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病んだ女性たち

私が彼女と知り合ったのは、精神科病院。
待合室の喫煙所だった。

彼女は、初対面の私に、
「歯磨きって夜と朝2回しますよね?」
と聞いてきた。

今振り返ると、頭に浮かんだ事を何も考えずそのまま口に出すタイプの女だったんだと思う。
さらに言うと、そのまま口に出してしまう事を魅力だとも思っていたように感じる。自身の事を天真爛漫と表現していたのをふいに思い出す。

彼女は、会う度に人格とまではいかないが、キャラクターが変わっていた。

ある時は、早口で話すサバサバ女になり、
次会うと、人生とは…を語り出す悟ったかのようにゆったりと語り口調で話す女になり、
次会うと、恋愛アドバイザー気取りの嫌味な女になっていた。

その女が消えたのは、ある日突然。

数ヶ月後に連絡がついた時には、「彼氏と一緒に暮らしている。〇〇県にいる」と言っていた。

どうやら突然、遠距離の彼の県まで行き、そのまま彼の部屋に転がり込んだようだった。
単身用のマンションなので広くない家に、二人で暮らしていると言う。

さらに、彼女は、住居を異動した手続きをしておらず、彼のマンションの管理会社や大家に二人で住んでいる事を伏せたまま暮らしていたので、同棲しながらも彼女は声を押し殺しながら生活していた。

そして、すぐにまた連絡が途絶えた。

数ヶ月後、連絡が来た時には、「彼から経済的DVを受けている」「別れようか悩んでいる」と話していた。

話を聞いても特に経済的DVには感じなかった。

彼が、生活費をまともに渡してくれない。
彼の飲み代に一万渡したけど、返してもらっていない。
下着さえ新しいの買えなくてよれよれのブラジャーを付けている。

とそれらしく彼女は説明するが、そもそも彼女は無職で働いていない。
急に転がり込んで、生活費の他に家賃光熱費の支払いは彼のバイトで補っていた。

彼女の収入源は、障がい年金で月6〜7万円だったはず。

転がり込んで働きもしないのなら、飲み代の一万円渡せ、くらい許容範囲かと私は思った。

そして、やっぱりこの女はすぐに連絡が途絶えた。

次連絡が来た時には、

「彼と結婚しようと思う」と話し、避妊もしていないと言っていた。

が、彼がバイトのままの事については、「彼の自由を縛る権利は私にはないから」と言い正社員等になるように話し合いはしていなかった。

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そんな女が、「彼といったん離れて今後の事考えようってなって、今地元に帰ってきてる」と連絡があり、会って話した事がある。

その時、彼女は、「私は不眠気味なだけで病気じゃない」と言っていた。

彼女は、自身の事を理解できていないし、人が当たり前にできる手続き等もできない、自分目線でしか物事と見えず、側から見られている姿や、客観視ができない。

十分病気よ、と言えば、強く反論してきたと思う。

その後の彼女の事は私は知らない。
多分、今もさほど変わらず同じ事を繰り返しているのでは…と思っているのが本音。


※この話は架空の話か事実かは、読み手が決めていただければと思います。

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