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赤い帽子に赤い服。

ライブで初めて歌を聞いた時から、素振りや歌声、性格や何かを知りたくなって、肩をトントンしたら「おはよう」耳元でその人の声が聞こえた。わたしは返すことばを忘れて、その人は「あいつらバカだね」と言った。どうやら歌っていた、星の王子さまたちというバンドのコトをバカだねと言っていたみたいだ。私はうなずき、ちらっとその人の表情を見ていた。
どうにも惹かれてしまう。そんな人がいた。
そのアーティストの名はマヒトュ・ザ・ピーポーだ。何回かライブへ足を運んだ。渡したいものだけ渡して走り去る、そんな日もあった。
Twitterでメッセージを送って返事をもらった時なんかは足をバタバタさせて喜んだ。
名前が長いので、マヒトさんと呼ぶことにする。

てらさん、バレーボウイズ、マヒトさんの3組のライブの日、机に座るマヒトさんは昼休憩に落書きをする学生みたいだった。マヒトさんが書いた落書きをわたしはもらった。戸惑いながら、うれしかった。家に帰り、思いのまま落書きの紙に色をつけてみた。そしてTwitterのメッセージに写真を送る。「コラボさせていただきました!」わたしはなぜか、コラボという謎な言葉を使っていた。返事が来た!!!
「あらっびゅーてぃ。色は全部すきよ」
わたしは叫んだ、飛び跳ねた。うれしかった。


いただいた落書きに夢中になって色をつけた

今も大切に持っている。なくしてしまわないように、飾っとかないと。

さっき「ひかりぼっち」を読んでいて、やはり頭の中や考えも素敵な方なのだと思う。切ない中にあたたかさがあり、鋭い中にやわらかさがある。やさしさの中におもしろさがあり、静けさの中に叫びがある。

生涯大切にしたい本だ。

マヒトさんから奏でる音、音楽、全部聞きたくなった。パンクバンド、ハードコアと言われるバンドの中に居るマヒトさんは狂気的で、ぶっ飛んでいる。それに対してNUUAMMという青葉市子さんとのユニットでは、可愛らしい一面が垣間見える。そのギャップもまた良い。


GEZANの待夢という曲の歌詞、うっすら頭の中で歌う。「来年の春まではやめとくべきかな」「教えて、聞かせて、ちゃんとたいむ、待夢、ぼくにだけわかるような言葉で」「だまして、嘘ついて、ちゃんとたいむ、待夢」


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