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抗がん剤副作用の脱毛が始まった!

一般的には、1回目の抗がん剤投与から2〜3週間で脱毛が始まるとされている。
しかし私の場合、10日目で始まった。

もともと私は髪の毛が伸びるのがめちゃくちゃ早いほうなので、納得だ。
というのも、抗がん剤というのは細胞分裂が活発なものに効果が強く出るらしく、その最たるものがガン細胞ということになるのだが、髪の毛も人間の身体では細胞分裂がかなり活発らしい。

人一倍髪の毛が伸びるのが早く、メンテナンスが大変だった私。
ブリーチ毛のため、根元の黒くなるスピードを見ると分かりやすい。
ということで、脱毛もとっとと始まった。

昨夜お風呂でシャンプーをしている時、最初は「いつもより抜け毛が多いな〜」程度に思ったのだが、そのあと「おやおやこれはもしや……?」と思った。
いくらなんでも抜け毛が多い。
もっとごそっと抜けると思っていたので、すぐに判断はつかなかった。
これからごそっと抜け始めるかもしれないので、お風呂の排水口にネットをセットし、寝るときはナイトキャップをかぶった。
今日から日中も病院でもらったヘアキャップをして過ごす。

実は私はこの脱毛がちょっと楽しみだ。
どんな感じで抜けるのかという単純な興味と、髪の毛がなくなった自分の顔がどんな感じになるのかという興味と。
そしてシャンプーやトリートメント、ヘアオイルなどのお手入れがいらなくなるのでお風呂のハードルが下がること(単なるめんどくさがり屋)。
長年ブリーチ毛のため、ドライヤーがとにかくずっと大変だった。
それから解放されることは普通に楽しみである。

髪の毛にこだわりがないわけではない。
むしろ人一倍こだわりが強いと思う。
ピンク、水色、紫、シルバー、ターコイズブルー、いろいろとヘアカラーを変えるためよくウィッグと間違えられてきた。
それらをキレイに保つため、Nドットのヘアオイルとモロッカンオイルを使い分ける。
ヘアアイロンは「ヘアビューロン」という5万円くらいするやつ。
ブラシは「タングルティーザー」だし、スカルプケアブラシも念入りにやる。
トリートメントもサロン専売品の高いやつを毎日たっぷりと塗り、シャワーヘッドはミストタイプに替え、そろそろドライヤーも7万円くらいする「レプロナイザー」にしようかなと考えていたところだった。

大事に大事にケアしてきた。
カラー、パーマ、いろいろ楽しんできた。

それが全部抜けてしまう。
生えてくるのは半年くらい先かな?
ボブくらいまで伸びるのは、そこからさらに半年はかかるだろう。

でも私にはリネアストリアの可愛いウィッグがある!

派手なカラーを2つ、地味なカラーを1つ買った。
切りっぱなしボブっぽいやつが1つと、丸みのあるセミロングが1つと、ヌケ感のあるオシャレなショートボブが1つ。
もうめちゃくちゃ可愛い。

ロングとかシルバーとかもっとたくさん集めたい!
なんせ1個あたり3〜4千円なので気軽に買えるのがいい!
2ヶ月おきのヘアサロンに毎回2万円以上かけていた私からすると、脱毛のおかげでヘアケア代がずいぶんと安くなった。

眉毛はシールで、まつ毛はつけまつ毛で何とでもなる。
鼻毛がないのは地味に不便そう。
マスク必須で感染予防に努めないといけないな。

私はハゲても美しい。
美しい顔立ちをしている美人からは程遠いが、美しいのだ。
ツルツルの頭になることを楽しんでしまう自分が好きだ。
今朝夫を会社に見送る時、「帰ってきたらハゲかもよ、ぐふふ」と言った。
実際に全部抜けるまでには数日かかるので、ただの冗談である。

私は右胸がなくても美しい。
昨日は夫に「見て見て!こっちはおっぱいがあって〜、こっちはない!」というギャグを披露した。
「こっちにあるこの乳首が〜、こっちにはない!おもろ!」と2人で笑った。
なんだったら最初から右胸がなかったような気もしてる。
これでいい。
私はこれでいいのだ。

ガンになったことはちゃんと悲観している。
再発が怖い。
まだまだ生きたい。
だから抗がん剤をやっている。

死ぬことに比べたら、右胸がないことも、髪の毛が一時的になくなることも、全然たいしたことはない。

なんて言いながら、また抗がん剤の副作用が強くなったら鬱々とすると思う。
今は体調不良系の副作用が抜けているからノー天気なことを言っているだけかもしれない。
でもまあ、心は上がったり下がったりするものだ。
下がればまた上がるので、下がったらしっかり心を休めればいい。
泣いて、ジメジメとネガティブなことをつぶやけばいい。
生きている限り、他にいいことはいくらでも起こるのだから。

今年パワハラで心を病んで心療内科に通い始め、同時期に母が自殺未遂をして精神科に入院し、同時期に自分の乳がんが発覚した私が断言するが、生きていればいいことはある。

この先何十年も生きて長生きすると決めているので、長い人生で見たら1年くらいの脱毛はどうでもいい。
この先いろいろ経験するであろう楽しい出来事を考えれば、抗がん剤治療もあっという間だと思うし、他の人にはできない貴重な経験をしていると思えばもうけもんだ。

ということで、昨日から始まった脱毛ライフを楽しんでいこうと思う。
なんだかんだ脱毛で不便なことも多く出てくると思うので、何か思うことがあればまた記事を書きたい。

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