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中編 まとめ

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この場所でまた…

この場所でまた…

高校、屋上にて…

ガチャ

「こんなとこにいたのか、夏鈴。」

屋上への扉を開いた少年は柵に寄りかかり校庭を眺めている彼女に話しかけた

『どうしたの、もしかして私が好きすぎて探してたの?』

まるで探していたことを見透かしていたかのように、笑みを浮かべて問いかけられた

「ご想像にお任せします。」

彼女に張り合うようにおどけて答える

「何、見てたの?」

『あれ。』

夏鈴は僕の問いを校庭

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人生を変えたかもしれない出会い

人生を変えたかもしれない出会い

あの出会いが、僕の人生を変えてしまった…

でも、この出会いがなければ、こんなに心も揺さぶられることもなかっただろう…

・・・

「3年になってもつまんないのは変わらないか…」

3年になったにも関わらず、進路のことなど考えていない、誰一人として“自分のこと”を見られていない少年に突然未来を変えるかもしれない出会いが訪れる…

ガラッ

『全員、席に着けー。』

担任はやる気のない口調で生徒に指

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秘めた思い

秘めた思い

「はぁ、はぁ…」

私は、息を切らしながら校舎内を走っていた。

本来ならば、とくに“私の立場”であれば許されない。

そんなことは気にしていられなかった。

“ある場所”に向かって

・・・

バン!

「先輩!」

『おっ、これはこれは。生徒会長様じゃん(笑)
そんなに急いでどうしたの?』

「からかわないでください!
探してたんですよ、先輩を!」

『探してたって、電話でもすればいいだろ…

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甘い日常を切り取って

甘い日常を切り取って

「にゃーん、にゃん?」

『何してんの…?』

「にゃん?」

『いや、芽実…?ちゃんと話してくんない?』

「○○君がかまってくれないから、
猫になったにゃん。」

『えーっと、そんなにほったらかしにした…?』

「10分もほっとかれた…」

『10分だろ…』

「10分もだよ!」

『はぁ、とりあえず機嫌直して…。』

「じゃあ、ずっとくっついてる…。」

『ほどほどにしてください…』

・・

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好きの形

好きの形

「ねえ、ほんとに私のこと好きなの?」

『…好きだよ…何回言ったらわかるんだよ…』

「嘘ばっかり…
じゃあなんで私以外の女の子と出かけてるの…?」

『ちっ、ばれてんのかよ…』

「何回も嘘ついて、ばれてないと思った…?」

『ばれてんならいいや、もう別れようぜ。
もうお前とかどうでもいいし』

「どうでもいいなら何で私のこと、
“好き”とか言ったの…?」

『お前、見た目はいいし。周りに自慢と

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繋がれる想い

繋がれる想い

・・・

遥香:あと1分で同点、オフェンスはこっちから…

紗耶:ラン&ガンで攻めるか、24秒フルで使うか…どうする?

遥香:24秒フルで行こう…
スタミナ的にもこっちの方がいいと思うし…
みんなもそれでいい?

味方1:キャプテンの意見なら乗っかるだけだよ。

味方2:正直、1分だけとはいえラン&ガンはキツイ…ゆっくりの方が集中できるし。

味方3:ぶっちゃけ勝てばいいでしょ、ってか勝てるしょ

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これからを楽しみに…

これからを楽しみに…

美玖:やった…、やったよ!菜緒!

菜緒:うん、美玖!一緒の高校だね!
これも勉強教えてくれた○○さんのおかげだね!

美玖:そうだね!後でお礼しないと!

菜緒:今から行くの?じゃあ私も一緒に行っていい?

美玖:もちろん!一緒に行こっ?

…ピーンポーン…

?:はーい…。

ガチャ…

?:どちらさ…って美玖、菜緒ちゃん!

美玖:お兄ちゃん!

菜緒:○○さん!

○○:2人揃ってどうした

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この空間で芽生えた想い…

この空間で芽生えた想い…

「はいっ、この本お願いします」

『わかり…って宮田先輩…また来たんですか…』

「またって、来ちゃダメなの~?
って、また名字で呼んだ~。愛萌って呼んで?」

『まず図書室なのでお静かに…。
それと“ただの先輩後輩”なので、
名前呼びはしないですよ…。』

…一瞬、先輩が悲しそうな表情をした気がするけどなんでだろう…

「私は“ただの先輩後輩”って思ってないよ…」

『…えっ…?』

「というか

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全部、夢だった…

全部、夢だった…

…6 月上旬、校舎 屋上にて…

○○:あっつ…久々に雨降ってねぇから屋上来たのに…

“本来、学生ならば”授業を受けているはずだが、
彼は屋上で堂々とサボっていた…

○○:これから梅雨だし、ほかにサボる場所を確保しとかねぇと…

ってか、夜更かししすぎかなぁ…眠い…

彼が屋上にて大の字で寝そべった瞬間…

ガチャン!

祐希:はぁ、はぁ…やっと見つけた…
なぁんで毎日毎日サボっとんの!?

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ゲームの賭けには…?

ゲームの賭けには…?

ガチャン!

○○:うるさっ…。

紗耶香:○○!ゲームしよっ?

○○:頼むからもう少し静かに入ってくれ。
ドアが破壊される。

紗耶香:なんで!?誰がやったの!?

○○:お前だよ!?

紗耶香:まぁ、それは置いといて…

○○:置いとけるか!?

紗耶香:○○、ゲームしよっ?

○○:さっきとセリフが一緒じゃねぇか!?

紗耶香:チッチッチ、ちょっと違うんだよ~○○君?「○○!ゲームしよっ?

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託される想い

託される想い

・・・

さくら:ふぅ、いいところまで読めたかな…
それにしても、雨すごいなぁ…

朝からひたすらに降る雨は止み時を知らないようだ…

「遠藤さん、そろそろ閉館ですよ?」

さくら:あっ、分かりました…

「それと、幼馴染くんがお迎えに来てますよ(笑)」

さくら:?

○○:よっ!

さくら:○○…そんな毎日飽きないね…

○○:別にいいじゃん?嫌なら言えばいいのに~

さくら:ボソッ…別に嫌

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「幸せな苦痛」

「幸せな苦痛」

・・・朝 7 時・・・

…カーテンの裾から太陽の日が差し込み…

綾乃:ん…ん~眠い…

○○:zzz

綾乃:ふふっ(笑)

…恋人と迎える朝がこんなにも幸せと感じるとは、胸が熱くなった…

綾乃:さてっ、朝ごはんでも作るかな〜

ギュッ

綾乃:えっ///

…私の手を寝ぼけつつ握る○○、急だったから胸の鼓動が早くなる…

綾乃:ちょっちょっと、○○///?
起きてるんでしょ///?

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言葉に想いを添えて

言葉に想いを添えて

…私の“幼馴染”は少し、いやかなり変だった…

事あるごとにメッセージで花の写真を送っていた

『遥香って“椿”だよね~』

『柚菜は“ホトトギス”、
聖来は“シクラメン”かな?』

私達は本当に意味がわからず、
直接聞くのも怖かったから聞けずじまいだった…

だけど、私だけはなにも言われたことはない…

・・・

「ねぇ、さく」

「どうしたの、かっきー?」

「あいつ、最近学校にも来てないしメ

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佐藤さんとの秘密…

佐藤さんとの秘密…

突然だが、人には誰しも“秘密”があるだろう…

言ってる俺にも“秘密”はある

それは・・・

「ねぇ、みんな帰ったね」

『あぁ…』

「じゃあ、しよっか」

『そんな我慢できないの?』

「しょうがないじゃん、ハマっちゃったもん」

『はいはい…』

『ったく、璃香はとんだ変態だよな(笑)』

「〇〇だってそうでしょ?」

『まさか、ほかの連中からは思われないだろ…
生徒会会長と副会長が放課後

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