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♯24 会社員だからこそ結婚・出産前に考えたい世帯主/子の扶養者

こんにちは、甘夏です。

この記事では自分自身の経験に基づいて、もっとよく考えて決めればよかった「世帯主」をどちらにするか、その後悔を持ってよく考えた子どもの「扶養者」をどちらにするか、定義や何に影響するのかなどついて綴っています。

世帯主の定義

厚生労働省の定義では『世帯主とは、年齢や所得にかかわらず、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から報告された者』 となっています。
世帯の中心となって物事をとりはかる者・・・?
これはどういうことでしょうか・・・?
"年齢や所得にかかわらず"とあるので、収入面で家計を支えている必要はないようです。
家庭によっては収入面では夫が主に支えているが、家庭内の行事や日々の生活・家計管理などは主に妻が担っている、という場合もあると思います。
このような場合、世帯の中心となって物事をとりはかっているのはどちらでしょうか?
実際には明確なルールは無いので、夫・妻のどちらが世帯主になっても特に問題はありません。

世帯主は何に影響する?

①その世帯の住民票に『代表者』として記載される
②国民健康加入者の場合、保険料の通知書が世帯主宛に届く
③会社によっては福利厚生として世帯主に対して手当が出る

①や②は影響するといっても、困ることはないのでしょうか。
注目したいのは③の会社の福利厚生です。

というのも、わたしが勤務している会社でも結婚をした従業員に対して
本人が世帯主である場合には『家族手当』が支給される、という制度がありました。
これ実は、結婚してしばらく経った後にたまたま同僚男性と給与明細を見せ合った際に発覚しました。
(等級や役職、勤務年数も同じなのに、なぜか給与額が違う・・・なぜ!?となり、手当欄を見て、就業規則を確認しました。)
入籍届を市役所に出しに行ったことはこのことについて全く知らず、世帯主をどうするかを何も考えていなったので、
市役所であたふたと「どちらにした方がいいんですかね?」と担当者の方に聞き、「どちらでも問題ないですが、旦那さんが今後自宅を事務所にして開業などをされる可能性があるようでしたら、住所の代表者は周りから見た際の信用を獲得できるという意味合いで旦那さんであった方が見た目は良いかもしれません。」と言われ、特に意見もこだわりもなかったのでその通りに世帯主を夫にしていました。

ですが、その後開業して3年になる夫は振り返ると、全然妻側が世帯主でも問題なかったと言います。
結婚4年ほど経ちますが、世帯主をわたしにさえしておけば、毎月支給されたはずの「家族手当」、悔やんでも悔やみきれません・・・。
このことが発覚してから、世帯主を夫からわたしに変更して会社に届け出ようか?とも考えましたが、ちょっと勇気が出ませんでした。

その後結婚をする仲の良い女性社員にはわたしの教訓『夫側に特にメリットが無いのであれば世帯主になることも検討をした方がよい』を伝え、数人が世帯主となり、それを会社に申告することで無事に家族手当を受け取っていました。

最近会社では家族手当自体が撤廃されたのですが、給与明細を見せ合った同僚男性は結婚した時に特に世帯主の確認をされることもなく、当たり前のように世帯主認定され、当たり前のように家族手当が支給されていたのに、なぜわたしには当たり前のように非・世帯主と認定され、当たり前のように家族手当が支給されないのか、ということに会社側からの男女の扱いの違いに非常にモヤモヤしました。

夫側が自分よりも福利厚生が充実している企業に勤めていればなんの違和感もなく受け入れられたと思いますが、我が家の場合は、夫は福利厚生も何もない自営業者です。

扶養者の定義(社会保険上/税法上)

ひとくちに『扶養』といっても、社会保険上の扶養と税法上の扶養と2種類あるのをご存じですか?

a)社会保険上の扶養
社会保険の被保険者の場合、保険料を追加負担することなく扶養家族を被扶養者として同じ社会保険に入れることができます。
b)税法上の扶養
所得税・住民税を算出する上で、被扶養者がいると税負担を少なくするための控除制度(人的控除)があります。

a)とb)は全く異なる目的を持つため、子が生まれたときにa)とb)を両親で分けても特に問題はありません。

扶養者は何に影響する?

a)社会保険上の扶養
とくに大きく影響するものはないと認識していますが、わたしが実際に会社の担当者に確認したところ、子は原則収入が高い方の扶養に入れるべき、ということでした。

b)税法上の扶養
収入が高い方が払っている所得税額も多いので、減税効果も高いです。
そのため、こちらは収入が高い方の扶養に入れた方が税金面ではメリットがあります。
ただし、現行の制度では児童手当の対象である15歳までは扶養控除としての加算対象外のため、16才未満の子の養育者であれば、どちらの扶養に入れても変わりはない
と思います。

上述の通り、子を夫婦どちらの扶養に入れるべきか迷ったときは、所得の高い方に入れた方が税金面でのメリットがあります。(子が16歳以上の場合に限り)
ただし、その前に確認すべきポイントは、会社の福利厚生・手当のルールです。

これはわたしが何の考えもなく、確認もなく、世帯主を夫にしたことによって会社から家族手当が受け取れなかったことをとても後悔していたので、出産前に会社の規則をしっかりと詳細まで読み込みました。

すると、会社には子どもがいる世帯には「扶養手当」が支給されるという福利厚生があり、その条件として『従業員が子の税法上の扶養者であること』と書いてありました。
そして、産休前に会社の総務の担当者の方から出産時に会社に提出が必要な書類の説明を受けた際、『社会保険についてはいったん夫の扶養に入れる予定ですが、税法上の扶養については特に問題がなければ私の扶養に入れたいと思っています。』と伝え、夫は自営業者であり扶養手当などの福利厚生がないこと、会社の規則では従業員が子の扶養者であれば扶養手当が支給されているとなっている、この場合わたしも復帰後は扶養手当は支給されるのか念のため確認してほしい、と相談をしました。

・・・わたし、なかなかがめついですよね?
でも規則に書いてあるのだから当然支給してもらえるはずなのです。ただ、しつこいですが、結婚した際にはわたしが世帯主であるかどうかの確認もなく、当たり前のように非世帯主として扱われ、家族手当が支給されなかった前例があるので、ここはちゃんと自分から申し出て確認をしておきたかったのです。

なので少し抵抗はあったものの予め会社に扶養手当について確認をしたのですが、その場では「部内で確認しておきます」と言われ、その後回答がないまま出産し、『被扶養者届』を提出しました。
結果として、昨年復帰後には月の給与と併せて無事扶養手当を受給することができました。
こちらもその後に会社のルールが変わり、手当は廃止されてしまいましたが・・・

今後は多くの会社で各手当が廃止されるかも?

ここまでは、自営業夫と会社員妻のわたしたち夫婦の場合は、わたしが勤務している会社の福利厚生のルールに基づき、世帯主も子どもの(税法上の)扶養者も妻であるわたしにした方が家族手当・扶養手当が受給できるのでメリットが大きい、という内容でした。

ですが、わたしの働く会社でもここ最近その手当自体が廃止されるなど、福利厚生のルールが変わってきています。

現在政府でも、すでに撤廃された社会保険上の『年収130万円の壁』や配偶者の被扶養者が年収の壁を気にせず働けるように住民税・所得税に関わる『年収103万円の壁』への強化支援対策など、日本全体の労働アップのための施策を検討・実行しています。

これは、かつての日本では主に男性が会社員として働き、多くの場合配偶者である妻は夫の被扶養者であり、各ポイントの壁である収入を超えると社会保険料や税金面でのデメリットが生じるために働く時間をセーブしていた・今もしている、という現状が、日本が抱える課題である人材不足の大きな要因になっているからです。

会社にとっても、今まで被扶養者であった(多くの場合は)妻側の社会保険料を負担する必要がありませんでしたが、今後は政府の政策によって、会社側の社会保険料負担も増えます。
そうなると、わたしが働いている会社だけでなく、世帯主や扶養者に対し手当を支給を辞め、その分負担が増加する社会保険料にあてる、という企業も出てくる
のではないかと思います。

そのため、今後は世帯主をどちらにするか、子の扶養者をどちらにするかによっても手当などが関係なくなってくる可能性もありますが、
まずはこれから結婚される方や出産をされる方には会社の福利厚生や手当の有無、ルールなどを確認されることをおすすめします。

とても長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
どなたかのご参考になれば幸いです。

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