見出し画像

ロス

高校の友人がまつ毛や眉毛、ネイルなど色々出来るサロンを開店したらしく、お店のロゴマークのデザインを任された。慣れない仕事だったがなんとかやりとげ、更には作品を買い取らせてほしいと言われた。

既存のもので良いと言われたが折角だし新作で、と思って冬休み取り掛かった。作品をお店に納品するってことにひそかに憧れていたのだ。

作品に関しては色々新しい試みを入れつつも、お店の事を考えながら制作し、完成した。完成して間もなく写真を撮り、箱をつくり梱包し、つい先程発送した。

いやぁ1つ仕事終わった。年末年始にかけて体調を崩しながらもこれを気掛かりに動いていたので、お疲れ様俺!という心持ちである。友人には作品飾ったら写真送ってくれ〜って連絡したので、それが楽しみだ。うん。

…。




………ロスだなぁ〜〜〜


あ、こんな寂しいんやな。です。
ロスってます。はい。

まず作品を展示する前に人に送ったのが初めてである。そして完成してから手放すまでの早いこと早いこと。自分で眺める時間をほとんどとらずにお嫁に行ってしまった為、そりゃ寂しいわな!

作品を「我が子」に例えた場合、完成したら20歳くらい。30までに嫁ぐとしたら(勝手に娘の想定)10年成人した娘を見守る猶予がある。つまり制作時間の半分くらいは、自分の作品を眺める時間が必要なんじゃないか。その中で気付いた点を、次の子を育てるのに活かすんだ。

そう考えると今回についても、もっと余裕を持って制作して、鑑賞する時間を設けるべきだったんだ。大学時代には出来ていた事なのになぁ。昔は展示の1週間前には作品は完成させ、残りの1週間は作品を眺める時間にあてていた。その中で見えたちょっとした修正点を改善したり、作品と対峙する時間をつくれていた。

仕事始めてからそういう余裕は無くなったよな。まぁ、これからか。

成人して速攻で娘が嫁いだお父さんってこんな心持ちかな。などと思いつつ、娘の顔を観に友人のお店に近々伺おうと誓った。ただまつ毛も眉毛もましてやネイルに全く明るくないのにいっても大丈夫だろうか…などと考えるのは見事におっさんである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?