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iPhoneに誘導されて



 いつの間にか、毎日かかせなくなっているiPhoneです。本を読んでいて読めない漢字が出てきたら調べればすぐに分かるし、あのドラマに出ていたのが誰だか思い出せなくて気持ちが悪い時には検索してスッキリするし、夜ご飯の献立どうしようと悩んだ時にはアプリで検索する。本当に便利になったものです。
 
 何か新しいことを検索すると、次回から「あなたにオススメ」とばかりに執拗に画面に表示されてくる。あ、別にそこまで詳しく知りたかったわけじゃないんだけど…と内心思う。

 10年ほど前にパートで働いていた定食屋さんの副店長が、ネズミ対策として、自分のスマホのアカウントからネズミ取り器を注文したところ、翌日から「あなたにお勧めのネズミ捕りは〜」とせっせとお勧めされ、もういらないんだけど!と嘆いておりました。

 さて私がお勧めされるのは、ほうれい線対策らしいです。スマホを見ている顔、よく見られてますね。感心するとともに、サッと黒い画面になった時に映る自分の顔にゾッとします。誰なの、このおじさんのようなおばさんは⁈

 さて先日、数十年ぶりに海外旅行に行くため足りないものをAmazonで買い足しました。数十年前にはなかったスマホとネット環境のため、どうやら飛行機を降りたらすぐにスマホの回線を繋がなくてはいけない。

 そのために、SIMカードかesimというものが必要であり、知人によるとesimの方がどうやら接続が簡単らしい。そこでAmazonで検索してポチッとして安心しておりました。しかし、何故か届いたものはSIMカード。詳細を見ても、もちろんAmazonのミスではなく、私の注文ミスのようです。まぁ、ミスのようでミスではないというか、もともとSIMカードを買うつもりだったもんねー、思えば済む話です。そしてSIMカードで事なきを得たので結果オーライなのですが、私はesimを検索していたはずなのに、いつの間にかSIMカードを買っていた、その事実が不可思議でしかありませんでした。

 数ヶ月前、インフルエンザとコロナが急激に流行っているとニュースになっていた頃です。検査キットも、両方いっぺんに検査できるものが、ドラッグストアで販売していました。
病院に行かずに判定が出れば、早急に諸々の事に対応できるからでしょう。

 仕事が終わり、スマホを開くと家族からLINEが入っている。「〇〇が熱出たから、帰り道に検査キット買ってきて欲しい」と。あー、とうとう我が家も流行りにのるか、イヤな予感です。駅から自宅までは少し遠回りをすれば、ドラッグストアが3軒あります。検索をしてみると、2軒は検査キットはなし。1軒は検査キットあり、と明記している。その1軒は、少し遠回り。

 無駄な時間は使わないように、まずは電話で確認してみよう、在庫があるのかどうか。スマホの画面の、店舗案内の番号を長押しして電話をかけてみる。
「検査キットですね、こちらでは置いてありません」の返事。
「分かりました。ありがとうございました」と電話を切った。
 
 あれ?ネットには取扱店と書いてあったけど、あんまり信用できないものかもな。仕方ない、やるだけの事はやったのだ。明日も熱が下がらなければ仕事を休んで病院だ。

 翌日、仕事を休む旨を電話しようとスマホの電話の発着画面を開いてみると、見た事ない市外局番の昨日の日付。福岡県福岡市。かけた覚えはない。誰かがこのスマホからかけたのか。それはもっと怖い。

 そこで電話番号で検索をしてみると、昨日検査キットの在庫があるか問い合わせしたドラッグストアの、福岡市にある店舗だった。何故この店舗に電話をしてしまったのか、不可思議この上ない。

 何でこんな事が起こるのか。iPhoneが、”まだまだ使いこなせてないなー”とほくそ笑んでいるようで、次回から眉間のシワ取りクリームもお勧めされそうです。

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