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【Jリーグ第7節】FC東京 2-0 鹿島

■ 2024年4月7日(日) 17:00キックオフ
■ 国立競技場

二試合続けての国立競技場でのホームゲーム。おだやかな晴天の日曜日となった。無料招待もあってか5万人を超える動員となった。キャップを持って行くのを忘れてまぶしかったがキックオフしてほどなく日は沈んだ。

前節、同じ国立で浦和に逆転勝ちしていい流れで迎える連戦だが簡単な相手ではない。2勝2敗2分と五分の星でどっちに向かって一歩を踏み出すか大事な試合になる。浦和に勝てたのだからと慢心すると痛い目に遭う。しっかり切りかえてこの試合に集中したい。

荒木が期限付移籍の契約上出場できず、代わって仲川がトップで先発。また前節負傷退場となった中村も欠場で白井が先発。それ以外は浦和戦と同じ布陣に。オリヴェイラ、小柏、長友らがベンチ外なのが気になるが、まずはいる人で戦うしかない。

布陣

野澤
白井 トレヴィザン バングーナガンデ
小泉 高
安斎 松木 俵積田
仲川

前半

互いにしっかりボールを握りながらプレスをかいくぐって前に運ぶスタイルで攻撃を組み立てようとする。序盤は鹿島がやや優位か。9分、左サイドから俵積田がドリブルで中央に切れこみシュートを放ったが敵DFにブロックされる。

松木を中心に前線が鹿島にしっかりプレスをかけており、守備の対応はできている。中央は守れていて最後のところはやらせていない。鹿島のポゼッションがやや多いようには思えるが大きなチャンスはつくらせない。

25分、再び俵積田が左サイドから切れこんでシュートを放ったがGKがセーブ。仲川が要求していたのが印象的だったが俵積田の積極性が光った。なんどか形はつくれているが決めきれない。

その後も一進一退の攻防となるが互いに決め手を欠き、スコアレスで前半を終了した。戦えているが鹿島も固く、ボールを持てば素早く押し上げてくる。集中を切らせた方がヤられる神経戦。浦和よりも手ごわいが勝ち筋はある。やり続けたい。

後半

後半に入っても膠着した戦いとなる。55分、左サイドに開いた松木が中央にクロスを送ると、ニアに飛びこんだ仲川がバックヘッドでゴールに流しこみ先制。1-0と大きなアドバンテージを得る。きちんと枠に飛ばした技術の高いヘディングだった。

ビハインドを背負った鹿島がリスクを取って前に出てくるが、東京は自陣でこれを迎え、奪ったボールを前線に展開して反撃する。互いに譲らず中盤での熱い戦いになる。東京は松木、小泉が身体を張り、高がボールを動かして主導権を握ろうとする。

63分、俵積田に代えて遠藤を投入、そのまま左ウィングに入った。67分、左サイドの遠藤がショートカウンターで持ちあがり中央にクロスを入れると、飛びこんだ仲川が頭で合わせたがバーに嫌われる。決めておきたかった。実際には敵DFのクリアだったかも。

さらに75分、高と仲川に代えて原川とシルバを投入。シルバはそのままトップに入ったかもしれない。83分、中央で敵のパスを引っかけてショートカウンター。松木が並走したシルバにスルーパスを送り、絶妙なタイミングでGKとの一対一になるがシルバがこれをファーに外してしまい失敗。

88分、安斎が足をつったか、徳元と交代に。徳元はそのまま右ウィングの位置に入ったように見えた。アディショナルタイムは6分。終盤、むずかしいタイムマネジメントになる。奪ったボールは敵陣で攻め急がず、時計を進めたい。

90+7分、原川が左寄りでカットした敵のパスを松木に合わせるとワンツーの返しを受けてそのままエリアに進入、左足を振りぬいた。これが決まって2-0となり、試合はそのまま終了。東京が後半早々に挙げた1点のリードを守り、アディショナルタイムにダメを押して今季初の完封勝ちとなった。

戦評

拮抗した戦いで我慢の時間も長かったが、前節同様後半の立ちあがりに得点できたのが大きかった。その後は苦しみながらも鹿島の攻撃をしのぎ、時間の経過とともに焦りの出る相手をいなして時計を進めた。最後に原川のダメ押しが出て試合を決めた。

シュート数12-15、CK6-4、ポゼッション45-55と全体に鹿島が優位だったが、やらせないことに重点をおいた守備で、流れを渡すことなく、リング中央で打ち合う試合に競り勝った。連勝も今季初めて。

荒木を欠く布陣となったが、代わってトップに入った仲川が骨惜しみせず攻守に率先して動きつづけた結果、決勝の今季初ゴールとなった。前線で収めてくれて助かった。この位置での起用はありだと思った。

ほかにも安斎、俵積田を初めとした若手の活躍がめざましく、特にバングーナガンデの攻撃参加は大きな武器になった。開幕当初は動きが悪かったが、最近は自信をもってプレーできるようになっており、それがパフォーマンスを押し上げている。

メンバーは変っても、前に向けてボールを動かす、狭いところでも臆せずボールを付けて行くというチャレンジ自体は変わりなくできており、もちろんそれで思わぬピンチになるシーンもありはしたが、プレスを外しながら前進する動きはでき始めていると思う。

もちろん課題もまだまだ多く、前に行けるところで下げたり横に流したりするシーンも少なくない。ここで連勝できたからといって、次もできるという保証はなく、まだなにもなしとげていないという意識で不断の上積みを図ることは絶対に必要だ。

次節からは荒木、松木、野澤がU23アジアカップのため不在となるが、俵積田、安斎の起用などこの三連戦で底上げはある程度できており、仲川、原川ら今日ゴールを決めたベテランも頼りになることを確かめられた。ここをしっかり乗り越えることでチームとしての厚みができる。

これで7試合を終えて3勝2敗2分と勝ちを先行させることができた。勝ち点は11(1試合あたり1.57)となり6位に浮上。とはいえ4位から14位までが勝ち点差3のなかにひしめく混戦となっており、気を抜くと脱落してしまう。この試合に勝ったのは大きい。

次節はアウェイ扱いでのダービーとなる。侮ることなく、一方でムダな力を入れすぎることなく、38試合のうちのひとつとしてきっちり勝ちたい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
野澤(3.5) 今季初完封。このままU23に向かう。
白井(3.5) 身体を張って戦った。レギュラー取りたい。
土肥(4) 落ち着いて最終ラインを守った。安定感出てきた。
トレヴィザン(3.5) 突貫守備とビルドアップ怖すぎ。
バングーナガンデ(3) 球際の強さと戦術眼の確かさが際だった。
高(3.5) 狭いところでもボールを受けて展開できる。
小泉(3.5) スペースを埋めつづけ敵の前進を阻止した。
安斎(4) 遜色なくやれている。もっと我を出していい。
松木(2.5) 今日は彼のゲーム。ピッチ上の皇帝だった。
俵積田(3.5) 明らかにイヤがられていた。それが重要だった。
仲川(3) 貴重な先制点。トップ起用で生きた。
===
遠藤(3.5) 仲川とのコンビがいい。決定的なクロスあった。
シルバ(4) 決定機を外したのがもったいなかった。
原川(3.5) 嬉しい今季初ゴール。さすがのシュート力。
徳元(-) 時間短し。役割は果たした。

国立はゲンはいいかもしれないが、席の前が決定的に狭く、動線は最悪、ドリンクホルダーは小さくてペットボトルが入らず、ピッチも遠い。観戦環境としては最悪で、平日夜はともかく、週末は味スタでやってほしい。

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