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事件に遭遇するの巻

すべては朝から始まった。

ご近所でいつも仲良くしてくれているおばあちゃんちから、水がちょろちょろと流れているのを早朝に目撃した。でもその時はなんだかよくわからなかった。

で、それから二時間後くらいにみたら、まだ流れていて変だなぁと思い、いつも声をかける窓があるんだけれどそこまで行って聞き耳を立ててみると、室内から「ザー!」というすさまじい水音がする。
よく見ると、家の基礎の部分や配管のすき間からさっきよりも勢いよく水が流れ出ていた。これはなにか起きていると思った私はあわてておばあちゃんの携帯に電話をかけて、寝起きのおばあちゃんに、外に水が流れ出ていることとすさまじい水音がすることを伝えた。
しばらくして
室内からおばあちゃんが「わー」とか「ひゃー」とか言ってる声が聞こえたので、「手伝うから玄関開けてー」と大きい声で言って玄関に向かい、開けてもらったらその瞬間に「ザーッ」と水が外にあふれ出てきた。

聞いてみると、洗濯機のホースが外れて水が勢いよくでていたらしい。
水びたしになっていたのは玄関、キッチン、洗面所、トイレの一部、リビングの一部。
始めて見る床上浸水のすさまじさに私は言葉を失くした。
「これ…どうしたらいいんだ…」
頭の中がぐるぐるしていたんだけれど、冷たい水の中を裸足でぴちゃぴちゃ歩いているおばあちゃんを見たら冷静になった。おばあちゃんはひざを痛めていて冷やすとすぐに転んでしまう。なので、まずは水が届いていないリビングのソファに避難してもらって足をあたためてもらうことにした。

その間に私は台所に落ちていたバスタオルみたいなものを使って水を玄関に向かって押し出すことにした。リビングの一部、キッチン、洗面所、トイレ、玄関と順番に水を押し出してなんとか歩けるくらいにするまでに2時間くらい格闘した。とにかく必死。何も考えずひたすら水を外に出すことだけを考える。

途中で、おばあちゃんにエアコンをつけてもらった。部屋が温まれば床も乾きやすい。
私は水に濡れてしまった家財道具を拭いたり、いるものといらないものを聞いてゴミ袋に詰めたりした。
外でゴミ袋を片付けている時にまだ基礎から流れる水を見て、イヤな予感がした私はキッチンまで行って、床下収納のフタを開けてみた。すぐにトレイがぷかぷかと浮くような妙な動きをした。
「これわ…やばいぞ…」
とイヤな気持ちになりつつトレイの水を掻きだし、収納されていたものを取り出してトレイをはずすと、床下はプールみたいになっていた。
水は床上だけでなく、基礎の中にしっかりと溜まっていたのだ。
この惨状をおばあちゃんに見てもらった。おばあちゃんも絶句していた。

この後すぐにおばあちゃんの家族や、建築してくれた会社に連絡ができたので、その日のうちに床下の処置をしてもらっていたけど…
洗濯機のホースがはずれただけでこんなことになるなんて、きっとおばあちゃんが一番びっくりしているんだろうな…と思った。八十歳を過ぎて一人暮らしをするおばあちゃん。
「今年はなんだかいろんなことがありすぎるわぁ…」
と困惑していました。

ちなみに今回みたいなパターンの場合は「水道代は割引されない」そうです。水道局に電話してわかりました。支払いが怖いなと思いました。

でも、おばあちゃんが無事でよかった。早く家の修理してもらえるといいなと思いました。







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