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宇宙から学ぶ社会の最適化~漏水リスク評価から覗く企業のトレンド~

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。
天地人に所属する学生インターンが、これは面白いと思った宇宙のトピックスを、定期的にお届けします。

成長産業として宇宙領域が注目されている昨今、多くの企業が技術開発に力を入れています。天地人は独自開発のツール「天地人コンパス」で、世の中の動向とリンクした事業を展開し、地球規模の課題解決に取り組んでいます。その中でも特に力を入れている「漏水リスク管理業務システム」は、現在の世の中のトレンドを掴んでいると思います。

今回の記事では、世の中のトレンドと天地人の「漏水リスク管理業務システム」がどうリンクしているのかを解説していきます。


1. 衛星データを用いた高精度な「漏水リスク評価」

現在、全国で水道管の老朽化が問題になっています。効率的に管路の点検、維持・修繕を実施することが求められていますが、多額の費用を要するうえに、広域かつ短期的に行うことが難しいという問題点があります。水道料金の値上げや周辺の街との事業統合によって費用を絞り出し交換を進めていますが、依然として課題は解決しきれていません。

また、人口減少により税収や職員が減ることも原因の1つです。そこで天地人は、広域かつ短期的に情報を取得できる衛星データ等を活用し、効率的に漏水可能性区域を特定する事業を展開しています。これにより、経年管の点検・対策を本当に必要な場所から行うことが可能となります。

天地人が提供する、宇宙ビッグデータを活用した水道管の漏水リスク管理業務システム「天地人コンパス 宇宙水道局 」についての詳しい情報はこちらのプレスリリースからご覧ください。

URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000045963.html

2. 世の中のトレンドとのマッチ

「衛星データ」を活用し、水道事業体・自治体の「人手不足・組織改革」を助け、水道料金の高騰、つまり「物価高騰」を改善する天地人の漏水調査。この「衛星データ」「人手不足・組織改革」「物価高騰」の3つのキーワードが昨今の企業のトレンドを捉えていると考えています。最近の社会には、このようなトレンドをおさえた企業がいくつかあります。ここからは、天地人と同じキーワードの付加価値を提供している3つの事業を紹介していきます。

まず1つ目が、「株式会社SmartHR」です。
人事・労務の業務効率化からデータ活用による人材マネジメントまで行う、シェアNo.1のクラウド人事労務ソフトを提供している企業です。このツールにより、ペーパーレスと人員削減が可能となり、コストカットをサポートするという特徴があると考えられます。変化し続ける働き方の中で、働く一人ひとりの可能性を引き出し、社員同士が信頼し合い、気持ちよく働くことができる会社へ導いていくことを目的に事業を展開しています。手間のかかる入社手続きや雇用契約、給与明細や年末調整において、スマートフォンやPCだけで従来よりも素早く手続きを完了できるサービスが今回のテーマと関連しています。「データの活用」により、「組織改革」と「コストカット」を行うという複数の点で天地人の漏水リスク評価システムとリンクしていると感じます。

次に「株式会社三井住友銀行」です。
衛星画像などを活用したデータ分析サービス「ジオミエール」の提供を行い、人流や車両数、土地・建物の状況を可視化・分析しています。そこから、出店計画・既存店の売上変化の要因分析などのマーケティングや情報分析、都市開発、所有地のモニタリングなどへの活用を行っています。このサービスは、三井住友グループの経営計画の基本方針のひとつである「Growth(新たなビジネス領域への挑戦)」に沿ったものであり、目指す姿として挙げている「情報産業化」、「ソリューションプロバイダー」を推進するものでした。天地人の漏水調査では衛星データをインフラのために使用していましたが、この事業では、衛星データを不動産のために使用しています。全く別の業種の企業でも、「衛星データ」を活用する点で天地人とリンクしていると分かります。

最後に、「東京都産業労働局」です。
物価高騰の影響を受ける事業主・個人事業者の方や働く人を対象に支援を行っています。主食として小麦の需要が高まる日本では、食糧自給率の低い小麦の輸入は必至です。つまり、現在の原油・原材料価格の高騰や円安の進行に伴う物価高騰の影響は避けられません。そこで東京都産業労働局は、国産農産物である米を使用した米粉の活用を後押しする「TOKYO JAPANキャンペーン」を展開しています。これにより、米粉パンの更なる認知度向上や消費拡大へとつなげ、価格上昇の影響の緩和を目指しています。支援内容としては、米粉を使ったパンを製造・販売する店舗をウェブ等で紹介するなど、様々なPRキャンペーンを展開し、情報発信の強化体制を作り、都民の関心を高めていくというものです。「物価高騰」を抑えるという点で天地人とリンクする取り組みであることが分かります。

3. 「宇宙から学ぶ社会の最適化」

3つの事例から分かるように、天地人の漏水リスク評価は宇宙産業系の企業だけでなく、様々な業種の事業と繋がっていると考えてます。企業理念が違えど、衛星データの活用により、物価や経費の上昇を削減するという動向は、この情報化社会の中で大切になってくる考え方であると思います。このようなトレンドは、「宇宙から学ぶ社会の最適化」といえるのではないでしょうか。

「宇宙がもたらす衛星情報が私たちの生活環境を見直し、より効率的に改善するヒントとなる」。情報が多様化し、社会の動向が変わりゆく昨今での、企業の新たなサービスの生み出し方について今後とも注目していきたいです。

(記事作成: 事業開発インターン 寺田)