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高校数学の参考書・問題集ひたすら解いてみる(その12)実数(4)

さて、ではその12始めましょー。
前回に続き実数の問題をやってみます。

なお、章節は基本は以下の書籍をベースとしています。
増補改訂版 チャート式 解法と演習 数学Ⅰ+A

48ページ EXERCISES18
立教大で出題された問題です。

$${x=\sqrt{2}+\sqrt{3}}$$のとき、$${x^2+\dfrac{1}{x^2}}$$、
$${x^4+\dfrac{1}{x^4}}$$、$${x^6+\dfrac{1}{x^6}}$$の値を求めよ。
とのことです。

実質的に3問解くので今回は長いですよぉ。

それではそれぞれの値を求める前に、$${\dfrac{1}{x}}$$を見てみましょう。
$${\dfrac{1}{x}=\dfrac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}}}$$
分母に根号がありますね。なので有利化しちゃいましょう。
その前にちょっとだけひと工夫
$${\dfrac{1}{\sqrt{2}+\sqrt{3}}=\dfrac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}}$$
えー、$${\sqrt{2}}$$と$${\sqrt{3}}$$を入れ替えました。
なぜかは有利化した後に説明します。
$${\dfrac{1}{\sqrt{3}+\sqrt{2}}=\dfrac{1\times(\sqrt{3}-\sqrt{2})}{(\sqrt{3}+\sqrt{2})(\sqrt{3}-\sqrt{2})}}$$

$${=\dfrac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{\sqrt{3}^2-\sqrt{2}^2}=\dfrac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{3-2}}$$

$${=\dfrac{\sqrt{3}-\sqrt{2}}{1}=\sqrt{3}-\sqrt{2}}$$
有利化できました。
$${\sqrt{2}}$$と$${\sqrt{3}}$$を入れ替えずに計算すると
分母が$${-1}$$になるので通分したときにに符号の付け間違いを
する可能性があるのでなるべく正の数にしたかったのです。

では$${x^2+\dfrac{1}{x^2}}$$、$${x^4+\dfrac{1}{x^4}}$$、
$${x^6+\dfrac{1}{x^6}}$$の値を求めていきましょう。

まずは$${x^2+\dfrac{1}{x^2}}$$の値を求めます。
$${x^2+\dfrac{1}{x^2}=x^2+\left(\dfrac{1}{x}\right)^2}$$

ここで$${\dfrac{1}{x}}$$を$${y}$$と置くと。

$${x^2+y^2}$$となります。
この式を少し変形します。
$${=x^2+y^2+2xy-2xy}$$
$${2xy}$$を足して引きます。実質0なので値は変わらないです。
そしてさらに式を変形します。
$${=x^2+2xy+y^2-2xy}$$
そうすると$${x^2+2xy+y^2}$$の部分は因数分解ができるので
さらに式を変形します。
$${=(x+y)^2-2xy}$$
ここで$${y}$$を$${\dfrac{1}{x}}$$に戻します。

$${=\left(x+\dfrac{1}{x}\right)^2-2x\times\dfrac{1}{x}}$$

カッコの中の$${x}$$と$${\dfrac{1}{x}}$$に値を入れ、
最後の項は約分します。

$${=\{(\sqrt{2}+\sqrt{3})+(\sqrt{3}-\sqrt{2})\}^2-2\sout{x}\times\dfrac{1}{\sout{x}}}$$

数値だけになりましたので計算しちゃいます。
$${=(\sout{\sqrt{2}}+\sqrt{3}+\sqrt{3}-\sout{\sqrt{2}})^2-2}$$
$${=(2\sqrt{3})^2-2}$$
$${=4\times3-2}$$
$${=12-2=10}$$
はい、解けましたぁ~

さぁ、次いきますよぉ

$${x^4+\dfrac{1}{x^4}}$$

これは$${x^2}$$を$${X}$$、$${\dfrac{1}{x^2}}$$を$${Y}$$と置きます。

$${X^2+Y^2}$$
めっちゃ単純になりましたね。
この式を変形します。
$${=X^2+Y^2+2XY-2XY}$$
先ほどと全く同じですね。
$${=(X+Y)^2-2XY}$$
ここで$${X}$$と$${Y}$$を元に戻します。
$${=\left(x^2+\dfrac{1}{x^2}\right)^2-2x^2\times\dfrac{1}{x^2}}$$
先ほど$${x^2+\dfrac{1}{x^2}}$$は10と求めましたので値を入れます。
また、最後の項は約分します。
$${=(10)^2-2\sout{x^2}\times\dfrac{1}{\sout{x^2}}}$$
$${=100-2=98}$$
はい、解けましたぁ~

さらに、次いきますよぉ

$${x^6+\dfrac{1}{x^6}}$$
これも$${x^2}$$を$${X}$$、$${\dfrac{1}{x^2}}$$を$${Y}$$と置きます。
$${X^3+Y^3}$$
こちらも単純になりましたね。
さて、この式は立方の和になりますので因数分解ができます。
その1で触れています。
(整式の加法・減法・乗法に展開方法として書きました)
ということで因数分解してみます。
$${X^3+Y^3=(X+Y)(X^2-XY+Y^2)}$$
少しだけ式を変形します。
$${=(X+Y)(X^2+Y^2-XY)}$$
では$${X}$$と$${Y}$$を元に戻します。
$${=\left(x^2+\dfrac{1}{x^2}\right)\left((x^2)^2+\left(\dfrac{1}{x^2}\right)^2-x^2\times\dfrac{1}{x^2}\right)}$$
$${=\left(x^2+\dfrac{1}{x^2}\right)\left(x^4+\dfrac{1}{x^4}-x^2\times\dfrac{1}{x^2}\right)}$$

先ほど$${x^2+\dfrac{1}{x^2}}$$は10と求めましたので値を入れます。

また、$${x^4+\dfrac{1}{x^4}}$$は98と求めましたので値を入れます。

あと、約分できる箇所があるので計算します。
$${\left(x^2+\dfrac{1}{x^2}\right)\left(x^4+\dfrac{1}{x^4}-x^2\times\dfrac{1}{x^2}\right)}$$(同じ式書いてます)

$${=(10)(98-\sout{x^2}\times\dfrac{1}{\sout{x^2}})}$$

$${=(10)(98-1)=10\times97=970}$$
はい、解けましたぁ~

いやー、長かったですねー。途中で飽きちゃいますねぇ笑

今回は因数分解がポイントになるところがいくつかありました。
また、根号の計算は良く見ないとミスしやすいので注意したいところですね。

さて、今回で実数の計算はおしまいにしようと思います。
次回からは不等式をやろうと思います。

でわまた。

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