなか得難いであろう、生きた緊張感を色濃く得ることができる。
ただ、残念なことに、日本ではTRPGはあまりメジャーなゲームではない。
どちらかというと日陰者の遊びであって、陽キャがプレイするものではないというように思われがちである。
陽キャがのほほんと「どうぶつの森」をプレイしている頃に、陰キャは仲間内でボソボソとTRPGをプレイしている、そんなイメージが付いているのではないかとたまに心配になる。
本当は逆なのに。
無限のシナリオ
TRPGの説明に移ろう。以下では、特にクトゥルフ神話を元にしているクトゥルフ神話TRPGについて説明を行っていくことにする。
これがTRPG界の中でも群を抜いてメジャー(だと思っている)だからである。
TRPGではこの記事の一番初めでも述べているように、基本的には場面転換やキャラクターの外見などについては想像で補う。
そして、GMの語りに従ってゲームをプレイしていくのである。
ゲームの内容は様々です。
例えばクトゥルフ神話TRPGでは、宇宙的大神格や、それの信奉者が引き起こす様々な怪事件に遭遇してしまったプレイヤーがそれらを解決(もしくは巻き込まれてしまい、生存を目標として)するために奮闘するというストーリーが多い。
なぜいま「〜というストーリーが多い」という形で、敢えてぼかした表現を使ったのか。
ここがクトゥルフTRPGの一番面白いところです。
ゲーム自体が電子データに落とし込まれておらず、世界観共有などが全て文字媒体(ルールブック)にて共有されるため、逆に言えばその世界観に従ってさえいればどのようなストーリーであっても進行が可能なのです。
ですから、ネット上には多くの有志が作った手作りストーリーが無数に転がっているし、なんならコミケなどで今でも新作ストーリーが販売され続けています。
もちろん公式のものではなく、ファンが作ったオリジナルのものである。
これはクトゥルフ神話がシェアード・ワールドとして広く共有されているものであるという要因が非常に大きい。
すなわち、クトゥルフ神話RPGは、恐らく現時点でさえ、一生を費やしても遊び尽くせないほどのシナリオがこの世に存在しているのである。
この記事にも書いたが、ゲームはゲームである以上、何かしらの形で終焉が約束されているものです。
例えばRPGの場合ならストーリーの終焉が(もしくは裏ボスの撃破などが)コンテンツとしての終焉であり、これ以降を極め続ける人は少ない。
どうぶつの森などのストーリー性のないゲームであっても、自分のやりたいことを一通り達成してしまったならば、それはコンテンツとしての終焉である。
チュンソフトはこの問題に対して、毎回変わるダンジョンとアイテムという武器を持って立ち向かった。
「コンテンツを固定すると飽きられるのであれば、毎回コンテンツ内容を変えればいい」ということでした。
クトゥルフ神話TRPGはこれに対して全く異なる形でのアプローチを仕掛けている。
というか、このアプローチはTRPG以外には不可能でしょう。
すなわち、「シナリオが終わるものなら、終わった端から新しいシナリオをプレイさせればいいじゃないか」という方向に進化したのです。
「あと2時間で夜が明ける」
「夜が明けるとどうなる?」
「知らんのか」
「日が昇る」
という有名なやり取り。
漫画「コブラ」の一節ですが、これはTRPGの進化をよく表した言葉となっています。
いつか夜が明ける(=シナリオが終わってしまう)なら、また新しい一日が始まるようにすれば良いということだったのです。
デジタルの中のアナログ
ここまで紹介してきたようにTRPGというのは、この世に無数に存在しているシナリオに沿って(そしてそのシナリオに沿う形でゲームを成立させようとする語り手=GMの手によって)仮想キャラクターに扮したプレイヤーたちがロールプレイングをすることによって進行されるゲームでした。
今ではTRPGも進化し、オンライン上でのセッションが可能となっています。
それを可能とするのが「どどんとふ」というサイトです。
このサイトは、TRPGのオンラインセッションを遊ぶことに特化しており、様々な面でメリットがあります。
まず、TRPGは非常に時間がかかります。
更に、直接対面してとなると、どうしても社会人になればなるほど時間が合わなくなってしまいがちです。
もっと言えば、少ないTRPGプレイヤーを探すのが困難な地域だってあります。
そういった問題もこのサイトでセッションを行えば一気に解消できます。
まず、1つ目の問題については、ゲームの進行状態をセーブできるので、全く問題がありません。
2つ目、3つ目の問題についても、オンライン上でセッションすれば、地理的な制約も回避できます。
こういった意味で、もしかしたら今の時代はTRPG最盛期と言えるのかもしれません。
更に、今のコロナウイルス自粛機関では、更にこの需要は高まります。
自粛×TRPG
自粛疲れってありますよね。
これに対して、多くの人はゲームに救いを見出しているようです。
気持ちはわかります。でも、今はゲームの需要が急激に高まってしまったため、生産が追いついておらず、どうしてもプレイできる人には限りが出来てしまいます。
そのような人々であっても、TRPGであれば、ネット環境とルールブックさえあれば、容易にプレイすることが出来ます。
初心者も大丈夫、そのような人は初心者であることを公言しつつ、ネットリテラシーを守りながら交流すれば、きっと受け入れられることでしょう。
更に、これにはTRPGならではの効用もあります。
それはずばり、ストレスの解消です。
普通のゲームの場合は、オンライン対戦をしてもボイスチャットで話し合うことがメインになることは少ないでしょう。
しかし、TRPGの場合はむしろ人と話し合い、相談し合いながら、その場の最適解を考えていくといった作業がメインとなります。
別に一人の世界に閉じこもるのが悪いと言っているわけではありません。
ただ、人は一人きりでは生きていけない以上、どうしても他人とのつながりが大事になってくる場面というのはあります。
でも、人と仲良くなるのって大変ですよね。
だって、仲良くなるには、お話をたくさんして、一緒に遊んだり、できれば一緒に大きな目標を達成したりとイベントを数多くこなさなきゃ……ん?
これ、全部TRPGでできるやん!!!!!!
そう、すなわちTRPGとは、友達がいなくて悩むそこのあなた!
もしくは友達とイマイチ仲良くなりきれなくて微妙な気分のそこのあなた!
そんな人達に最適なコミュニケーション・ツールとしてのゲームなのです!!!
どうしても人との交流が減ってしまい、脳みその回転が鈍ってしまっているようなそこのアナタ!
せっかく高校大学社会人になったけど、4月からの自粛で中々友達ができていなくて不安で寂しい思いをしているそこのアナタ!!!
ぜひTRPGをプレイしてみませんか?
まずはここからルールブックを買って、どこでもいいのでセッションに参加してみましょう。
きっと楽しめるはずです!それでは引き続き、よい自粛ライフを!
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