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【Jリーグ第4節】福岡 1-3 FC東京

■ 2024年3月16日(土) 13:00キックオフ
■ ベスト電器スタジアム

いい天気の土曜日。福岡でのアウェイとあって今季初めてDAZN観戦に。開幕から1敗2分とまだ勝ちがなく、後がない。福岡は苦手としている相手だがなんであれ勝ち点3をもぎとらなければならない。厳しい試合になる。

この試合ではオリヴェイラ、前節東京デビューを果たした小柏がベンチ外。一方で今季新潟から移籍加入した高が初めてメンバーに入り先発。トレヴィザンが前節退場となったためこの試合は出場停止で、木本が今季初先発となった。

布陣

波多野
長友 木本 森重 バングーナガンデ
高 小泉
仲川 松木 遠藤
荒木

前半

立ち上がりから東京がボールを握って敵陣で攻撃をしかける流れに。福岡は奪ったボールからサイドを経由して縦に速い。互いに前を向いてプレーするがはっきりしたチャンスはなかなか作れない。

16分、エリアすぐ外で得たFKを松木が直接ねらったがゴール前でDFにクリアされ、このこぼれ球に森重が詰めたがボールはバーの上に。さらに17分には右サイドでボールを持った仲川が深いところからクロスを入れると、ファーの松木が頭で合わせたが体勢が十分でなく枠に飛ばず。

東京は今季初出場の高がしっかりボールを受けることで丁寧にパスをつなげている。オリヴェイラがいないこともあって長いボールを収めるよりは地上でボールを動かしながら前進するイメージが共有できている。これまでにない戦い方になっている。

28分、左サイドからの攻撃で遠藤が大外のバングーナガンデに落とすと、バングーナガンデはダイレクトでゴール前に流しこむ。中央に入りこんだ長友がワントラップからゴールにけりこんでゴール。1-0と東京が前節に続き先制する。長友は代表招集に花を添えるゴールとなった。

直後には枠内に強烈なシュートを浴びたが波多野がこれをセーブ、すると32分にはロングボールを遠藤が前線で収め、このボールを駆け上がった荒木にパス。荒木は厳しい角度からのシュートをファーネットに決めて東京が2-0とリードを広げた。荒木の決定力が際だった。

その後も東京が主導権を握り、福岡に決定機を作らせないまま2-0で前半を終了。選手間の距離やパスの受け渡しにこれまでにない意識が見られ、それがゴールにつながっている。福岡は後半から修正してくることが予想され、このまま終わるとは思えない。立ち上がりに注意したい。

後半

後半に入ると福岡がフォーメーションを変更して圧力を高めてくるが、東京は自陣ではしっかりとブロックを形成しゴールを許さない。51分、52分には松木が遠めからねらうが枠に収まらず。拮抗した攻防となるがリードしている分東京に余裕がある。

57分、右サイドの長友がクロスを入れるとGKにクリアされるがこのボールがファーにこぼれ、ここに走りこんだバングーナガンデがダイレクトボレーでゴールにたたきこんだ。東京はこれで3-0とリードを広げる。バングーナガンデの見事なシュートで東京が試合の流れをグッと引き戻す。

65分にはバングーナガンデからのクロスに荒木が合わせたがポストに嫌われる。71分、長友と遠藤に代えて中村と俵積田を投入、それぞれそのままのポジションに入る。リスクを取る必要のない東京は無理にしかけず時間を使いながら追加点のチャンスを窺う展開に。

80分、仲川と荒木に代えてシルバと東を投入。東がトップ下に入り松木を一列押し上げたか。しかし直後の82分、ゴール前の密集から押しこまれてしまい失点、3-1と2点差に。

その後は一進一退の展開。東京はボールを保持し時計を進める。90分、東に代えて安斎を投入。東にトラブルがあるようには見えず、松木を下げてもよかったかと思うが不可解な交代。安斎を右ウィングに入れてシルバをトップにスライドしたか、安斎をそのままトップ下に入れたかよくわからず。

90+5分、松木からのパスを受けた俵積田がドリブルで持ちあがり、角度の厳しいところからシュートを放ったがサイドネットに。結局試合は3-1のまま終了となり、東京は今季初勝利を挙げた。

戦評

立ち上がりは五分だったがボールを握って徐々に流れを引き寄せ、たて続けに得点して主導権を握ると、後半にも加点し、その後は敵の時間帯もしっかり守って、1点は与えたものの勝ちきった。これまでの3試合が何だったのかと思うくらい全体が連動し意図のはっきりしたプレーを繰り返した。

数字を見ればシュート数11-15、CK2-5、ポゼッション56-44と、ボールこそ握りながら福岡にもチャンスがあったことが窺われるが、前半のうちに2点リードしたことで試合展開としては東京が先手を取って危なげなくクローズした試合という印象。

特に高が入ることで中盤でボールが収まり、ロングボールに頼ることなく再現性のある攻撃の形をつくることができた。ウィングとSBの位置関係が整理され、距離感が調整されて受け渡しがうまく行った結果、相手のプレスをかいくぐって前進できたのだろう。

開幕からこれができなかったかという疑問はあるものの、順ぐりに新加入選手を試すなかで高がハマり、ゼロトップとの相性もよくひとつの形を見つけることができたのはこの試合の大きな収穫。この試合メンバー外となったオリヴェイラや小柏、原川らをここにどうからませるのか、試行錯誤は続くが、ひとつの解をこの試合は示した。

インターナショナル・マッチデイがあるため次のリーグ戦は2週間後。ここでしっかりチーム戦術を固め、浸透させることが必要だ。川崎、浦和、鹿島と手ごわい相手との3連戦となるが、ここをどういう成績で乗りきるかが今季の行方を占う試金石。その足がかりとなる勝利だった。

これで4試合を終えて1勝1敗2分、勝ち点5(1試合あたり1.25)で10位。まだ星勘定を云々する時期ではないが、ここで連勝して足場をしっかり固めなければならない。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
波多野(2.5) ビッグセーブでチームの窮地を救った。
長友(2.5) 魂のゴール。中央に寄せる動きも洗練された。
木本(4) 危なげない守備。縦ズバもっと見たかった。
森重(3.5) 読みと技術で敵のトップを自由にさせず。
バングーナガンデ(3) 見違える躍動感。ゴールも見事だった。
高(3) 彼がゲームを作った。東京の核になる存在。
小泉(3.5) 高が躍動できたのは小泉がいたから。
仲川(4) このフォーメーションなら生きる。
松木(3.5) 広い範囲をカバー、攻守のダイナモになった。
遠藤(4) プレーの平均値が高い。先発向き。
荒木(3) シュートは決して簡単なものではなかった。
===
中村(4) 片鱗は見せたが先発で見たい。
俵積田(4) ここでアピールしたい。
東(-) 時間短し。ケガなら心配。
シルバ(-) 時間短し。
安斎(-) 時間短し。

小柏がもっと見たい。

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