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【映画感想】『PERFECT DAYS』よりも『枯れ葉』を勧めたい

 カウリスマキ監督の引退宣言から6年ぶり復帰作。
『枯れ葉』今年1番好きかもしれない…
確固たる怒りをとぼけたユーモアで包んだような作品。『perfect days』よりも人に薦めたい。
美しい映像にそのドライなユーモアは、ヴェンダース監督も敬愛していた小津安二郎を感じたが、
とにかく会話ややり取りがユーモアに溢れていて
『大豆田とわこ』などの坂本裕二作品が好きな人は
絶対に好き、なはず…。
 そんなユーモアだけでなく
孤独で臆病な若くない不器用な男女の恋を描きながら
その時代を反映させたタイムカプセルとして
ウクライナの痛ましい戦況が度々ラジオから流れる。
主人公のアンサはNOをつきつけ胸を痛めるのだが
彼女ら、ひいては我々は胸を痛めることしかできない。
 マウステテュトットというバンドの曲に合わせて、ホラッパの正面アップが流れるシーンは印象的だった(『PERFECT DAYS』のラストシーンばりに。)けど、最後のアンサのぎこちないウインクが何よりも好きだったな。「最後は愛が勝つ」ぐらい臭いことを言いたげな、自覚があるからぎこちないのか、そんな素敵なウインクにやられたぜ〜

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