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高校数学の参考書・問題集ひたすら解いてみる(その19)論理と集合(2)

さて、ではその19始めましょー。
今回は論理と集合の問題を解いてみたいと思います。

なお、章節は基本は以下の書籍をベースとしています。
増補改訂版 チャート式 解法と演習 数学Ⅰ+A

今回は79ページ EXERCISES 36
東北学院大で出題された問題です。

$${a,bは実数とする。次の命題について真偽を調べよ。}$$
$${(1)ab>0ならばa>0かつb>0である。}$$
$${(2)a+b>2ならばa>0またはb>2である。}$$
$${(3)|a+b|=|a|+|b|ならば|a-b|=|a|-|b|である。}$$
$${(4)a^2+b^2 \leqq 1ならば|a|+|b| \leqq 1である。}$$

さて、「真偽」の意味は良いですかね?
命題が正しければ「真」です。
命題が正しくなければ「偽」です。
なので(1)から(4)までそれぞれ命題が正しいかどうかを調べることになります。

それでは(1)から解いていきましょう。
まずは命題が正しくならない条件(反例)が挙げられれば「偽」となるのでそんな条件を考えてみます。
この命題は比較的挙げやすいのではと思います。

$${a=b=-1}$$のとき
$${ab>0}$$となりますが、$${a<0、b<0}$$なのでです。
(1)解けました。

(2)いきます。
この命題は反例を挙げるのが難しそうです。
しかもこのままでは真偽を調べるのは難しそうです。
そこで、この命題の対偶を考えてみます。
ちなみに対偶ですが図にすると以下のようなイメージになります。

対偶

ということでまずは条件pの部分をひっくり返します。
$${a+b>2}$$は$${a+b \leqq 2}$$となります。

次に条件qの部分をひっくり返します。
$${a>0またはb>2}$$は$${a \leqq 0かつb \leqq 2}$$となります。
符号の向きと「または」の部分を「かつ」にひっくり返すこともお忘れなく。

では全体をひっくり返します。
$${a+b>2ならばa>0またはb>2である。}$$は
$${a \leqq 0かつb \leqq 2ならばa+b \leqq 2である。}$$となります。

$${a \leqq 0かつb \leqq 2}$$であれば$${a+b \leqq 2}$$になりますね。
つまり真となります。
なので対偶となる元の命題はとなります。

あー、一応書いておきますが基本事項に対偶が真であれば元の命題は真、対偶が偽であれば元の命題は偽になる。と書いてありますのでそれを利用しています。
(まぁ、前回説明していませんのでここで改めて書かせていただきました)

ということで(2)解けました。

(3)いきます。
この命題は反例を挙げられそうです。
$${a=0,b=1}$$のときを考えてみます。

$${|a+b|=|0+1|=|1|=1,|a|+|b|=|0|+|1|=0+1=1}$$ですね。
$${|a-b|=|0-1|=|-1|=1,|a|-|b|=|0|-|1|=0-1=-1}$$ですね。
ということで正しくないのでとなります。
(3)解けました。

(4)いきます。
この命題も反例を挙げられそうです。
$${a=b=\dfrac{1}{\sqrt{2}}}$$のときを考えてみます。

$${a^2+b^2 =\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)^2+\left(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right)^2=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2}=1}$$ですね。

$${|a|+|b| = \left|\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right|+\left|\dfrac{1}{\sqrt{2}}\right|=\dfrac{1}{\sqrt{2}}+\dfrac{1}{\sqrt{2}}=\dfrac{2}{\sqrt{2}}=\sqrt{2}}$$ですね。
$${\sqrt{2}>1}$$なのでとなります。
(4)解けました。

いかがでしょうか?
反例を見つけるのは慣れが必要だなと思うので、繰り返し問題を解くのがポイントになってくるのかなって感じています。
ほんとは『この手の問題だったら反例を挙げる』とか『この手の問題は対偶で考える』なんて説明できると良いんでしょうが、そこまでできていません。笑

ま、趣味で解いているのでここまでとさせてください。

さて、次回も論理と集合の問題を解いていきたいと思います。
でわまた。




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