第42回『ホストクラブのオーナーに遠慮なく物申せるようになった衝撃の出来事』

うぃす! 大阪男塾の塾長です。

第39回でホストクラブの慰安旅行について書いたっすけど、今回も旅行のエピソードをひとつ。

当時、僕が勤めていたホストクラブのオーナーは、すごい人でした。

オーナーは、入店後たった3ヵ月でNo.1になり、5年連続売上No.1に輝いたり、関西で当時の最高記録の売上げを達成するなど、破竹の勢いで突き進むすごい人だったんすね。

今回書く話は、そんなオーナーと一緒に行ったホストクラブの慰安旅行っす。

そのときの行先は北海道。

ホストは我が強いやつらばかりなんで、旅行に行くと必ず何かやらかすんすよ。

高校時代のヒッチハイク旅行で北海道の地を訪れたことはあったんすけど、ホストとして来るのはこれが初めて。

北海道といえば、食べものが美味いっすから「北の幸を食べつくしたるわい!」と北海道に下り立ちました。

初日は遅い時間に到着したこともあり、ホテルで夜、休んでたんすけど、下の部屋がめっちゃうるさいんすよ。

明らかに人が数人集まって、バカ騒ぎしてる感じ。

「そろそろ寝よかな」って思ってたタイミングなんでむかついて、気づけば怒鳴り込んでました。

スタスタ階段を駆け下り、真下の部屋のドアをドンドン叩いて「うるさいねん、静かにせえや!」と言ってやりました。

でも室内で、まだ騒ぎ続けてるんすね。僕の声が全く届いてません。

わりと安めの宿だったんで部屋はオートロックじゃなかったんすよ。ドアノブに手をかけると、簡単にガチャって空きました。

僕は部屋に入るなり「夜中の1時やぞ。静かにせえや!」と叫んだんですが、室内にいたのはなんと全裸のオーナー。

彼は、小錦、曙をほうふつとさせるようなガタイの良い女性を、左右に抱きかかえながらベッドでぴょんぴゅん飛び跳ねてたんすね。

いやぴょんぴゅんて感じじゃないすね。バインバインっす。

お店のオーナーですけど、こういうときに遠慮するのは僕らしくないので「ちょっとあんた、何してんねん!」と思いっきりツッコミました。

するとオーナーは「じゃあかあしい! おのれはオーナーになんちゅう口のきき方しとんねん!」なんてことは一切言わず、「タクマ、ごめん」と平謝り。

オーナーて、こういうところで情けなさを晒せる強さがあるんすよね。まあ正直、ずるいっすけど。

「オーナー、女の乳揉むんは勝手にしたらいいんすけど、俺もう寝るんで静かにしてください」って伝えました。

オーナーはまた「タクマ、ごめん」としゅんとしてたんで、「もう大丈夫やろ」って部屋に戻った瞬間、また階下からバカ騒ぎの声。しかもさっきの3倍うるさい。

もっかい、下の部屋まで走って行ってドアを開けると、またオーナーは小錦、曙の胸元をがしっと掴みつつベッドでバインバイン。

「なんべん言わせるねん!」と、さすがにぶちぎれました。

あと「北海道やのに、なんで小錦、曙ってハワイアンを呼んどんねん」とも思いましたが、ダルかったんでそれは言わずにおきました。

でも実はお笑い的に、オーナーがとった行動は大正解。

お笑い芸人になってからわかったんすけど、同じボケを繰り返す天丼っていうテクニックは、お笑いの鉄板スキル。

「もうやるなよ!」という注意は、お笑い的には「もっぺんやれよ!」というフリっすから、そこもしっかりわかってやってたっすね。

笑いの基礎を理解していたオーナー、「腹立つけど、やるやんけ!」と思った北海道旅行でした。

そのあと、オーナーとの距離が縮まって、僕は今までよりもさらに遠慮なくズケズケ物申せるようになったんで、怪我の功名っていうか、まあええように転がったなって感じっすね。

ほんまホストクラブには、おもろいアホがぎょうさんおるっすわ。

最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!


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