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「民泊」における、ゲストと同じ屋根の下で寝起きする生活のリアル。

伊豆の山の中で暮らし始めて、3度目の年末 を迎えようとしています。
ここでの 変化が少ない生活 には、すっかり馴染みました。
しかし、変化が少ない と言っても、2017年の夏から「民泊」をやっているので、優に 百名以上のゲスト を迎えています。

こう書くと、凄い人数のよう に思うかもしれませんが、365日で割れば、月に2〜3組程度 なので、ほとんどの日々が 孤独で変化の少ない暮らし・・・なのは、変わりません。

しかし、もし「民泊」をやってなかったら、本当に 無味乾燥な毎日 だったろう・・・と、ゾッとします。

ところで「民泊」と言うのは、キッチンが2つ 無ければ、ゲストに 食事の提供 が出来ないと言う 法律 があるのをご存知でしょうか?
二世帯住宅 でも無い限り、一般家庭で 2つのキッチンを備えた物件 なんて、そうそうあるわけが無いので、基本「民泊」は、素泊まり です。
だから、「民泊」を利用するゲストは、寝る場所を確保する のが主な目的になります。もちろん、気持ち良く寝られる場所 です。

逆に言うと、ホストは、寝具を整えるのと部屋を掃除する くらいしか、やる事は、ありません。(うちの場合、それにプラス、駅までの送迎 がありますが・・・。)
その代り、キッチンや洗面、バスルーム、トイレ、リビング等は、ゲストと共有 するのが 当たり前 です。

自分は、そう言うのが気にならないタチ らしく、別に苦にしていませんが、神経質なタイプ だと、それが 障害になる かもしれません。
そこで自分は、ひとつのルール を作っています。
それは、ゲストが居ようが居まいが、毎日、夜9時に寝て、朝は5時に起きるリズム を貫く・・・と言う事です。(ゲストの到着が遅れた場合は、寝る時間がズレ込む 事はありますが・・・。)
こうする事で、ゲストが居る場合、夜の数時間は、キッチンやリビング を ゲストに譲る ことが出来るし、朝の数時間は、自分がそれを独占する ことが出来ます。

困るのは、連泊のゲスト が、翌日の日中、外出しない場合 です。
どこかに観光に出てくれれば、いつものように 日中は自分が自宅を独占出来ますが、ゲストが外出しないと、日中、キッチンやリビングを自由に使えません
これが案外、ストレス になるのです。

以前、夏休みに5日間ほど連泊した中国人の女子学生2人組 がいました。
2人は、その間ほとんど外出せず、ずっとリビングで卒論か何かを書いていました。じっと自分の部屋に閉じこもっているのは、息が詰まって仕方無い ので、こちらが、用も無いのに外出 して 息抜き をする羽目になりました。

他人と共同生活すると言うのは、こう言う事かな・・・と思います。
つまり、ひとつ屋根の下に寝泊まりしても、個別の時間と空間を確保 しないと、共同生活が苦痛になると言う事です。

今は幸いと言うか何と言うか、3日に一度、アルバイトをやっているもので、宿泊予約も3日に一度、ブロック しています。
つまり、ゲストは、最大でも 二晩 しか 連泊 出来ません。

このようにしてから、すでに2年が経過 しましたが、特に不便は感じていません
但し、記憶に鮮明に残っているゲスト のほとんどは、長期滞在してくれたゲスト なので、長期の連泊が無くなると、そう言う 特別なゲストとの出逢い が減ってしまうと言うデメリットはあります。
まっ、それと引き換えに、ストレスが減った わけですが・・・。

自分の場合、一般的な「民泊」のホストに比べると、ゲストとの関わりは、あっさりしている かもしれません。
ゲストが居る間は、意識して自分の部屋に籠っています
ゲストに、リビングやキッチンを 自由に使ってもらいたい と言う理由もありますが、もし自分がゲストだったら、ホストと四六時中、顔を合わせていたく無い と思うからです。

それでも、同じ屋根の下で、他人と一晩を過ごす・・・と言うのは、特別なイベント です。特に、それが 外国人だった場合 は、尚更 です。
ちょっとした挙動に カルチャーショック を感じるし、些細な習慣の違い に驚きを覚えます。それは、日本人であっても同じです。

民泊」を始めた事で、実に様々な人たちと、ひとつ屋根の下で寝起きする ようになりました。そして、些細な習慣の違いや文化の違いを 目の当たりにして来ましたが、一番、興味深く感じているのは、それとは 全く逆の事 です。
どんな人も、どこの国に育った人たちも、根本は同じ・・・と気付いた点です。
とりあえず、自分の常識が通じる・・・と言うのを知った事は、大きな収穫 だと思っています。


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