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凪の時

これといって何もない夜
スマホも何も見る気力がわかず
ただぼんやりしている
そとはもう暗くて月が折れそうに細くて
やけに雲が早く流れていて
何も頭に浮かばない

あとどれくらいこうしていられるのだろう
気力がわかなくてもいつも通りの日々
少しずつ減ってゆく時間

何に向かって行けばいいのだろう
考えてみても答えがでないことは
もうすでにわかっている

燃料のなくなった車は動かない
運転席から降りて
しばし夜空を見あげよう
他に人もなく 車もない
風の音、葉擦れの音、暗闇を照らす星明り
歩き疲れた膝小僧を抱えて天を仰ぐ
気が向くまま 風が向くまま


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