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【Jリーグ第13節】FC東京 2-1 川崎

■ 2023年5月12日(金) 19:30キックオフ
■ 国立競技場

金曜日夜の試合。相手が川崎ということでニュータンタンメンを食べて景気をつけたかったが、会社から国立までの道中に店がなく、ならばということで水道橋のゴーゴーカレーでロースカツカレーを食べ、長友にカツを入れてもらった気になって国立へ。

リーグ戦は福岡、札幌とキツい日程で二連敗を喫しているが、正面からガチで打ち合うかっこうになる川崎はむしろ戦いやすいのではないか。そこまでの苦手感はなく、もちろん厳しい相手ではあるが強みを出してホーム・ゲームらしく勝ちたい。

松木がU20ワールドカップに招集されてしまったので不在。ここ数試合ダブル・ボランチで戦ってきたが、この試合では東をアンカーにした4-1-2-3にフォーメーションを戻してきた。塚川が久しぶりにベンチ入り。

布陣

スウォビィク
長友 木本 森重 徳元
小泉 東 安部
仲川 オリヴェイラ 渡邊

前半

どちらもパスをつないで押し上げるのが本来の狙いではあるものの、互いに裏をねらう前線へのボールもおりまぜ、激しく主導権を争う立ち上がりとなった。特に東京は高い位置からのプレスも辞さず、川崎の自由を奪おうとボールにアプローチする。

12分、右サイドの長友が入れたクロスがファーに流れ徳元がこれを収める。ワントラップで敵DFをかわし、角度を作って右足でゴール前に入れたと思ったが、これがそのままファー・ネットに突き刺さりゴール。東京が1-0と先制する。逆足でのゴラッソとなった。

その後も東京が出足よくボールを奪い、セカンド・ボールもしっかり押さえて敵陣で攻撃をしかける時間が長くなる。15分、仲川が東からのスルー・パスを受けて裏に抜け出しもちあがる。エリア内でシュートを放つが敵DFにブロックされる。オフサイドの判定に。

19分には徳元のロング・スローに渡邊が頭で合わせるが敵GKがセーブ。さらに22分には徳元のFKのこぼれ球に安部が詰めるが枠外に。東京が押しこむ時間が続いている。

すると25分、オリヴェイラが高い位置でボールを奪うとそのまま持ちこみ、左サイドの徳元にパス。徳元がこれを中央に折り返すと、ファーに走りこんだ安部がスライディングで押しこみゴール。東京が2-0とリードを広げた。

その後は次第に拮抗した展開となり、川崎の完成度の高い攻撃からチャンスを作られるが、スウォビィクの好セーブもありなんとかゴールは死守する。しかし39分、中央のFWにパスをつながれ、ここからのシュートを決められて失点、2-1と1点差につめよられる。

その後も川崎に勢いが出るが守りきり、2-1で前半を終える。ボールへのアプローチが効いてバタつく川崎の守備につけこみ2点を先制したが、その後は川崎に主導権を握られ1点を返された。このまま終わるとも思えないがリードを生かし、時間を味方にしながらうまく試合をコントロールしたい。

後半

後半も開始早々の49分、敵陣でボールを持った仲川が敵DFのチャージを受け倒れる。当初は単なるファウルとの判定だったがVARが介入、OFRの結果、敵DFが足裏で仲川にチャージしているのが確認され退場に。東京が一人多くなる。

勢いの出た東京は54分、敵ゴール前の攻防から後ろにこぼれたボールを渡邊がエリア外から狙うが惜しくもバーをヒット、このこぼれ球に仲川がバイシクル・シュートを試みるがバーの上に。これが決まっていれば楽に試合を運べたが。

58分には左サイドで得たFKを徳元がけり、ファーで森重が足で合わせたが枠外に。その後は川崎が引くことなく、むしろGKが最終ラインに入るかっこうで全体を押し上げビルド・アップを図ろうとする。東京は守勢にまわる時間が長くなる。

60分、オリヴェイラに代えてアダイウトンを投入、そのままトップへ。突破力をちらつかせることで敵を牽制したい意図か。しかし一人少なくなった川崎のフォーメーションをつかまえきれず、持ち上がられてフィニッシュまでもちこまれるシーンが増える。

73分、渡邊に代えて塚川を投入。塚川はそのまま前線へ。しかし一人少ないとは思えない川崎が攻勢に出て引き続き東京は守備に追われる時間が続く。オープンな展開になりつつありチャンスもあるが散発でフィニッシュまではもちこめず。

88分、仲川に代えてバングーナガンデを投入、左ウィングに入る。それなら俵積田ではないかと思ったが今イチ意図がわからない交代。

アディショナル・タイムには自陣ゴール前でボールをクリアしようとした森重が飛びこんできた敵FWと激突、倒れこんだが森重はプレーを続行。過剰な力でのチャレンジで敵FWは退場相当だと思う(脳震盪でそのまま交代)。試合はそのまま2-1で終了、国立でのスペシャル・マッチで大きな勝ち点3を得た。

戦評

実力的には川崎の完成度に分があったと思うが、早い時間帯に徳元のゴラッソで先制、さらに追加点と効果的に加点し、前半のうちに1点は返されたものの、後半開始早々に敵が退場、苦労しながらもリードを守りきって試合をコントロールすることができた。

数字を見ればシュート数7-8、CK4-6、ポゼッション36-64と内容的には川崎に上回られたが、序盤のリードが効いて、危ないシーンもあったものの、スウォビィクの再三のファイン・セーブもあり、試合そのものを手ばなすことはなかったと思う。

今日の試合は敵陣でのボールへのアプローチが的確で、特に前半はそこから何度もチャンスを作った。左右に揺さぶり最後をしとめるコンビネーションも見られ、うまく行けばこれくらいはできるということはわかった。

一方で後半一人少ない敵に押しこまれたのは反省しなければならず、むしろ10人になって敵がバラけた分捕まえにくかったということか。このへんの川崎のゲーム・マネジメントはさすがによく準備されていたと思う。

交替には疑問があり、オリヴェイラに代えるならアダイウトンではなくやはり前線で収まるペロッチだろうし、渡邊、仲川と代えるのなら常識的にはその時点でアダイウトン、俵積田というのが順当ではないかと思った。塚川はともかく、俵積田をさしおいてバングーナガンデをわざわざ本職とは違う位置で厳しい時間帯に起用する意味がわからなかった。

この試合では長いボールも使い、自陣でのクリティカルなシーンではボールをタッチに捨てることもあって、アルベル監督のリアリストとしての一面も窺える指揮だった。しかし「ボールを愛する」というチーム・コンセプト自体は不変であり、状況判断をより柔軟にできるようメッセージを発しているのではないかと思った。

このあと、鹿島(A)、神戸(A)、横浜(H)と厳しい試合が続くが、我々がどこまで積み上げができているかの試金石となる。ここを越えられないと上位はないと考えるべきで、今日の勝利を足がかりに一気に加速して行きたい。

これで13試合を終了、5勝5敗3分で勝ち点を18(1試合あたり1.38)まで伸ばした。先行実施なので他の試合の結果を待たなければならないが、暫定では順位は8位。最低でもこのへんにはくっついていないとアジアは覚束ない。

アウェイ連敗はショッキングだったし、そこで見られた課題がすべて1週間足らずのうちに片づくわけでは当然ないが、結果が出ていれば修正に取り組む余裕もできてくる。そうやって走りながら直して行くしかないのでここはしっかり戦いながら底上げを図りたい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
スウォビィク(2.5) 5点くらい止めてくれたと思う。勝利の立役者。
長友(3.5) 地味に対面の選手を止め続けてくれたのが大きかった。
木本(4) 失点関与はもったいなかったがそれ以外は完封。
森重(4) 一瞬のスピードや判断は落ちてきているが…
徳元(2.5) 嬉しいJ1初ゴール。確実にバングーナガンデよりいい。
安部(3) ゴールは走り続けたごほうび。
東(3.5) 鬼の形相で中盤を刈り取り焼け野原にした。
小泉(3.5) 判断が的確。いかついだけではなくクレバー。
仲川(3) しかけは確実にイヤがられていた。バリュー高い。
オリヴェイラ(3.5) よく収めてくれた。交代は予定か。
渡邊(3.5) 神出鬼没でチーム全体を流動化した。
===
アダイウトン(4) クローザーとして使われるのは不本意では。
塚川(4) 守備に追われたのが気の毒だった。
バングーナガンデ(-) 時間短し。役割期待がはっきりしなかった。

56千人の観客が来場、その試合を決めきれたことはなにより嬉しい。帰りの電車の駅は阿鼻叫喚の地獄図絵だったらしいが、そういうときは副都心線をうまく使えば新宿にも渋谷にも池袋にも近い。今日はそれを知られたか副都心線を使う人が増えていてビビった。

ニュータンタンメンはアウェイ・ゲームの時にとっておくことにした。

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