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10月の森

涼しくなって枯葉が地面に落ち始めそうな頃になると「どんぐり」の季節がやってくる。毎年この季節は外に出て「どんぐり」を探す小さな冒険をする。
公園、田んぼの前、野球場の広場など。もうどこにどんぐりの実る木があるのかすでに把握しているのでそれをめぐる。

ついでに「松ぼっくり」も見る。密かに人気のある「大王松」や「ヒマラヤスギ」が無造作に植わっている場所も知っているから、それもこっそり見に行く。ネットではへぇ…というくらいの価格で取引されているのに近所の大王松たちはほったらかしにされている。…でも、近所の人たちが関心を持ってなくてよかったなと思ってる。松ぼっくりをむしり取られた姿を見たくはないから。

たまに遠出をすることもある。車で1時間も走ればけっこうな山林地帯にたどりつけるから。森を散歩するのはとても楽しい。

いろんなどんぐり

どんぐりは熟すまでに2年もかかるらしい。長いなぁ。それだけの時間をかけてようやく地面に落下してくる。2年間ずっと樹の上から景色を眺めている…から、もしもどんぐりを食べたら2年分の風味がするのかな。大昔の人はどんぐりを食べてたらしいので、食べようと思えば食べれるんだな。…渋そう。


リスとどんぐり

どんぐりは自然に生きる動物たちのごはんでもある。秋のうちにたくさん食べるし、冬の間に食べれるようにいろんなところに貯蔵するらしい。…隠した場所を忘れないでいられるのはすごいなと思う。私ならあっという間に忘れてしまいそうだ。
…お腹いっぱいになってもらうためにも、どんぐりを拾う時は必要な分しか拾わない。ほんの少しだけ。
みんなのごはんだからね。


森の夜空は星がきれい

お腹いっぱいになったら、すっかり夜だ。
森の夜は星がよく見える。
たまに流星も見える。素敵な景色。
このままずっと森のままでいてほしいな。いつもそう思う。
安心して動物たちが眠れる森。

今年もどんぐり見にいきます。


絵のどんぐり

上の段  マテバシイ  カシワ
下の段  コナラ    クヌギ

イラスト・文 丸井もち



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