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【Jリーグ第8節】東京V 2-2 FC東京

■ 2024年4月13日(土) 16:00キックオフ
■ 味の素スタジアム

暖かい春の日。ヴェスパで味スタに乗りつけた。いつものバック側駐輪場が開放されておらず、しかたなく北駐車場へ。ヴェルディの主催試合のため味スタだがアウェイ扱いとなる。バクスタのややアウェイ寄りでの観戦となった。

浦和、鹿島に国立で二連勝、その勢いを駆ってヴェルディにも気持ちよく勝ちたいが、ふわっと入るとヤられるだけの地力は敵にもある。侮ることなくリーグ戦の大事な一試合として勝ち点3を積み上げたい。

荒木、松木、野澤がU23アジアカップに招集されて不在。注目されたトップ下には小柏が先発した。オリヴェイラは引き続きベンチ外、完全移籍が発表された遠藤や若手の寺山らがメンバーに入った。


布陣

波多野
白井 土肥 トレヴィザン バングーナガンデ
高 小泉
安斎 小柏 俵積田
仲川

前半

立ち上がりからしばらくは拮抗した戦いに。互いに中央を締めコンパクトに守っているため、東京はサイドからの大まわり、ヴェルディは長いボールを放りこんで打開を図るがなかなか決定的なチャンスは訪れない。

11分、小柏がドリブルでエリア内に進入しシュートを放つが枠をとらえきれず。交互にボールを持ち攻撃をしかける形になるが、ともに失点を嫌って固い戦いになっている。流動的にポジションを交換しながら狭いところからでもしかけるが形にならない。

26分、敵FWがエリア内でボールを持ったところを守備に戻った安斎が倒してしまい警告を受ける。現場ではちょっと引っかけた程度に見えたが帰って映像を見るとボールを隠されてガッツリ足を刈っていた。これで与えたPKを決められ0-1と先制される。

さらに33分、トレヴィザンからの縦パスをカットされショートカウンターを受ける。右サイドからのクロスにゴール正面からダイレクトボレーでシュートを放たれ、これがネットに突き刺さってたて続けに失点、0-2とリードを広げられる。

43分、右サイドでの攻防で敵MFに遅れてチャージした安斎が足首を踏んでしまいこの試合二度目の警告を受けて退場に。これも言いわけのしようがないくらい明白に踏んでおり故意ではなかったが判定はやむなし。一人少なくなり決定的に苦しくなる。

仲川を右SHに落とし、小柏をトップに上げた4-4-1に布陣を変更。45+2分、仲川がエリア内で敵に倒されるが笛は鳴らず。結局0-2で前半を終了した。2点差で一人少ない状態は厳しいが、敵は終盤に落ちることが多く、我慢して機会を窺うしかない。

後半

後半に入るとヴェルディが数的優位を背景にボールを支配、東京は守勢にまわる流れになる。なかなか前に出られず、フィニッシュまで持ちこむことができない。61分、俵積田と小柏に代えて遠藤と寺山を投入。寺山はそのままトップの位置に入った。守備の強度を落としたくないというメッセージか。

その後もなかなか攻撃が形にならなかったが、68分、白井が自陣で敵のパスをインターセプトすると、そのままの勢いで一気にドリブルで駆け上がる。エリア手前で中央にボールを送ると、ニアの寺山がスルー、ファーに走りこんだ遠藤がダイレクトで流しこんでゴール。東京が1-2と1点差に詰め寄る。

73分、バングーナガンデに代えて長友を投入。1点差となって盛り上がる勢いを後押しする狙いか。流れ的には東京が押し気味になるが、いかんせん一人少なく、リードもあってムリをする必要のないヴェルディにいなされて時間が過ぎて行く。

83分、高と小泉に代えてシルバと原川を投入。シルバがトップに入り寺山を一列落としてボランチに。

84分、30メートル弱中央で得たFKを原川が直接狙うがバーの上に。拮抗した戦いで試合は最終盤に。勝ち筋が見えず、長いボールも交えて前線でのアップセットをねらうが奏功しない。

4分のアディショナルタイムとなり追いつめられるなか、90+4分、波多野からのロングボールを前線に攻め残ったトレヴィザンが落とすと、これを拾った仲川から遠藤にパス。遠藤はワントラップから置き直してコースを作ると左足でシュート。エリア外からだったがこれが決まり東京が土壇場で2-2と同点に追いつく。

90+7分、右CKを原川がけると中央のトレヴィザンが頭で合わせるが枠に飛んだシュートは敵GKがセーブ。試合はそのまま終了となり、東京が最後の最後で追いつき勝ち点1を分け合う結果となった。

戦評

拮抗した序盤からPKで先制点を献上、たて続けに失点したあと安斎の退場でひとり少なくなって決定的に不利な状況となったが、後半ねばり強くチャンスを待ち、完全移籍が発表されたばかりの遠藤の2ゴールでなんとか敗戦を免れた。

シュート数8-11、CK5-5、ポゼッション49-51と拮抗した試合だったが、一人少なくなってからは攻撃に人数をかけづらく苦しい戦いを強いられた。それでも決定機を逃さなかった遠藤のタフさに救われ、チームとしてもあきらめなかったことが報われた。

最後に劇的に追いついたので試合としては熱く、勝ったような騒ぎだったが、前半お粗末な試合運びで自ら招いた劣勢だけに、最低限の勝ち点は拾ったというものの結局はマッチポンプで、手ばなしで喜ぶわけには行かない結果。安斎を責めるわけではないが、経験のために支払った対価は大きかった。失った勝ち点2に値するものを学んでほしい。

小柏と仲川のトップは可能性を感じさせ、特に小柏はスピードがあるだけでなく足元もしっかりしていてボールを動かせていた印象。もう少し見たかったが、一人少なくなってからはスクランブルで参考にならず。引き続き使ってみてほしい。

高い強度でボールを奪い、少ないタッチでパスを交換しながら一気にゴールに迫る狙い自体は共有できており、最後に追いついた試合展開もあって流れは手ばなしていないが、ムダにバタついて自ら試合をむずかしくしたことは大きな反省点。

中央を締められたときにサイドしか逃げ道がなくなることが多く、もっと高や小泉に短いボールを当てながら、ワンクッション入れることで敵をズラしてパスコースを作りたいが、そこに当てることを怖がってサイドに逃げるケースが散見された。

この試合では白井の集中がすさまじく、1点めの起点になったインターセプトはねらっていないとできないもの。中村が2か月の離脱となったが、白井が計算できると長友の使い方にも余裕ができる。ここで存在感を見せてくれたのはうれしかった。

これで8試合を終了し3勝2敗3分で勝ち点は12(1試合あたり1.50)、順位はひとつ下げて9位となった。首位C大阪との勝ち点差は6、4位神戸から14位新潟までが勝ち点差5のなかにひしめいており、次の試合に勝つことが重要。

厳しい戦いが続くが、ここ5試合で勝ち点10とベースは作れており、次節ホームでの町田戦で勝ち点をしっかり上積みし、上位に食らいついてゆかなければならない。上位との対戦になるが勝ち筋はあるはずだ。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
波多野(3) 近いところのキック精度と判断を向上したい。
白井(3.5) ゴールの起点となるインターセプトにはしびれた。
土肥(4.5) 危なっかしい守備もあったが落ち着いていた。
トレヴィザン(4.5) 最後のシュート惜しかった。
バングーナガンデ(4.5) 好調を維持。自信もってプレーできている。
小泉(4) 無尽蔵のスタミナで広い範囲をカバーし続けた。
高(4) ロストもあったがパスコースを作れる男。
安斎(5.5) 授業料は高くついた。
小柏(4.5) スピードだけでなく足元もありそう。
俵積田(4.5) 単騎突破で特徴は見せた。
仲川(4) 守備含め身体を張ってくれた。
===
寺山(4.5) チームのベクトルを前に向け続けた。
遠藤(2.5) 勝ち点1をひとりで稼ぎ出した。
長友(4) 流れを引きよせる働き。
シルバ(-) 時間短し。
原川(-) 時間短し。FK枠に行きたかった。

ファーストユニはダメだったんだろうか。白のセカンド着用だった。

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