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がん患者の集いに行ってきた

私が通院している病院では、がん患者の集まりを不定期で開催している。
毎回講師を招き、お話を聞いたあとは参加者同士で会話をするようだ。

その集いに参加してきた。
年に数回だけの開催とあって、私が昨年夏に乳がんに罹患してからは初めての開催だった。

今回招かれた講師はピンクリボンアドバイザー。
ご自身も乳がんで術前化学療法と乳房温存手術を経験し、かれこれ7年くらいホルモン療法を続けているとのことだ。

ご自身の体験談を30分ほど話してくださり、そのあとは参加者が一人ひとり自己紹介と自分の病気の話をした。

参加者は全部で10名ほど。
講師がピンクリボンアドバイザーということもあって、ほとんどが乳がん患者だった。
男性の参加者は1名だけで、70代くらいの直腸がん患者。
残りの女性のうち1名が大腸がん、1名が肺がん、どちらも60代くらいかな?
あとは全員乳がんで、30〜40代くらいが半分、もう半分は60〜70代くらい。

私は自己紹介で昨年の夏に乳がんが発覚したこと、約4ヶ月前に乳房全摘手術をしたこと、今は術後化学療法として抗がん剤治療中であることなどを話した。
それから最初の頃は泣いて暮らしてたけど手術をしたらスッキリしちゃったこと、ウィッグを4つ持ってて気分で使い分けてること、明るく前向きに治療に取り組んでることなども語った。

いろんな方の話を聞いてみると、傾向としては若年層のほうが病気についてめっちゃ勉強してて、高齢者層はあまりそうではない印象だった。
もちろんそういうのって年齢だけじゃなくて個人の性格によるものが大きいとは思うのだが、それでも傾向というものはあると感じた。
実際に自分の親や夫の親を見ていると、やはり彼らも自分たちの病気について詳しく学ぼうとしない。
医療のことは医者に任せる、というスタンスだ。

生きてきた時代による価値観の違いなのか、それとも年を取ると理解力が落ちるなどして学習意欲が下がるのか。
私がよく観ている腫瘍内科医の押川先生のYouTubeチャンネルでも、年配の方ほど治療方針を医師に丸ごと任せる傾向が強いと言っていた。

自己紹介の中でそれぞれがこの集まりに参加した目的を話していたが、私も含めて全員が「同じ病気の人同士で話がしたい」というものだった。

実際にその目的どおり、同じ病気の者同士でしか分からない話ができたことが本当に良かった。
最初に告知された時の気持ちとか、抗がん剤の副作用についてとか、「分かる〜!」みたいな話がたくさんできた。

精神的に励まし合うだけじゃなく、ウィッグのことや爪のケア方法なども共有できるので実用的な側面も大きい。
年配の方はネットから情報を得る機会が少ないので、こちらが当たり前のように知っている副作用対策も知らなかったりする。
逆に若年層はネットの過剰な情報に振り回されてしまいがちなので、冷静な生の声を聞くのはとても大事なことだと思う。

それこそネットで探せば患者会もいろいろあるが、同じ病院に通院している者同士だと安心感が強いなと感じた。

こんな素晴らしい機会が年に数回だけというのはもったいない。
月に1回くらい開催してくれたらいいのに。
私はイベント主催の経験も結構あるので(最小で20人、最大で600人規模のイベントを1人で何度も主催したことがある)手伝えることはたくさんあると思うし、病院に提案してみようかなって思わなくもない。

だけどこれは娯楽的なイベントとは違って繊細な集まりだ。
ただでさえ不安な気持ちを抱えている人たちが、余計に傷つくことのないように丁寧に進行しないといけない。
トラブル回避のためのリスク管理も徹底的にしないといけないだろう。

今回参加した集いでも冒頭で注意事項がいくつか発表され、その中に「宗教に勧誘しない」といったものもあった。
確かにそういうことも起こり得るので、単純に「やりたい」って気持ちだけでどうにかなるものではないのだろうな。

それでもやっぱり月1くらいでこういう会に参加できたら心強いなぁ。
病院よ、頼む!!

ところで自己紹介タイムの時、自分と同年代くらいの方が泣き出してしまった。
最近乳がんが発覚したばかりで、まだ混乱状態にあるようだ。
術前化学療法を始めたところだそうで、病気そのものもつらいけど、それよりも副作用で思ったように家事ができなくて夫に対して申し訳なく、心苦しいと言いながら泣いていた。

これについて思うことは、また次回書こうと思う。

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