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水鉄砲社会

 ふと思った。

 銃をやめて、皆がスタンガンを持てばいいのに。

 毎日毎日、黒人が警察官に射殺される。 
 命に値する犯罪でもないのに殺される。 
 犯罪を冒してなくても殺される。

 ティーンが学校で乱射する。
 やっと、これから自分で人生を切り開ける、という時に、なんで命を落とさなきゃならんのだ。
 なんで、友達の命を奪わなきゃならんのだ。

 小さな子供が、家の中でパパの銃に触って、誤って家族を撃つ。
 どうして家の中に銃があるんだーっ!
 銃が家の中になければ、その子供は殺人犯になってないのに。

 毎日毎日、こんなニュースばかりで、うんざりしてきた。

 目の前から大切な人がいなくなるのは悲しい。
 自分の命も、他人の命も大切にしなきゃいけないのだ。

 その点、スタンガンなら、誰も死なない。
 護身用なら十分だ。

 政治とか、ややこしいことは忘れて、アメリカ中の銃を、ぜーんぶスタンガンに交換できればいいのに。

 「アメリカでは銃を撤去しまーす。持っている人は、ティーザー銃と交換するので、区役所まで来てくださーい」

 ナショナルニュース、SNSで呼びかける。

 「そうかそうか・・・誰も銃を持ってないなら、ティーザー銃で十分だ」

 白人、黒人、アジア人、警察官、ギャング・・・国民全員が銃を持って、最寄りの区役所へぞろぞろやってくる。

 
 

 んーーー・・・それよりも水鉄砲がいいなぁ。

 警察は少しパワフルなAK-47水鉄砲。
 犯人を吹っ飛ばすくらいのパワーはあるけれど、所詮は水鉄砲。
 ワンショットで全身水浸しになるけれど、誰も、死なない。

 ギャングの抗争も、武器は水鉄砲。
 ブラッズは、シンボルカラーの赤い水鉄砲。
 クリップスは青い水鉄砲。

ブラッズ VS. クリップス 

 男の子たちだ。
 戦っているうちに、楽しくなる。
 痛くないので、腹も立たない。
 撃っても死なないので、永遠に撃ち続ける。
 全員、水浸しで抗争終了。
 大笑いでお家に帰る。

 戦争も水爆弾。
 ふくらましている途中、運んでいる途中にバンバン割れて、工場も戦闘機も水浸し。
 爆弾を投下しても、直接当たらない限りは安全だ。
 火事も起こらない。
 
 地上戦も水鉄砲。
 勝敗が決まらないので、全員、戦う意欲を失くして、お家に帰る。
 軍事費は激減して、社会の平和のために還元する。

 人を殺して手に入れる物なんて、なーんの価値もない。
 国民の命が守られて、戦いもジョークになって、だんだん世の中が明るくなる。

 水鉄砲社会・・・想像は果てしなく広がる。

最後まで読んでくださってありがとうございます!頂いたサポートは、社会に還元する形で使わせていただきたいと思いまーす!