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認知症の母、お金に困る!?:家計の把握が最大の難関!! 

お金は母の最大の関心事。
母は仕事が大好きで給料も良かった。
ちゃんと稼いで、ちゃんと貯めて、羽ぶりよくパッと使う。
でも無駄使いは大嫌い。ずっと家計簿もつけていた。

そんな母が認知症を発症し、2021年11月にATM操作がわからなくなり、2022年1月には母の家に請求書が続々と届くようになった。カード引き落としや、税金、電気代の支払いなどで不審な支払いはなかった。
お金がないのかとチラッと思ったがそんなはずはない。
夏頃には、地方銀行系の証券会社の担当者と引き会わされて「あなたも投資したらいいじゃない」と言われたばかりだ。

早速、母のパソコンで口座残高を確認することにした。

2018年に、母は取引銀行3行をインターネットバンキング化していた。
すでにその頃、銀行が窓口のある支店をどんどん閉鎖しATMも数を減らしていた。母が頻繁に銀行窓口に行くことを知っていたので、家で振り込みができると母を説得して一緒に手続きをした。母はパソコンを普通に使えていたので暗証番号を入力すれば済むようセッティングまでした。

でもその後母はネットバンクを一度も利用していなかった。
未利用期間が長いとロックがかかるようで、再開するにはそれなりに手間と時間がかかったが、無事に再開。母と二人でパソコン画面を見ながら、順次振り込みを済ませた。

4年間眠っていたワンタイムパスワードカード


調べると、母は入金口座と支払い口座を分けていて、残高が減ると取引銀行まで出向いて現金を移しているようだった。

それにしても、母の財産は一体どのくらいなんだろう?
母は贈与税を勉強しなさいと夜中の3時に電話してきたことがある。っていうことは相続税がかかるのか?よくわからない。

母に、いくつ銀行口座を持っていて、保険に入っているのかどうかと聞いても
「はっきりわからないわ〜。どうだったかしら?」

せめて書類があればいいが、整理好きの母はものすごい数のファイルを作っていて、あちこちに背表紙の付いたファイルケースが見える。どれがどれだかわからない。数年前から認知機能が落ちていた母は、書類の整理も管理もできなくなっていた。

この後、私一人で怒涛の『財産把握』が始まった。
弟がいるが彼は認知症の母より数字に疎い。

アクティブ口座は4つだとわかり、過去1年間の入出金全てを表にした。
支払い先を洗い出して、それぞれ分析。社名だけでは支払いの内容がわからないことが多い。不要と思われる支払いは解約した。

同時に相続税の勉強もしたし、認知症の勉強もした。
ものすごく大変だった。
資産の全体像を把握するのに4ヶ月かかった。

そして何より、
『インターネットバンキング化』は、
介護する上で『最大』に役に立った。

ネットバンキングを勧めてよかったと、2018年の自分を自画自賛している。

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