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技術士試験の選択科目違いがもたらす悲劇


 私のプロフィール記事で、過去の技術士二次試験の受験遍歴を記載していますが

 私は機械設計で2回口頭を落とされています。筆記も含めると4回落ちてます。

ちょっと見栄をはりました。択一で採点せずが1回あるので合計5回は落ちてます。
 最後は加工・生産システムで合格しました。
個人的には『機械設計以外のススメ』をしたいくらいです。 

 今回の記事では選択科目を変更した私が、その経験から
無料部分で
①選択科目のミスマッチが発生する理由を例え話を使い説明する
②選択科目の理解度が合否を分ける話
有料記事で
③科目を理解することとは
④口頭試験(本番)の再現から見る 受験科目ミスマッチが起こす悲劇
 
 という流れで持論を展開していこうと思います。

選択科目のミスマッチは何故起こるのか?

 技術士受験を志す、最初のころ『俺はきっとこれだ』
という思いで科目を決めると思います。
 
 これに対し、技術士が業務経歴票の添削をした場合
 科目のミスマッチを防ぐため受験生に対して『選択科目』については「こっちの方がいいんじゃない?」と伝えることが多いです。

 ただ、仮に伝えたとしても、「いやいや私はこっちで受験するのです」と言われると「頑張ってください」
としか言えないんですよね。
 
 それは、本人が
『こういう経験をしてきた!!』
という過去の話と
『だから〇〇の専門家としてやっていくんだ』
という未来(キャリア)の話があり
 それを踏まえて自身が選択するものだからです。
 
 独学で受験されている場合は、是正機会がないままに業務経歴票を提出するでしょう。 
 指導を受けていない、指導を受けても、頑なに変えないとミスマッチが起こり得ます。

飲食店を例えとして選択科目について話をしてみる

 私は、妻にあれこれ説明するときに何かに例えて説明することが多いです。
 技術士のススメという場で少し話をした『うどん屋さん』を例え話にしてお話を展開します。
 
 ある所に美味しい『うどん屋さん』がありました。
この国はミシュランの☆を獲得するためには専門を自らが選択し、合格することで『ミシュラン☆有り』と名乗ることができるとしましょう
(設定ガバガバ)

選択科目は多岐にわたり
 和食、中華、イタリアン、麺類、レシピ etc
と並んでいるとしましょう。
 
 うどん屋さんの選択科目は何が最適でしょう?


この問いに答えられるのはうどん屋の大将本人だけです。 

『和食』を専門にしたい大将なら
・和食の名店で修行してきた(これまでのキャリア)
・出汁にこだわり、出汁が主役のうどんを作った(業務経歴)
・今後、和食のプロが作るうどん として売り出したい(今後のキャリア)
 
『麺類』を専門にしたい大将なら
・うどんの麺は色々と食べてきた、コシなら負けない
・こだわった麺に合うスープを付けて提供する
・今後、『麺のプロが作るうどん』 として売り出したい
 
 こんな感じになると思います。
全く同じ『うどん屋』でも選択科目が変われば切り口が変わります。
 
 選択科目の専門性を理解した上で、キャリアが明確であるほど選択科目間違いは起こりにくいです。前回記事の『動機』が重要という話にここでもつながります。

選択科目の失敗が起こる理由

 上の大将とは違い、過去問のキーワードを主に見て『これが専門かな?』
という選び方をすると勘違いが発生しやすいです。

和食のキーワードには
・お出汁、盛り付け、包丁の入れ方etc
 
一方の麺類のキーワードは
・そば粉、小麦粉、つなぎ、麺のコシ etc

  キーワードを見て、ネガティブな『〇〇は知らないし』ということを軸に置くとおかしなことになります。 
『お出汁には自信があるが、包丁の入れ方などの和食は違うと思う』
 だから私は麺類で受験する!!
というパターン

または
『うどんは麺だし、小麦粉とかつなぎは分かってるから麺類だ』
  ということでキーワードと業務の親和性から『麺類』を選んだとしましょう。
 そして、専門とする分野『うどん』で出汁について語る。これが選択科目違いを生む一因になります。 
 また、そのような選択をすると選択科目全体を俯瞰して、自身の業務がどこにあるのか? という観点が抜けるので筆記合格にも時間がかかります。

 例え話が長くなり、話が迷子になりそうなので話を例え話から戻しましょう。
 
・選択科目を選ぶ根拠は『これまでのキャリア』を振り返りながら『これからのキャリア』をイメージすることが大切
※そのときに受験動機がとても大切になります
 
・業務経歴や選択科目の論文では科目を意識して課題抽出する必要がある
・キーワードだけで選択科目を選ぶと課題抽出が専門とずれる可能性が高まる
 
ミスマッチを防ぐためにも選択科目は自分のキャリアを見直してしっかりと考えましょう。 

 ここまでの話を読んでいただけると自身のキャリアと選択科目の専門性をマッチさせる必要が分かっていただけたと思います。
 そして自分のキャリアとマッチさせるためには選択科目に対する理解度をどこまで高めることができるかが重要となります。

選択科目の理解

 私は理解=腹落ちしたことというのは、600字解答用紙の1~2行で伝えることができるようになることだと思ってます。
 キーワード学習でも最初の1~2行で説明できる程度の解像度で理解できたか? を腹落ちしたかどうかの指標にしていました。
 
 機械設計と加工・生産システム・産業機械の違いについて私の解像度で違いを語りたいと思います。
 選択科目をこの程度の解像度で理解できていればいいんだ。
と感じてもらえたらと思います。 

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