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15秒で変える、8台置く、3倍のアウトプット、2連敗しない

教師と教え子という関係性の二人の書籍。
『話すチカラ』(齋藤孝・安住紳一郎)。
さすがは言葉のスペシャリスト2人です。
読みやすい書籍でした。

人の集中力は、いったいどのくらい続くと思いますか?
実は、たった「15秒」程度で集中力は切れてしまうのです。ずいぶん短いですよね。
人が15秒しか集中できないのを踏まえて仕事をしている人たちがいます。それは、「CMプランナー」と呼ばれる人たちです。
CMの多くは15秒でつくられています。短く感じますが、人の生理に照らし合わせると十分な長さといえます。
集中力が切れた人に向かって「この商品、いいですよ」などといくら繰り返しても効果がありません。ですから、視聴者が集中できる時間内に「いいですよ」と簡潔に伝える工夫をしているわけです。
人の集中力は15秒も持たない。このルールから、15秒をすぎて同じ話を続けてはいけないことがわかります。

P.15

教員である身として、この「15秒」は、正直「短すぎる」という感想です。
でも、これが事実だとするならば、それに合わせて変えていく必要がある。いや、あるのか?
世の中の話すことを生業にしている皆さん、どう思いますか〜?

大学を卒業してTBSに入社した直後、当時住んでいた自室にテレビを8台置いたことがあります。
初めてもらった夏のボーナスで、渋谷の家電量販店に行き、14型のブラウン管テレビを8台買ったのです。
そのときの店員さんが偶然にも私のことを知っていて、「勉強熱心なことですね」と感心してくれ、うれしかったのを覚えています。買ってきたテレビを部屋に並べ、毎日同時に8つのテレビをつけていました。
ボリュームを上げているのは1台か2台。同じニュースを各局でどう扱っているのか、といったことをチェックしていました。
今にして思うと、自分に酔っている部分が強かったと思います。と同時に、たくさんのテレビを前にしながら「自分はこの世界で頑張るぞ」と言い聞かせていたような気もします。
テレビ業界では当時、「とにかくたくさんテレビを見なさい」と言われていました。だったら、わかりやすく、たくさんのテレビを同時に見たらいいじゃないか、と考えたわけです。
「やるからには、ここまでやらないと道が開けないぞ」という覚悟の表れでした。たとえるなら、鉛筆を同時に2本持って、漢字の書きとりをするくらいの感覚です。
今は、たくさんのチャンネルを同時録画できるようになり、とても便利になりました。もう同時にたくさんのテレビを見ることはなくなりましたが、ああいうやりすぎな感じの20代の一時期があってよかったと思っています。どんな業界でも、仕事でいいアウトプットをしたかったら、その3倍くらいのインプットをしておく必要があります。

P.115

他人は、その人の表面的な部分だけしか見えません。
あの安住さんが、こんな努力をしていたなんて、驚きました。
と同時に、ひとかどの人物になるには、どこか突き抜けたものが必要なのだと思います。
アウトプットの3倍のインプットは、できているのか。
授業づくりをする身として、今一度噛み締めたい言葉であります。

ただし、自分のミスで失敗してしまったときは、旅に出ようが、友達に相談しようが、家族と電話をしようが、心の傷を治すのは不可能です。仕事のミスは仕事でしかとり返せません。同じ状況でもう一度勝負して勝つ。それが唯一の解決策です。
同じ状況に直面したら、「次は必ず成功する。2連敗は絶対しない」と覚悟を決めてやり抜くだけ。万が一、2回失敗したら、2回続けて成功するしかありません。それをくれぐれも肝に銘じておきましょう。

P.206

「仕事のミスは仕事でしか取り返せません。」
プロフェッショナルを感じる言葉ですよね。
プロ意識の高さといえば、王貞治さんが浮かびます。
以前、見た記事の中でこんなことを言っていました。

「僕は野球が好きでスタートしたから幸せだけど、いざ試合となったら苦痛のほうが多かったですよ。やっぱり、お金をもらうのはたいへんなことで、責任があるんです。だから自分のできる最大限のことをやらなきゃいかんのですね。いい仕事をすれば、周りに『よかった』と言ってもらえるし、自分も『やった』という思いを味わえる。その思いをしないで仕事をしてもつまらないですよ。仕事を変えたって、次もいいことばかりじゃないんですから、今日やらなきゃいけない仕事に、自分で『よしっ』って思えるものを見つけたいよね」

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/1384

目の前の子どもをどのようにしたいのか。
社会をどのようにしたいのか。
世界をどのようにしたいのか。
教師としてのプロ意識を高め、今日も頑張ろう!

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