シュタイナー「超感覚的な認識を独自に得るための諸条件」より

高橋巌先生の訳には気をつけた方がよいところが多々ありますが、次の箇所の訳にはちょっと唖然としました。
 
「シュタイナーの瞑想法(秘教講義3)」高橋巌訳より
Kein theosophischer Lehrer sollte jemals ein Wort aussprechen, ohne Beobachtung des Grundsatzes:
1. Tritt zur Seite im kommenden Kampfe, und so du auch streitest, sei du nicht der Streiter.
2. Späh' nach dem Streiter; in dir laß ihn kämpfen.
3. Seine Weisung erwarte zum Kampfe; ihr folge.
Niemand kann zum «Streiter» werden, der für sich selbst kämpft, der nicht zur Seite tritt.
どんな神智学の教師も次の根本命題に従うことなく、教えさとしてはならないのです。
1.来るべき戦いに参加せよ。そのとき、お前は戦士でなくても、戦わなければならない。
2.お前の内なる戦士に向き合え。お前の戦士を戦わせよ。
3.戦うときには、その戦士の指示を待て、その指示に従え。
戦いに参加するのを嫌い、自分の中にひきこもる人は決して「戦士」になれません。
GA266a「超感覚的な認識を独自に得るための諸条件」第1講P20-21
 
この部分をドイツ語にできるだけ忠実に訳すと以下のようになります。ご参考までに。
いかなる神智学の教師も基本的な原則の観察をせずして決して言葉を発するべきではありません。
1.来るべき戦いにおいては、道の脇に寄り、まるで戦士ではないかのようにして、お前も戦いなさい。
2.その戦士の様子を覗い、お前の中で、彼を戦わせなさい。
3.戦いに向けては、彼の指図を待って、それに従いなさい。
自分自身のために戦う人、脇に寄らない人は誰であれ「戦士」にはなれません。(私訳)
 
ここで、シュタイナーは決して「戦うな!」と言っているわけではありません。大いなる内的な戦いがあるのですが、はたから見るととても戦っているようには見えない人こそ「戦士」なのです。
もし、GA266a第1講~第4講全文の私訳にご興味がありましたら、noteしますので、できれば有料でお読みください。

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