その城は

おはようございます!

その城は
その国に
初めて降り立った時から
そこに
確固たる
姿を現し

何百年も前から
当たり前に
そこに輝いていたと
私に信じさせた

背の高い
アーチ越しに

美しく
豪奢な
シャンデリアのあかりが

灰色の
おもてにまで
漏れきて

旅に疲れた私の足は

自然に
そちらへ
吸い込まれていった


その日から

何十年も

幾度となく

そのアーチをくぐり

明るく
暖かく
豊かな

おもてなしを
楽しんだが


今日
振り返ったら

消えていた




道ゆく人に尋ねれば


何のことですかって

首を傾げるのね




あれは夢だったのかな



でも


私の着ている服
履いている靴


存在しないはずの
お城で
見つけた衣装


ダンスパーティの
踊りは

体が覚えている


私は

ワンフレーズ
踊ろうとして


おっとっと


よろけるのね




長い時が


すぎたのね





フィクションのつぶやきでした



いつもおつきあいいただき
ありがとうございます
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆



ではまた!




まきのしょうこ

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