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迷い道の中から見つけたもの。③

②のつづき。

地元へ戻った後、
運良く、
前勤めていた会社に、
パートとして
体調見ながら、
働かせていただく事になった。

“バツイチ“となって戻ってきたわけだが、
顔馴染みのお客様達は、
「今は別に珍しいことでもないし、
 戻ってきてくれて良かった!」
と温かい言葉をかけてくださった。

コーヒーチェーンでの経験もあることから、
休日に知り合いのカフェで
お手伝いをさせてもらったりもしていた。

有難い事に人や環境にも恵まれ、
少しずつ新しい地元ライフを謳歌し始め、
2024年はどんな事に挑戦しようか、
と考えていた矢先、
あの、1月1日の“能登半島地震“は起きた。

強く長く激しい揺れ。

砂煙が舞い、変わり果てた景色。
鳴り響く大津波警報…

ちょうど出先で
海岸線沿にいたこともあり、
生まれて初めて、
“死“を意識した。

運良く、津波を免れる事ができ、
夜遅くに家族とも合流。
避難所となっていた母校に
辿り着くことが出来た。

住んでいた実家は倒壊は免れたものの、
大きく傾き、無惨な姿となっていた。

当時、家にいた家族は、
着の身着のまま這い出し無事。

あの揺れの中、
家族・親族、友人・知人は
奇跡的に全員怪我なく無事。

避難所生活や仮住まい生活を経て、
生活拠点も決まり、
少しずつ気持ちも落ち着いてきた頃。

大好きカフェの1つが、
間借りで出張カフェをすると知り、
そこへ向かった。

「ごめん、今日はブレンド1種類だけなの。」

そんな事はどうでも良かった。

あの1月1日の事を語り合いながら、
お互いの無事を喜び、
1杯のコーヒーをお供に過ごす時間。

むくむくと私の中でとある思いが
芽生えた瞬間でもあった。

「もう中途半端な生き方はやめよう。」

「やっぱり、私は挑戦してみたい。
 転職する時に抱いた想いは消えてないし、
 自分には出来っこないって決めつけるには
 まだ早い。
 私も心がほわっと温かくなる、
 そんな場所を創りたい。」

せっかく助かった命。

「大丈夫。なれるよ。
 チャンスもやり方も沢山ある。
 私たちも頑張るから。」

その場にいた人たちからは、
そんな温かい言葉をもらった。

有難い事に、
私は本当に本当に人に恵まれている、
と思う。

守られている、と思う。

家は失ったが、
運良く生活拠点も見つかり、
仕事は失わずに済み、
怪我もなく元気な身体もある。

私の中で、
削ぎ落とされていくように、
目指したい事が明確な像として、
浮かび上がった。

これは、きっと、
神様がくれたチャンス、だ。

分からないけど、
何となくそう思った。

とにかく、
もう中途半端な事をやめて、
目の前の事に感謝を忘れず、
動けることから動いていこう。

周りへの感謝の気持ちを忘れず、
やりたい事に全力で向かって、
なりたい自分になろう。

20代から彷徨いに彷徨い、
他人に影響されたり、
色々とやらかしまくった
迷い道の中から、
やっと自分なりに目指したい道筋の
輪郭がはっきりとしたものになった。

地震で実家を失い、
本当の意味で“帰る場所“がなくなってしまった
悲しみもあるけど、
だからこそ、
前を向いて進むしかない。

今年で30代も折り返し。

まだまだ青二才な私の人生、
これからが勝負だ。


妥協なく、
思いっ切り楽しんでいこう。

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