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[エッセイ]無限のカフェを一人歩き

よく勉強や執筆のために近くのカフェに行く
ただ、昔から注意力が散漫な方で、すぐ集中力が切れ別の事を考えてしまう

よく、やってしまうのが
今この場所にいる人たちは何を目的に来ているかを考えてしまうことだ

待ち合わせ、息抜き、時間潰し、雑談、デート、仕事に勉強
このカフェにる30〜40人は何をしにきているのか
ざっくりとした妄想をすることだ

例えば、目の前にいるの男女は、大学2.3年生のカップルだろう
女の子は教科書とノートを開き黙々と勉強をしているが
男の子の方は一見パソコンを開き勉強をしている風だが、先程からキョロキョロと周囲の動きが気になっているようだ。よく目が合う(私が見過ぎているのかも😅)

おそらく、期末テストの範囲が発表され、彼女の方から勉強(デート)を持ちかけた
彼の方はOKをするも、勉強にはあまり気乗りがしておらず
この後の2人の時間を楽しみにして居るのかもしれない

少し離れたテーブルにはスーツ姿の男性が真面目な話をしている
年配の上司と若手の部下といったところか
案の定、上司が一方的に仕事論を語り気持ちよさそうだ
だが、部下はタイミングよくうなづいてはいるが
足は上司ではなく入り口の方を向き、手元は忙しなくいる
早く帰りたそうだ
居酒屋で食事を奢ってもらえるならまだしも、コーヒー一杯は時給に見合わないだろう
彼のために、遠くからAdoさんの「うっせえわ」をかけてあげたい

全くわからない人たちもいる
中年の男性2人が会話をすることもなく、それぞれの時間を潰している
1人は、ただ本を読んでいる。
精読すると言うよりは、ダラダラとページをはぐっているだけだ
もう1人は、背もたれにずっしり体重を預け、目を閉じて俯いている
と思えば、時々目を開き、テーブルの上のスマホとって何かを確認し
また目を閉じる

2人はどんな関係なのか

仕事の同僚で、営業周りの最中に休憩ないしはサボっていて
ただ、ダラダラと時間を潰している
いいや、それにしては服装がラフだ

パパ友?
一緒に子供の習い事が終わる時間を待ち
お互いに時間を潰しているのかもしれない
それなら、お互いにこんなに自由に過ごすことはなさそうだ

昔からの友人で、
お互いの近況報告のため定期的に顔を合わせているのかもしれい
だったら、もっと盛り上がるだろう
ここまで互いに自由にしているのだ
きっと、もっと深い関係なはず

兄弟
近くの病院で親が何か検査を受けていて、検査が終わるのとその結果を待っている

ただ、カフェに2人の男性がいるだけなのに無限の可能性が広がってしまう
まるでシュレディンガーの猫ならぬ
シュレディンガーの“おじさん“だ

こうして、頭がカフェの中を1人歩きする時間に
ワクワクと

おっと、前のカップルが勉強を終えたようだ
リップを塗り直す彼女、これは私と彼の妄想が実現したかもしれない
(自分が気持ち悪いことは重々承知だが、見てみぬフリをする)

「今日はまっすぐ帰ろ」

彼女の言葉にどこか寂しそうな背中を残していく彼
頑張ろう、若者よ

私も妄想から戻り
仕事に戻ろう

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