伊豆の山奥で独居生活を送っている。
しかし、年金や貯金で暮らしているわけでは無い。
３日に一度の宿直バイトと民泊で暮らしている。

月収にして７〜８万円と言ったところだ。
普通の感覚からすれば、とても暮らせる額では無いと思う。

ここに越してくる以前は、首都圏で３０年ほど放送作家をやっていた時期もある。
当時は年収にして１千万円は稼いでいた。
５０歳で引退したが、その後は月収２０万円前後で暮らして来た。

しかし、面白いことに、生活水準は、昔も今も、それほど変わらない。
いや、変わったのかもしれないが、体感として、その違いがよくわからない。
これは、不思議としか言いようが無い事実。

アルコールがダメなので、昔から、外飲みの習慣が無い。
つまり、遊興費は大して掛かって無い。
クルマやバイクは、数多く乗り継いできたが、中古が多かった。
強いて挙げれば、よく引越しをした。
住居費には、人より少しばかり金を使ったかもしれない。

しかし、横浜に住んでいた頃、月１０万円以下で暮らすなんて考えられなかった・・・と言うか、最初から、そんな事を想定すら、してなかった。
それが今、月７〜８万円で暮らしているのである。

もちろん贅沢は出来ない。しかし、節約しているという感覚は薄い。
ごくごく、ごくごく普通に暮らしている。
なぜ、そんな事が可能なのか？

山奥の中古別荘を買ったので家賃は掛からない。
別荘地のため、管理費が月５千円。
水道光熱費＋通信費は、月２万５千円程度。
食費は、自炊が多いので、月に２万円以下。
遊興費は、スイミングと映画くらいだから、月に１万円以下。
あと、クルマの維持費（ガソリン代込み）が、月に１万円程度。
雑費が５千円程度。
合計：７万５千円。
計算上も、月７〜８万円で暮らすのは可能と言うことになる。

しかし、横浜に暮らしていた時は、どうだったのか？
中古マンションの管理費が、月に１万５千円。
駐車場が月１万５千円。
クルマの維持費（ガソリン代込み）が月１万円程度。
水道光熱費＋通信費は、月２万５千円程度。
食費は、月３万円程度。
遊興費が、月２万円程度。
雑費が１万円程度。
合計：１２万５千円・・・ありえない。
当時は、月２０万円でも足りなかった記憶が・・・。

結局、山奥に住むことで人付き合いが極端に減り、交際費が掛からなくなったのが大きいかもしれない。
その分、民泊のゲストが月に２〜３組、訪ねて来るので、あまり気にならないのだが・・・。

あと何だろう？
衣服には、金を掛けなくなった。
何れにせよ、生活費が少なくて済むのは、良いことだ。

ミニマム生活とまでは言えないが、生活保護費が月１２万円程度と言うから、今の自分は、最低限以下の生活を送っている事になる。
当人には、そんな意識が、まるで無いけど。
これぞ、山奥独居暮らしの不可思議・・・である。