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認知症の母:遠隔介護 わかりやすい色と形

2年ほど前の当時のFBから。

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2022年3月14日

母が迷子になった時のために「ヘルプマーク」入手。
障がい者本人でなくてももらうことができる。

ダメもとで駅の駅員室で聞いてみたら「はい、どうぞ」とあっさりもらえた。なんの説明も提示もなく無料だった。
東京都、案外すごい。

軽度の認知症は見ただけではわからない。特に母はおしゃれで着てるものの乱れは全くない。スタスタ歩くしハキハキ喋る。
でもいずれ外出先で迷ったり困ったりするかもしれない。誰かがヘルプマークを見て助けてくれるかもしれない。

認知症だけでなく見た目ではわからない障害や困りごとはたくさんある。周囲でこれを身につけている人が困っていたら声をかけよう。

無料


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ヘルプマークは母の透明バッグに入って、外出時にはとても役に立ってくれたと思う。

部屋の中にも、母の一人暮らしを助ける意味でいろんな工夫をした。
一度でもできなくなったり忘れてしまったことは、この先もっと頻度が上がる。
でも注意を引けばまだ思い出せる時もある。

『できない時が1、できる時が9』のうちに何かの対策をしておけば、時間稼ぎができる。慌てて誰かが駆けつける必要はない。遠隔介護するために知恵が必要だ。
進んでいく認知症の症状にゆっくり対応するためにあれこれ考えた。

母が忘れ始めたことを思い出せるようメモを書く道具


母はもともと家の水回りのリフォームをしたり家具を動かしたりカーペットを変えたりと、インテリアに妥協しない人だった。母の好みから考えて、部屋にメモ紙がベタベタあるのは嫌がると思い、できるだけポイントを絞った書き方で貼る場所を考えるようにした。

でも母にとって何が正解なのかわからない。
百均でいつも使えそうな文房具を探していた。

できるだけ可愛く簡潔にわかりやすく

私なりに用意したけれど有効だったような、そうでないような。
でもやらない選択肢はないので、効果を願って少しずつ増やしていった。


そのうち、文房具や、訪問時に使うものの量が多くなったので母の家に置いておく必要が出てきた。

でも、母は常に家中のものを動かして忘れてしまい「あったはずのものがない」ことがとても増えてきた。
もう10年以上決めた場所に置いてあったはずのハサミは、訪問するたび、常に見つからない。他にも爪切り、メガネなど探せば出てくるのだが「いつもの場所」にない。ないと探す時間がかかる。ケアプラン会議などの用事があって訪問しているとその時間が取れない。そのうち探すのが面倒なので「無いなら買う」ことにした。

備品の買い置きだ。
予備があれば困らない。探す時間の節約にもなる。
でも母が家にどのように置いておくのがいいのか。押入れですらものを入れたり出したりしてるようだし、母は私が訪問すると後をついて回って私から離れない。下手に隠しても一人でいる時に移動されても困る。

そこで、私専用のバッグを母の家に置くことにした。
目立つ色のバッグを選んだ。『赤い大きめのバッグ』に私の名前を大きく書いたタグを付けて、「私が使うものだから、中を触らないでね」と説明した。

母は
「はい。触りません」
と了解して、驚くことに中身が無くなったり動いたりすることはなかった。

母はいう事をよく聞く優等生だったのだろうと思う。子供の頃は「いい子」だったに違いない。
母は理解して納得したことはちゃんと実行する人でもあった。
嘘はつかないし思ったことはすぐに口にする。
わかりやすい子供のような人だったが、それはこの頃でも変わらなかった。


また、介護関係で、弟とやりとりする必要のある契約書などもわかりやすい色のついたバッグに入れ「これは私たちがやりとりする書類だから中は触らないでね」と説明。「はい。触りません」と母。

この方法はやってみると、母だけでなく介護フタッフとの連絡にも便利だった。

工夫はまだ序の口。
母の一人暮らしを支えるアイデアはまだまだ必要だった。


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