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【初心者におすすめ】PRインターンが選ぶ宇宙関連本3選

天地人は、衛星データを使った土地評価コンサルを行っているJAXA認定ベンチャーです。
天地人に所属する学生インターンが、これは面白いと思った宇宙のトピックスを、定期的にお届けします。

今回は普段noteやUchubiz連載記事を執筆する学生インターン松戸が「面白い!」「勉強になった!」という宇宙関連本を紹介します。紹介する3つは専門書のような取り掛かりにくさはなく、中高生から大人の方まで読みやすいものをセレクトしました。


学生インターンが選ぶ宇宙関連本

郷田直輝著「宇宙のことがだいたいわかる 通読できる宇宙用語集」


ベレー出版

「こんなに膨大で謎な宇宙のことがだいたいわかっちゃうの!?」と手に取った1冊。
確かにこの1本読むと読まないとでは宇宙のニュースの解像度が変わってきます。

惑星を始めとする銀河系内のことに関する第1章、銀河系外を含めた宇宙の用語をまとめた第2章、暗黒物質や素粒子を扱う第3章、宇宙の摂理や天文学とは何かを説明する第4章の4章構成の通説本です。

ただ用語を説明するだけでなく、現象の理由やエピソードにも触れつつ読者が抱くであろう質問を文章の中で解決してくれます。
例えば「宇宙の形と果て」の節では、まず「宇宙の外の有無」という疑問に対し、「”外”という空間があると想定している時点でそれは宇宙である」と補足したうえで、「宇宙の形」や「宇宙は有限なのか」という話題を示します。しかし筆者は「私たちの宇宙空間は平らなのだが、数学を使って局所的には平坦と分かっただけで大域的に平らなのか、加えてそれは無限なのか有限なのかは分からない」と結論付けました。ただし、この結論に至るまでも、そうと分かるまでの経緯、なぜ分からないのかの理由を示してくれます。

たった1節読むだけでも深い学びがあり、必要な時には辞書としても扱える本書は大変おすすめです。

現在、著者の郷田直輝氏は執筆当時から関わっていた国立天文台JASMINEプロジェクトのプロジェクト長を努めていらっしゃいます。

JASMINEプロジェクトとは:宇宙の銀河構造や天体の運動を高精度で測定し、銀河の進化や星の形成などの研究を行うために開発された赤外線位置天文観測衛星です。このプロジェクトは、特に銀河中心部の研究や地球型惑星の探査に焦点を当てており、JAXA宇宙科学研究所によって推進されています。

タイトル:宇宙のことがだいたいわかる 通読できる宇宙用語集
著者名:郷田直輝
発行・販売:ベレ出版
価格:定価1,650円(本体1,500円+税10%)
発売日:2014年01月23日


渡部潤一著「夜空からはじまる天文学入門 素朴な疑問で開く宇宙のとびら」


化学同人

観測天文学のご活躍し、メディア出演や講演を通して科学と社会を橋渡しする活動もなさっている渡部潤一さんが著者の「夜空からはじまる天文学入門」。

春夏秋冬の星座の特徴を説明した後、惑星・彗星・恒星・銀河とはどのようなものかをそれぞれ天文学的に解説する章が続きます。一周すると宇宙のスケール感がイメージできるようになります。

タイトルからお分かりの通り、とにかく「ロマンチック」な天文学入門です。
1年間を通して見え方が変わる星座のことを「地球は宇宙のメリーゴーランド」、天の川に焦点を当てた章タイトルは「星々の人生舞台ー天の川をめぐる旅」、一つ一つの節にも印象的なフレーズが当てられており、まるで天文学童話を読んでいるようです。また、渡部さんの読者に寄り添うような語り口調もあって、ガイド付きのプラネタリウムを見ている気分になれます。

私自身大学院で原子炉・核融合炉の金属材料という専門性の高い研究をしているので、自身の専門を一般の方にもこれだけわかりやすく、魅力的に語る渡部氏の文章力にも驚嘆させられました。中学生の頃に手に取って以来何周も読んだ個人的に大好きな一冊です。

タイトル:夜空からはじまる天文学入門 素朴な疑問で開く宇宙のとびら
著者名:渡部 潤一
発行:化学同人
価格:定価1,800円+税
出版年月日:2009/05/01


竹内薫著「面白くて眠れなくなる素粒子」


PHP研究所

あの「面白くて眠れなくなるシリーズ」の素粒子版です。帯の「宇宙」の文字、そしてこのかわいらしいイラストで素粒子が何のことかわからない方でも手に取ってしまうかもしれません。

なぜ素粒子が宇宙に関係あるのかというと、宇宙の重さは素粒子の一つであるヒッグス粒子が起源であったり、宇宙誕生時の素粒子の挙動が今の宇宙の姿に大きく関わっていたりするためです。

原子を構成する中性子・陽子・電子という言葉はよく聞く単語かもしれません。素粒子とはこの中性子や陽子をさらに細かく分割したものです。素粒子はさらに分割できない最小の単位ということができます。この時点ですでに難解そうですね。

しかし本書は素粒子の性質や宇宙創成のメカニズムについてサイエンスライターの竹内薫氏がやさしく解説したものです。素粒子物理学や量子力学は専門書だけを読んでしまうと、これまでの知識・常識が適応されない範囲が多く非常に難易度が高いです。本書のように、数式を介さずにわかりやすい言葉だけをチョイスした素粒子物理学の本はほぼ見当たりません。「眠れなくなる」という言葉の通り、モチベーション高く専門性の高い分野について学べる非常に貴重な書籍です。

タイトル:面白くて眠れなくなる素粒子
著者名:竹内薫
発行・発売:PHP
価格:定価1,300円+税
出版年月日:2013/03/08

今回は普段noteを執筆するインターン生がおすすめする宇宙関連本を紹介しました。
専門書と違い手ごろな価格で手に入れることができるのでぜひ参考にしてみてください。

(事業開発インターン 松戸)