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独学で製菓衛生師になったよ。

製菓衛生師ってどんな資格?

えーっと、ざっくり言うと、調理師のお菓子・パンバージョンのような資格です。(詳しいことは自分で調べてね。)

例えば、ケーキ屋さんやパン屋さんを開業するには「食品衛生責任者」の資格が必要なんですが(あと営業許可も必要です)、製菓衛生師を取ればその資格がついてきます。なお、食品衛生責任者は1日講座を受講すれば誰でも取れてしまうので、ただ食べ物屋さんを開業したい人はそちらを取るのが早いし安いです。

製菓衛生師を受験するには受験資格が必要です。
 ①製菓の専門学校で学習した者
 ②2年以上製菓製造業に従事した者
の上記のどちらかの人しか受験できません。製菓のプロのための資格!

なお、私は上記の②に該当します。だから、「独学」なのです。専門学校で対策してくれるわけじゃないのでね。なお、大学時代の専門は教育学と日本古典文学ですので、食べ物の世界は専門外です。……仕事にしているのに専門外というのもおかしな話なので、仕事について一通りの知識を得るため、あわよくばカフェを開業したときにも役に立つ、というわけで受験することにしました。

菓子製造の仕事をしていたことがあって(現職でなくてもよい)、資格に興味がある方はぜひ調べてみてください。難しい試験ではありませんし、一応国家資格ですから。

勉強に使ったテキストは1冊だけ。

『新版 解いてわかる 製菓衛生師の手引き』柴田書店(リンク先はAmazon)
これだけです。解説と問題がセットになっていて、使いやすいです。解説を読んで、問題を解いて、を3周くらいしました。試験に受かることだけを考えたら、購入する書籍はこれだけで十分だと思います。

「購入する書籍は」と書きましたが、それ以外にやったことがあります。それは、実技対策!

「実技」は「実技」という名前の筆記試験。(へんなのー。)和菓子・洋菓子・製パンのどれかから選んで、製法を答えるもの。選択肢があるとはいえ、膨大な数の製法を全て頭に入れるのは困難です。

私は和菓子で受験するので(つまりはそういう仕事なんだ)、他分野はわかりませんけども。和菓子は分業が進んでいるので、例えば、上生菓子のお店とお団子屋さんとどら焼き屋さんと全部違うでしょ。よそで作っているものの作り方なんて知らないよー!

ここで、合格基準を見てみましょう。

【合否判定に関する国の通知(抜粋)】
原則として、全科目の合計点が満点の6割以上であるものを合格とし、1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合は、不合格とする。
東京都福祉保健局HP

なので、「実技」で1問には正解し、他の科目と合わせて合計合格点を取る作戦にしました。私は東京で受験するので、東京の製菓衛生師試験の「実技」は6問。どれかで正解すればおっけー。よし、これなら受かる気がする。

「実技」は過去問を使って対策。

都道府県によっては過去問がネットで公開されています。(公開されていないところもあります。)「実技」は書籍だけだと不安だったので各地の過去問を原始的カットアンドペーストして繰り返し使える過去問題集を作りました。これも3周くらいやりました。これを使って作り方を覚えていく感じ。

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「実技・和菓子」の難易度は各地で差があって、いちばん難しいのが関西広域連合(関西で問題が共通らしい)、その次は東京かな。

過去問を解くと、よく出題されているものが分かってきます。原料(米・小麦粉)についてや、あんこ、どら焼き、カステラ、水ようかんなどの製法は出やすい気がします。作っている人が多いだろうということかもしれません。

受験の申し込みがめんどくさい。(これは愚痴。)

昔からある国家資格なので、受験の申し込みがいろいろとめんどくさかったです。どんな書類が必要かは各自確認していただくことにして、個人的めんどくさポイントは以下の通り。

・申込書類を郵送してもらう。(普段は原則手渡し対応らしい。コロナ禍なので郵送対応。ダウンロードできるようにしてくれ。)
・職場に製菓従事の証明をもらう。(コロナで大変な中、申し訳なかった。)
・卒業証明書を大学にもらう。(受験資格に「中学校卒業」とあるんだけど、それ証明する必要ある?)
・戸籍抄本を役所でもらう。(学校を卒業してから改姓しているため。えええ。)

申込書類を手に入れてから提出期限までが1ヶ月くらいしかなかった気がするので、しかも、職場の証明とか卒業証明書とかは時間がかかるので、早めに動いたつもりなのに、ギリギリに郵送で提出しました。お早めに、お早めに。

試験の本番は特筆することがありません。

コロナで試験が延期になったり、コロナ対策で入口で検温したりしたけど、いたって普通の資格試験でしたね。

あ、製菓専門学校を卒業したての(だと思われる)すごく若い受験者が入口にたくさんいてきゃっきゃしていて、びびっていたのです。が、教室に入ったら、おそらく「実技」も受けるチームだけで、落ち着いた雰囲気でした。よかった。

なお、合格発表はネットと郵送の両方で見られます。なんとなく、ネットで分かっても紙で届くと安心するんですよね。

受かってからも免許をもらうまでちょっとめんどくさい。

合格しても、すぐ製菓衛生師を名乗れるわけじゃなく、保健所に行って名簿に登録してもらう必要があります。その際に、
「麻薬、あへん、大麻又は覚せい剤の中毒者でない」という医師の診断書
の提出を求められます。

様式があるので、近所の内科とかに行って診察を受けて、診断書代を払って書いてもらえばよいのです。

なお、近所の内科に電話して、
「あのー、製菓衛生師の試験に合格したので、麻薬と、あへんと、大麻と、覚せい剤の中毒者じゃない証明をしていただきたいんですけど、そちらでやっていますか?」
と言ったところ、2軒で断られました(笑) 3軒目でようやく予約を取り、受診して診断書を書いていただきました。

まあ、珍しい上にアヤシイ依頼ですよね、「麻薬と、あへんと、大麻と、覚せい剤の中毒者じゃない証明」って……。

その診断書を持って、保健所に行って申し込みをして、さらに2週間後くらいにやっと自分の名前入りの免許が出来上がって受け取れます。

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やったねー!

コロナによる試験日延期などもあって、思っていたより時間がかかりましたが、無事に製菓衛生師免許を取得できました。めでたしめでたし。

お読みいただきありがとうございます。サポートいただけたらとても嬉しいです! お茶代にいたします🍵