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「白靴・白靴下限定校則」を廃止した中学校のその後

こんにちは 山本です。
今回は、塾の近隣の中学校で、ブラック校則改善の動きがあった件についてです。

典型的なブラック学校

かつて当塾の近隣には、ブラック校則の見本市のような中学校が存在した。靴や靴下は白限定、髪型も厳しく制限され、少しでも規定から外れると別室に隔離。学校外でも、平日は午後四時まで外出禁止、生徒だけで町外への外出禁止、友人宅への宿泊禁止など、世間で言われている様なブラック校則は概ね取り揃えている様な状態だった。

流れが変わった2022年

数年前から、ブラック校則が世間でも注目を集め、改善に向けての動きが出てきたのはご存知の事かと思う。それでもこの中学校はなかなか動かなかった。だが、2022年、熱心な生徒会長と理解のある校長が揃ったことにより、ようやくこの中学校も改善の動きを見せ始めた。
結果として、ブラック校則と呼ばれるようなものは、ほぼなくなった様に感じる。その中でも象徴的なものが「白靴・白靴下限定校則」の廃止だ。

現在の塾の玄関
以前は白靴(というかほぼ茶色)で埋め尽くされていた


以前は、学校に履いていっても良い靴と靴下は、真っ白の物のみ認められており、ワンポイントも禁止。違反すると指導の対象となっていた。わりと自由な文化の中で育った私にとっては、生徒全員に同じ姿を強要するのは、とても違和感を覚えた。更に、この中学校だけでなく、岐阜県の多くの中学校では、この校則が存在するようである。
この校則が廃止された当初は、皆様子見といった感じで、なかなか変化が無いように思われたが、最近は各自好みの物を履いていっている様である。生徒たちもお気に入りの色の靴や靴下が使えて、嬉しがっている様子だ。
その変化は、なんと新聞にも取り上げられた。

そんなことが?と思うかもしれないが、私の知る限り、岐阜県の西濃地区で「白限定」校則が廃止されたのは、この中学校が初めてではないかと思う。それだけ画期的な事だったようだ。その後、周辺の学校でも改善に向けた動きが出始めている。

どうしてこのような校則が?

全く意味のない様に感じるこのような校則も、何かの理由があって存在しているはずである。
取材をすると、30~40年前の大野町の中学校はかなり荒れていたようで、校舎内は落書きを消すためのシンナーの匂いが充満し、爆竹が鳴り、トイレは喫煙所と化し、他校との抗争もあったとの話だ。
この様な状態を鎮静化させるために、校則を厳しくし、生徒を徹底的に管理する方向に進んだのではないかと推測する。(勿論、校則の変遷の記録がないので、定かではない)
以前、教育委員会に「白限定」校則について取材を行っても、「華美にならないため」の一点張りで、議論にすらならなかった。「まともに授業ができているだけで素晴らしい」とも言っていたので、以前の荒れていた状態がかなりのトラウマとなっている様で、思考が停止している様に感じられた。また、変化することに対する恐れもあったかもしれない。

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ブラック校則を廃止したその後

さて、校則が大きく改善されたこの中学校が、現在どうなっているかと言うと、正直、何も変わって様に感じる。それもそのはずで、身に付けるものの色が変わったところで、何の変化も起きないのは当然ではないだろうか。かつての教委が危惧していたような、華美になり学校が荒れることはないし、むしろ、私の体感ではあるが、生徒の満足度は高まってきているように思う。教員も無駄な指導をする手間が減って、良かったのではないか。是非、他の中学校も参考にしてほしい。

現在は、この中学校の様に、ブラック校則と呼ばれるものが改善される過渡期に入っている様に思う。それは喜ばしい事ではあるが、生徒の積極的な行動があって初めて変化するのではなく、教員や周りの大人も疑問を持ち、積極的に子供の権利を守るように行動していくべきではないだろうか。

山本

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