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読書記録「堤未果のショックドクトリン政府のやりたい放題から身を守る方法」

#創作大賞2024 #ビジネス部門 #エッセイ部門

堤未果のショックドクトリン
政府のやりたい放題から身を守る方法

https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344986923/

堤未果著/幻冬舎  2023/5/30

「ショック・ドクトリン」とは

テロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に為政者や巨大資本が、どさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など……。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは? 滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。

NHK「100分de名著」に取り上げられたナオミ・クライン「ショック・ドクトリン」の日本現代版を堤未果が記した。

なぜ、芸能スキャンダルと政治が同じウエイトをもって報道されるのか?
ワールドカップの報道の裏でなにが報道されずに動いている?

 
9.11以後のアメリカの政治を肌で感じた著者の一冊。
私たちがショックをうけて思考停止している間にとんでもない法律を成立させることを虎視眈々と狙う者たちがいることを伝える。
 
そして一度成立した法律がすさまじい勢いで社会を変えてしまうことを警鐘を鳴らしている。(アンネの日記にも似たようなことを記してあった気がする…。)

以下一部抜粋

p37
ショック・ドクトリンとは、テロや戦争、クーデターに自然災害、パンデミックや金融危機、食料不足に気候変動などショックな事件が起きたとき、国民がパニックで思考停止しているすきにm通常なら炎上するような新自由主義政策(規制緩和、民営化、社会保障切り捨ての三本柱)を猛スピードでねじ込んで、国や国民の大事な資産を合法的に略奪し、政府とお友達企業群が大儲けする手法です。

p206
ましてや今はデジタル時代、個人データ=私たちの最大資産ですから、コロナを理由にどんどんデジタル化しようとするながれには注意しなければなりません。それはやがて、他の目的に拡大されていくからです。特に命に係わる医療分野は、恐怖や不安を煽られるのでついせかされてしまいます。スピードが命のショック・ドクトリンにのまれない党、現場の医療関係者の声に耳を傾け、他国事例や市民の声尾を知ってから慎重に設計することが私たちの身を守る「急がば回れ」の道なのです。

本書を読んで重要だと思われるところを箇条書きでメモした。

マイナンバーカードをめぐって

本書ではマイナンバーカードをめぐる様々な出来事から政府のやり方を検証します。
・海外ではどう扱われているのか
・身を守るためには
 なんでも一本化しないこと
 (大体、国が「クーポンをあげるからカード作ってね」って甘い言葉で誘っているあたりが裏があるよね…。私、乗っかっちゃったけど…。)
 
そのほかに、マイナンバーカードをめぐっての是非を問う記事もあります。『なぜマイナカードが条件なのか? ネット申し込みできる電車乗車券の障害者割引 JR東日本「国からのご指導」』

この記事の最後にあるリンクは同じ題材でもマイナンバーカードを肯定する内容の記事です。
一方の視点から物事をみるのではなく、複数の視点、自分の考えを持つことが肝要ですね…。私が新聞の授業をしたいと強く思う理由の一つです。


海外の一歩踏み外すと怖い例

個人の炭素排出量を計算するクレカの開始(カナダ)
個人点数付け、口座の凍結等(中国、オランダ)

ショック・ドクトリンを起こさせない、火事場泥棒に合わないために。

・民主化を忘れないこと
・子供や孫の代まで考えて今行動すること

読む時間がないならぜひ「おわりに」だけでも読んでほしいです。

一部抜粋します。

おわりに
一番大事なことは、どちらが正しいか間違っているかという善悪でなく、「おかしいな」と感じる自分の直感をキャッチする感性を持ち続け、最後まで「選択し」を失わないことなのです。
 
 あふれかえる情報とスピードの中、仕掛けられるゲームが強欲さを増すほどに互換を再起動して立ち止まり、長いスパンで歴史をひもとき、自分の頭で深く考える国民は、時間とともに輝きを増す、我が国の尊い財産になるでしょう。
 多様な知恵を出し合って大切なものを守ろうと世界中で立ち上がる「民衆のショック・ドクトリン」と、私たち大人が無力感という最大の敵に負けない姿を身をもって示すことが子供たちに胸を張って手渡せる大きな希望になるはずです。

ここから先は雑談

~「100分de名著」のショック・ドクトリン、ショックだった!
 人がショックをうけている間に政治的大規模な火事場泥棒を考えている人たちがいるのか…と歴史を振り返れば当たり前なのかもしれなが、ショックだった。
翻弄されるままにならないように本書をおすすめしたい。
そしてほかに関連書として…
日本の人口年表を詳細に記した「未来の年表」https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210917

これは2冊目もおすすめです。はじめの付録を見るだけでも。

自分の意見や違和感を大切にする「みんなのわがまま入門」など。

思ったことに良い・悪い、「わがままだ」などジャッジせず、考えていくことの大切さを教えてくれます。

最近の時代の変化を歓迎するも違和感を感じている人はぜひこちらも。
「正欲」朝井リョウ

朝井リョウ作品の中でダントツ面白い!ここ最近読んだ小説の中で一番良かった。


最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回、これまで表明したことのないことを書きました。
心配と妄想が趣味のような私は、この文章をあらぬように受け取られないかと少し緊張しています。
それでも書きたいと思ったのは「みんなのわがまま入門」や「堤未果のショック・ドクトリン」を読んで、読んだままでいられなくなったからです。

マイナンバーカードと同じからくりで何か新たしい目論見のものが投入されたとき、ちょっと立ち止まって考えられたらと思います。

もっと状況が変わって、今とてんで違う考え方になるかもしれませんが、これからも考え続けていきたい。

また、ほかに似たような本があれば教えてほしいです。

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