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エレベーターでのいい人

 最近買い物のたびに考えるのが、エレベーターを降りる瞬間なんです。なんて、大袈裟だが、近くのスーパーにある、あの空間には買い物のたびに考えるのである。(大した悩みではないので、帰宅して家族に話して、共感を得たら終わり)

 一階にはスーパーや回転寿司やクリーニング店、二階にはDAISOと本屋、ファミレスなどが入っていて、屋上は駐車場がある、とっても便利なモールなのです。無料の休憩所もあったりで、いつも老若男女憩いの場と化している、まあまあ賑やかなスーパーなわけで、子連れファミリーもたくさんいるのです。

 さて私は、屋上の駐車場に車を停めて買い物をする。そして、買い物が終わると、カートを押しながらエレベーターを使って屋上に戻るのです。

 そのエレベーターに、ファミリーが一緒に乗った時に考えるんです。先日、小さな男の子、パパ、赤ちゃんを抱っこ紐で抱っこしているママの4人のファミリーとカート押してる私がエレベーターの中におりました。私はエレベーターの奥の壁に背中ついて立っている位置。

 さぁ、屋上に着きました。パパと小さな男の子は降りました。もちろんそうでしょう、ドアの前に立ってたし。そしたらママも一緒に降りてくれるのかと思いきや、開のボタンを押したまま「どうぞ〜」と言ってくれる。いい人なんだな。どうみても、手前にいるそのママがサッと降りてくれる方がスムーズだと思うのだけど。ここで、「いや、どうぞどうぞ」「いやいや、どうぞどうぞ」と、やるのは気がのらない。「あ、すみません」と言って、カート押しつつエレベーターを降りた。

 降りることはできた。なんと、降りたすぐのところで小さな男の子が、パパではなくママと手を繋ぎたかったらしく、手を伸ばして待っている。ママはさ、カート押してる私の後ろにいるのだよ。私も君が前にいるからカートを押して車まで行けないのだよ。そこでママは、「すみません」と私をすり抜けてカートの前に出て、小さい男の子と手を繋いで駐車場へと歩き出し、ようやく私もカートを押して駐車場へ進むことが出きた。

 ついこの前も、足の悪いおじいさんと息子だろうお父さんとその娘のファミリーとの組み合わせになってしまった。今日はどうなる?おじいさん足が悪いよ。まずおじいさんがゆっくり降りる。続いて娘さんも。その間、私は開を押している。次、お父さん降りて〜と心の中で思っていたら、入り口近くの開を押して「どうぞ」と言う。ボタンを押していない方の手で「どうぞ」のポーズもして。私の方が先に開を押してましたよ?会釈をして降りると案の定、足の悪いおじいさんを追い抜くほど広いスペースはないので待っていると、お父さんが私をすり抜け降りてきて、おじいさんの腕を支えている。カートの私より先に降りた方がスムーズじゃないか?私、先に開を押してたし。やはり「いえいえ、どうぞどうぞ」をやるべきなのか。悩む。   

 今日はエコバッグのママとカート押す私の2人。さぁどう出る?私はエレベーターの壁に背中を付けている。そのママはドア付近。これは絶対にサッと降りてくれた方がスムーズなパターン。しかし、やはり開を押しつつ「どうぞ」と言う。こんなにもみんな、いい人なのか。今日は私も言ってみた。「いえ、お先にどうぞ」だって、カートありつつ後ろに立ってるんだから、先に降りてもらった方がスムーズ。

 そして「今日もドア付近にいるのにサッと降りてくれなかったよー、先に降りてくれた方がいいのにー」と家族に共感をもらい、悩みも終了。

 悩みと書いたが、だんだん楽しみに変わってきました。次はどんなかな。どうぞどうぞ、いやお先にどうぞ〜を繰り広げようかな。

 職場のエレベーターでは1人で乗ると気が緩みますね。閉を押して軽くストレッチしてみたり、鏡を覗いてみたり、なんて事をしていると行き先ボタンを押し忘れ、ドアが開いた瞬間にボタンを押した人に驚かれたり、行く先の押されてないエレベーターは私を乗せたまま1階に戻っていたり。

 あぁ、エレベーターって何て便利。

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