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海外大学のジェンダーバランス 東大の女子比率、どうとらえるか ‐ 海外大学との比較から考える


学生に占める女性の割合がおよそ2割と極端に低い東京大学は、性別にかかわらず誰もが活躍できる環境、多様性のある環境とはいえません。まだまだ女性が活躍できる場が限られる日本にあって、国内のトップ大学のうちのひとつである東京大学の現状は大きな問題としてとらえられています。


前回の記事では、東京大学のジェンダーバランスの現状と女子学生が少ない要因を取り上げました。今回の記事では、他国の大学の状況をみてみたいと思います。


海外の主要な大学ではジェンダーバランスはどのような状況にあるのでしょうか。以下に示したのは、それらの大学の学生に占める女子学生の割合です。

大学名シンガポール国立大学(1)マサチューセッツ工科大学(2)オックスフォード大学(3)北京大学(4)東京大学(5)女子学生の割合49.6%48.8%53.1%47.4%26.4%

(1)NUS Registrar's Office より、2023年、学部生


(2)Women's enrollment | MIT Registrar より、2023年、学部生


(3)Gender | University of Oxford より、2022年、学部入学者


(4)2019年、卒業生・院含む


(5)400223323.pdf (u-tokyo.ac.jp) より、2023年、学部生


上記で取り上げたのはいずれも、各国のトップ大学と言われる大学です。女子学生の割合は東京大学では大きな差があるのに対し、これらの大学では男子学生と女子学生の割合に差はさほど見られないことがわかります。


オックスフォード大学では1920年に初めて女子学生が入学しましたが、今では女子学生の方が男子学生よりも多くなっています。一方で、東大は1946年に初の女子学生が誕生しましたが、未だに女子学生の割合は4分の1程度です。女子学生の受け入れ開始に20数年の差があるとはいえ、割合として2倍以上の差はとても大きなものであると思います。


トップ大学の男子学生と女子学生の割合に大きな差が見られることは、男女間で教育の機会に差があるということを意味します。前回の記事で述べられた要因がすこしでも改善し、大学がジェンダーやそれ以外の面で多様性のある環境となることで、教育の機会を性別によらず平等に得られる社会、そして誰もが活躍できる社会が作られていくことを望みます。


ライター:花